9/1のサンデージャポンで、爆笑問題の太田さんが、N国党の立花さんにコメントした。

「民放のTVをナメるな!TVはお前を無視したりしない。地上波で会おう!」

権力に媚びない、太田さんらしいコメントだ。


N国党の立花氏は、TVの仕組みをひっくり返そうとしてる人で、既得権益者にしてみれば、うるさいハエだ。(今はハエくらいにしか思っていないだろう。)

自分たちが放送法に抵触している事を知っている彼らは、どうしたって、立花さんを出演させられない。

また、彼をTVに出して目立たせる事で、彼に支持が集まる事を知っているマスコミは、立花氏の出演にNGを出している。

正確には、マスコミの上層部、おそらく電通の指示だ。
※あくまで推測の話ではあるが、おそらく当たっているだろう。


これは、TBSに限った事では無く、NHKを含めた全てのキー局が、同じ対応を取っている。

DaiGoさんも、自身の動画で同じ事を話している。
DaiGoさんも、サンジャポた。


でも、現場でTVを創っている人たちは、真剣に仕事をしていて、本当に立花氏を出演させたいと動いた結果だったと思っている。

TVの内容に関しては、おそらく上層部の人たちに許可が必要だろうから、N国党とは無関係の、韓国の問題の時に、太田さんは訴えた。

それを、他の出演者はもちろん、スタッフも黙って見守っていた。

彼らの想いは一つなのだろうと、私には感じられた。

「いつもの太田の暴走」

として、なんとか許される、ギリギリの抵抗だったのだと思う。


太田さんは、芸歴30年を超える大ベテランで、芸人界では、トップクラスに君臨する人だ。

多くのレギュラー番組に出演していて、その地位が確立されているにも関わらず、今だに、破天荒な言動をとっている。

ネタの際も、最初に必ず客席まで飛び降りて、メチャクチャさを表現してくれている。

先のENGEIグランドスラムでは、生クリームに足を滑らせ、大事故になりかけた。

もう、そんな事せずに、普通に漫才で笑いを取っていれば、今後も安定してTVに出られるにも関わらず。


太田さんの人物を知ったのは、ラジオがきっかけだった。

ほとんどの人は知らないだろうが、「ぜんじろう」というベテラン芸人と、「どっちが先輩か?」という小競り合いがあった。

その時に太田さんは、自身のラジオ番組にぜんじろうを呼び、直接対決をしてみせた。

見るからにケンカが弱そうな太田さんは、きっと怖かったと思う。
しばらく声が震えているようにも聞こえた。
多少の、興奮があったと思う。

しかし、その発言は、芸人としての誇りと魂のこもった、力強いものだった。

一方のぜんじろうは、終始逃げ腰で、なんとかこの場をおさめようと、かわしてばかりだった。
ケンカを吹っ掛けた張本人のクセに、なんとも情けなかった。

最後に太田さんは
「お互い同じ時代を、芸人として必死に生き抜いてきた仲間だ。また一緒に番組やろうな。」

そう話していた。


この年になってもまだ、芸人としての魂を失わずに、若い時と同じように、破天荒に振る舞う太田さんの熱い芸人魂に触れ、とても感動したものだ。


吉本の闇営業問題の時も

「歌なんかで金もらってるのが気に入らねぇ。芸人だったらネタやれよ。だからあいつは中途半端なんだ。」

「俺たちは、相手が反社だろうと、そういう奴らも笑わせてぇんだ。俺たちは芸人なんだから、芸をやるからにはお金をもらう。当たり前の事だ。」


芸人としての誇りと魂のこもった彼の発言は、とても心に響くものだった。


最初に紹介した立花さんへの発言は、TVタレントにとって、とてもリスキーなものだ。

爆笑問題と言えども、TVや電通がNoと言えば、一瞬で仕事を失う。
TVやラジオには、一切出られなくなる。

それでも、太田さんはリスクを冒してコメントした。

「民放をナメるな!」

きっと太田さんは、TVに出れなくなっても良いと思っているのだろう。
TVに出れなくなったら、舞台でネタをやればいい。
それくらいに考えていると思う。

そんな太田さんを、私はとてもカッコいいと思う。
権力に迎合せず、芸人としての誇りと魂を持ち、未だに若手のように暴れている。
私も、同じ表現者として、太田さんのようにありたいと思った。


なぜ太田さんは、そこまでして立花さんの名前を出すのか。

ENGEIグランドスラムで、N国党をネタにしたのは、爆笑問題とキングコングの2組だけだった。

キングコングは、二人ともTVなんか出れなくなっても、痛くもかゆくもない。

でも、TVが主戦場であるTVタレントは、一様に立花さんの名前を口にしない。


上述したような太田さんには、立花さんの生き様がカッコよく映っていると思う。

「なんか面白いヤツが出てきたなぁ。」

だからネタにしたり、「TVで会おう!」なんて言ったんだと思う。


そこにおそらく打算も、勝算も無い。

それでも、TVで彼の名前を出し続ける事で、TVの視聴者が、立花さんの存在に気付いて欲しいと思っているのかも知れない。

もしくはTVの中にも、同じ想いの人間はいるんだと、伝えたかったのかも知れない。


こんな事では、TBSは立花さんを出演させないだろう。

電通の言いなりの今のTVの上層部に、そんな気概のある人間がいるとは、到底思えない。

「自分の任期中は、なんとか穏便に済ませて、十分な退職金をもらいたい。」

そんなくらいにしか、考えていないだろう。


しかし、立花氏の影響は、確実に広がっている。
今、時代は大きく変わろうとしている。


そんな、上層部の意向を無視して、立花氏を出演させる事が出来たのなら、それは大きな一歩だ。

処罰を恐れない、ジャーナリズムを持ったTVマンの反乱だからだ。

そんな事をしたら、制作会社はキー局からの仕事を受けられなくなるだろう。

それでも、電通の支配が及ばない仕事は、実は少なくない。
報酬も少なく、誇りも持てない仕事なら、失っても構わない。
そんな人が出てきても、不思議ではない。

サンジャポや爆笑問題がどこまでやるのか、注目していきたい。