そこには、こうの姿があった。

のりこの格好をしている。

のりこっていうのは、小学生で、男の子で高学年しかなれない、おみこしの中で太鼓をたたく人のこと。

なんかカッコイイかも。

そのころ、知らない間にこうのこと好きになっていた。

こうは福里だ。

その地区によって、おみこしがちがう。

ゆきは地蔵町

こうは福里だ。

あっちはこっちにきづいてるのかな?

そしてその日はもうこうを見ることがなかった。

そしてふつうの日々がどんどんすぎていく。

気づけばもうちょっとでバレンタイン。

こうがスイミングで

「今年バレンタインもらえるかなー!去年全然もらえなかったんだけど」

なんて言っていた。

今年、あげようかな。とか考えたけどやっぱりわたすタイミングがない。

スイミングだからロッカールームがちがう。

だからわたせない。

そしてバレンタインがすぐた頃。

こうがスイミングで「今年3個ももらったーーーーー!」ってよろこんでた。

こうってモテるんだ。

ちょっとショックだった。

そしてきづけば5年生。

5年生になってかなりよくしゃべるようになった。

けれどこうはサッカーをしている。

足をケガしたりしてスイミングを休むことが多い。

しゃべる機会も少なくなっている。

最近ずーっと休んでいる。

けれどある日、スイミングに行くためにおばあちゃんの家まで車を自転車でとりにいくとき、狭い歩道でこうに会った。というかすれちがった。むこうはこっちをがん見。こっちもこうをがん見。

そのまますれりがった。


つづく




火曜日、ゆきはおそるおそるスイミングの体操する部屋に入った。

(どんな子がいるんだろう。友達、できるかな?)

心臓がドクドクいってるのが自分でもわかる。

入ってみると・・・

ぼうしの色が黒い子がいた!

黒いぼうしはB選手級の子がかぶるやつ!

かなりうまいんだ。

選手級じゃない、普通の級の子は白いぼうしにワッペンをつける。

何色の何級とかって。

選手級はC選手級、B選手級、A選手級、S選手級、プロフェッショナル選手級がある。

      --------------------------------→

                                            うまい

C選手級のぼうしの色は青、Bは黒、Aはシリコンキャップの白、Sはシリコンキャップのこん プロフェッショナルは自由。

ゆきは今C選手級。

あのこはB。

でもしゃべる勇気なんかなくて、誰ともしゃべらずに1人で体操していた。

そして、体操が終わって、いつもどうりにしてスイミングが終わった。

次の日学校で仲のいい友達、『えり』としゃべっていた。

「あのさぁ、好きな子とかいる?」

「うぅん」

ちょっと考えてみた。

いなかったけどえりがこんなこと聞いてくるなんて。

えりは好きな子とかいるのかな?

それじゃあここはノリでいるって言っておこう。

「うん。いるよ」

「え!うそ!だれ?」

「え・・・」

また考えた。誰にしよう。

うぅん。

あ!

昨日のスイミングでおもしろい男の子がいた。

けっこう目立ってた。

その子にしよう。

「あのね、えり。」

「だれだれ!?」

「きのう、ゆきがスイミングの曜日が変わってはじめて火曜日にスイミングに行ったこと、しってるでしょ?」

「うん。しってるよ」

「そこでね、好きな子、みつけたの」

「なんていうなまえ?」

え・・・。

そんなことしらなかった。

きのうがはじめてだったし。

出席とるとき、聞いとけばよかった!

「え、しらないよ。昨日がはじめてだったんだし」

「そっかぁ」

「えりはいるの?好きな子」

「あ。う・・・うん。まぁね」

えりは照れくさそうに言った。

「だれ?」

「テニスの子。けんっていうんだ。」

えりはテニスを習っている。

「へぇ~」

そして次の火曜日。

スイミングにいつもどうり行ってみた。

やっぱあの子いる。名前おぼえとかなきゃ。

出席をとるとき、名前をがんばって覚えようとした。

その子は『こう』っていう名前らしい。

その日、スイミングでは試験だった。

試験で泳いでる人意外、おっきなビート版にみんなですわっている。

そのとき、こうっていう人が男の子としゃべっていた。

そして、なんでかその男の子をこうが半分冗談でにらんでいた。

なんでかしらないけど女子はこうのことをきらっている。

そして女の子の誰かがゆきにしゃべりかけてくれた。

「こうの顔、ヤバイよね」

ってこそっと言ってきた。

ゆきは「ぷぷッ」っと笑ってしまった。

こうがこっちをぎろりとにらんだ。

けれどあんまり怖くない。

ゆきはまた「ぷっぷぷぷ」と笑ってしまった。

こうはにらむのをやめて、しゃべりかけてきた。

「なんで笑うんだよ」

「へへへ」

そして今日のこうとの会話は終わり。

こうとしゃべれてなんだかうれしかった。

次の日、えりから「なんていう名前だった?」って聞かれた。

あれ?なんだったっけ?

