心と体は繋がっている
近藤さんが良く言っていた言葉だ。
鍛錬をさぼると心が弱くなり、心が弱くなると鍛錬にも身が入らなくなる。心身ともに健康であることが、本来の人間の姿なのだと。
人は常に何かの壁の前にあって、その壁を乗り越えようと足掻くものだ。
どんなに足掻いても、攀じ登っても登り切れず、打ちのめされて酷く落ち込み心が腐る。
だが、考えてみれば簡単なことだ。
それは自分だけでなく、周りの人間も同じように悩み苦しんでいる。
ただ、その心の温度が自分と相手で違うなんてことはよくあることだ。
最低最悪の気分を味わえば、何かを生み出すことも人と関わることも忘れて殻に閉じこもりたくもなるだろう。
そんな時こそ思い出せ、自分は何者なのか?
終った事を後悔するよりも、どうやって前に進んでいくのか。
終らせない為に、自分がどうあるべきなのかを。
近藤さんを失ったあの日より苦しく辛いことなんか一つもねえ。
―俺より先に武士になったあんたがいてくれたから。夢を、夢のままで終わらせたくねえと思った。この夢だけはどんなことをしても絶対に叶えてえって、強く思うようになったもんだ。
だから俺は今でもあんたと一緒に、あの頃の夢を未だに追いかけている。
俺が俺であるために――――――
土方歳三

