　あなたの身体が絶えず流動的な状態で化学的作用をし続けているように、大気も別のレベルであなたの体内に存在する霊的で化学的で電磁的な性質の全てを反映しています。あなたの血管を走る血の流れと、風の流れはほとんど変わりません。

　天候はその地域に住む人々の感情を忠実に反映し、全体的な天候のパターンはより深い内なる感情のリズムに従います。地震多発地帯にいる人々は、外の環境と自分自身のまったく個人的な精神的・感情的パターンとの驚くべき関係を生得的に分かっているために、そういう場所に引きつけられるのです。

　そのような地域にいる人々はエネルギーにあふれ、じっとしているのが苦手で極めて感情の起伏が激しく、強い創造性と革新性を備えているでしょう。彼らは現実に対し、自分自身に風穴をあけるような鮮烈な刺激や衝撃を必要としています。そこにはしばしば社会的状況への強いもどかしさと、並はずれた生命力があります。そういう人々はかなり活発に行動し、幻の化学物質とわたしが呼ぶものを集団で極端なほど過剰に放出します。

　そのような感情の非物質的な性質は不安定で、地球の構造の電磁的統合性にも影響を及ぼします。確かに人のいないところでも地震は発生しますが、どんな場合でもその発生源は外部の要素よりも精神的な要素に見出されます。

　さて、あなた方は意識レベルではなく生物的レベルで、迫りくる嵐や洪水、竜巻、地震などをよく感知します。身体は気圧の変化や、磁気方位のバランスの変化、皮膚に感じられる微細な電位差など、たくさんの兆しや合図を拾い上げます。自然災害の起きる以前にしばしば身体はそういうレベルで備え、いわば防衛態勢がとられるのです。

　ところが多くの場合はそこに個人的な反応にかかわる問題が付随しています。それ以外の心理的条件が入り込んでくるのです。人々は地震の危険がある地域に、そうとはっきり知りつつ、そこに住んでいます。

　自分ではどう説明しようと、絶え間ない刺激や動揺を必要としたり楽しんだりしているのです。環境の予測不可能な性質そのものが行動の原動力になるのです。天災や惨事に巻き込まれるには、必ずそれぞれに理由があります。

　多くの場合、そういう状況が起こる前にほとんど意識的に気づきます。あるいは身体の予知が夢に反映され、それで日常生活が変化して災難を免れることもあります。予定を変更して災害の一日前に街を離れる人々もいるし、そのまま留まる人々もいます。

　どれもが偶然ではありません。自分について、現実について、そこでの自分の立場について、あなたが抱いている観念に対応して無意識のデータが意識に入ってくるのです。みずから選ばなければ災害で命を落とすことはありません。そこには必ず何らかの意識的な自覚があります。もっとも自分に気づかせないよう巧みに目隠しをするかもしれませんが‥。

　動物は自身の死を前もって感知します。そのレベルでは人間も違いはないのです。災害の前触れなど信じなかったり意識的に知ろうとしなくても、無条件に自分は安全だと信じていれば理由なしに無意識に行動するでしょう。

　なかには自らの理由によって災難に巻き込まれる人もいます。試練や成長や学びのために身体の症状を使う人もいれば、物理的な災害を使う人もいます。そして症状を選ぶのと同じように、どんな災害かを自ら選びます。それは外部から強いられたものではありません。

　このことを意識では受け入れられなくても、自分自身を調べる方法を知っていれば、自らの観念が積み重なって正確にその状況がもたらされたことが分かるでしょう。重い病気になることで自分をじかに奥深い生と死のパワーに触れさせる人もいるし、埋もれていた生存本能を呼び起こすために自らを危機的状況に直面させ、鮮烈なコントラストをまざまざと目にして、あらん限りの力を奮い立たせる人もいます。

　大災害は、人によって意識的にも無意識にもそのように使われうるのです。

　　　『個人的現実の本質　ジェーン・ロバーツ著』　より

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