「ごめん!わすれちゃった」

「えええ。次はちゃんと覚えてきてよ」

「うん」

そして次のスイミングのときからだんだんこうとしゃべるようになってきた。

えりにも名前を教えることができた。

そして、お祭りの日が来た。

バスケで仲のいいメンバーとお祭りに行くことにした。

その子たちは、こうのことをしっている。

なぜかというと、ゆきがこうのことをその子たちに言ったからだ。

とってもおもしろい子がスイミングにいるって。

そして、お祭りでゆきがココロのおくえはそんなことないってわかってたけど、なぜかお祭りにこうが来ていないか目でさがしてしまう。

すると・・・


つづく




ある夏の日のこと。

『ゆき』はスイミングが終わって車で家に帰ろうとしている。

ゆきは小学4年生。1年生からスイミング、それと1年生の終わりごろからバスケを習っている。

スイミングは木曜日。バスケは曜日などほとんど決まってなく、週に3,4回ある。

「はぁあ。今日も疲れた」

「あのね、ゆき。ちょっといい?」

「ん?」

お母さんがこういう聞き方をするとなぜか緊張する。

「スイミングがね、9月から木曜日には習えなくなったの。木曜日はお休みの日になるんだって。だから曜日変えなくちゃね」

「えぇぇー!それじゃあ友達ともはなれるの?」

「うん。まぁ変える曜日と時間がいっしょだったらはなれなくていいけどね」

「そっかぁ・・・。」

ゆきはしょんぼりした。

だってバスケは1試合1クォーター5人ででる。だから練習もみんなでやる。パスの練習したり、5対5やったり。だからしゃべる機会が多い。だから友達だってすぐできる。

けどスイミングはちがう。コーチの話聞いてそれで泳ぐだけ。しゃべる機会なんてない。あるとしたら体操の時間、最後の1~2分の遊び時間。そんなのすぐに友達ができるわけがない。けれど、最近ゆきはだんだんと友達ができてきた。

なのにみんなとわかれるなんて。

「それでゆき、何曜日にする?」

「うぅん」

「火曜日は?バスケもあんまりないし」

「それじゃあそうする」

ゆきはべつに何曜日でもよかった。

そして次の週のスイミングの日。

「それじゃあ今日、スイミングの人に言っておくね?」

「うん」

そしてゆきはロッカールームに向かい、着替えて体操する部屋に行った。いつもどうり体操して、出席とって、シャワー浴びて、そしてプールに入る。

終わって、シャワーを浴びていたとき。

「ゆきちゃんって何曜日にするの?」

仲のいい友達、りんちゃんだった。

「火曜日だよ」

「いっしょじゃん!何時から?」

そういえば何時からかは決めてなかった。あとでお母さんに聞いてみよう。どうせ4時ぐらいからか5じくらいからのだろう。

「りんちゃんは何時からなの?」

「りんは5時からだよ!」

「あぁ~。たぶんいっしょくらいだと思う」

「そっかぁ!」

そしてシャワーから出て、タオルで体をふいて着替えて帰った。

車の中でお母さんに聞いてみた。

「ねぇねぇ。ゆきって火曜日の何時からなの?」

「4時15分だよ」

「そっかぁ。ざんねん」

「なんで?」

「だって・・・。りんちゃんとはなれちゃったからさ」

「そうなの。ざんねんねぇ」

「うん」

そうして、家についた。

おばあちゃんの家。

ゆきはマンションに住んでいて、マンションの駐車場に車をおくにはお金がかかる。なので、いつもおばあちゃんの家に車をおいている。

そしておばあちゃんの家からマンションまでは自転車でかえる。

ゆきはふと思った。

(そういえば次のスイミングは火曜日じゃん)

そう思うとなんだか緊張する。

友達はできるかな?


つづく