Facebook研究所 -2ページ目

Facebookで儲けるためにはどうしたらいいの?

近頃、本当によく質問されるようになりました。

「Facebookで儲けるためにはどうしたらいいか。
 ウォールに書き込んだり、写真アップしたり、いいねを押したりはしているが、
 ビジネスでどうFacebookを使ったらいいか。」

僕は、こう即答させていただいています。

「Facebookで儲けることはできないですよ。
 まずは、今までどおり友達とFacebookで交流してください。」



Facebookで儲けることは、現時点では非常に難しい。
それが僕の結論です。
※例外:Facebook活用セミナー、海外相手のビジネス、
 小規模コミュニティ、アプリケーション



それは何故か。

それは、Facebookが人と人とのつながりを促進・サポートするSNSでしかなく、
ビジネスで使ってもいいけれども、
お金儲けできるように作られているわけではないからです。

冷静に見てみれば、
Facebookには広告という有料のツールはあるものの、
それ以外にはいっさい、
新規のお客を集める機能が用意されていないことがわかります。

メッセージの一斉送信はスパムと判断され、
その他フォルダに移動されてユーザーには受信が通知されませんし、
イベントを立ち上げても告知できるのは知人やグループのメンバーのみ。
(Facebookページにいいね!を押してくれた人は、
 ニュースフィードで見かけてくれるかもしれませんが。。。)
そこに新規のお客はいません。



ならば、なぜFacebookは儲かる、と言われたのか?

それは、Facebookの本拠であるアメリカでは、
Facebookが社会的インフラとして定着していたから発生した、
ある現象です。



アメリカに留学していた人に聞いた話ですが、
向こうではホームパーティーのお誘いや、
そのパーティーで撮った写真の共有にFacebookを使っていたそうです。
ホームパーティーをしょっちゅうやるお国柄ですから、
共通の知人のパーティーの写真を通じて知り合う、ということもあったりするとか。

また、日本でFacebookが注目される前から、
留学していた人たちは帰国後も向こうの友人と連絡を取るため
Facebookを使っていました。

つまり、アメリカでは、
mixiのような半バーチャルではなく、
リアルでの友達との連絡ツール、フォローツールとして。
人と人とのつながりを促進・サポートするSNSという、
本来の目的そのものとして使われ、一般化しているのです。

Facebookでの友達平均人数は130人、
アメリカでユーザーがfacebookを見ている時間の平均は
1日10分程度という数字も、それを物語っています。



小規模の、バーチャルではない
濃いつながりを持つコミュニティが無数に存在する。
それがアメリカでのFacebookの状況と言えるでしょう。
そのコミュニティの中で、「何か」が注目を浴びたら?

そう、これがFacebookが儲かると言われた理由、
「口コミ」の発生です。
「完全新規」ではなく、「顧客の友達」を
取り込める可能性がそこには存在しています。



では、改めて日本の状況を考えると、

悲しいかな、Twitterや
セカンドライフの悲劇が繰り返されようとしています。
いわゆる「情報商材」による海外事例の紹介、
「先行者利益」という成功体験、
「海外を相手に商売ができる」という甘言。
そして、「Facebookとはそもそも何なのか」という視点を持たなかった。

結果として、「儲かりそうだ」と、
ビジネスをしたい人が先にFacebookに入ってしまいました。

あらかじめ人と人とのつながり、
企業や商品と人とのつながりが存在しないと機能しない。
それがFacebookの特性なのに、
順番が逆になってしまっているんですね。

日本のFacebookユニークユーザー数はまだ400万人、
Facebookがインフラとなっているとはまだまだ言えない状況です。
つまり、「口コミ」の発生条件が完全には整っていない。

その上、「売りたい」側の人間が多く、
顧客になりうる一般の人の比率が少ないように見受けられます。



なので、日本では「今は」ビジネスに活用しづらい。

と、なると、
現状でできることは、
「Facebookをインフラとして日本に定着させること」
「Facebookがインフラ化したときに活躍できる
 Facebookのシステムに関する知識の習得」
という2点に絞られてきます。

もし、Facebookに先行者利益があるとするなら、
その2点、
「Facebookのシステムに関する知識」もしくは
「Facebookをインフラ化させる
 アイデア、サービスを最初に考案すること」
になるのではないでしょうか。

ソーシャルコマースなど、
すでに大手が「売る」キャンペーンを始めてしまい、
元記事はもう消えていますが
このままだとセカンドライフと
同じ評価を下されかねない状況が出てきています。
この2012年はFacebookを国内に取り込み切れず、
日本がインターネットでのガラパゴスと化すか否かの
分かれ目になるかもしれませんね。