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ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の参加問題が一向に進展しない。不参加を決議した日本プロ野球選手会(新井貴浩会長=阪神)と、日本野球機構(NPB)側の事務折衝が29日に行われたが答えは出ずじまい。主催する米大リーグ側では、月内にも日本抜きでの開催を決定するのではとも伝えられる。ぎりぎりの局面を迎え、ある球団代表が不参加のデメリットと、選手会に翻意を促す“最後の秘策”を激白した。
NPBでは、週明けの9月3日に加藤良三コミッショナー(70)と12球団代表らによる実行委員会を開き改めて対応策を練るが、もはや遅すぎるくらいだ。
事態を憂うある球団代表が、悲壮感を漂わせてこう話す。
「ロンドン五輪メダリストによる銀座パレードの熱狂を見ても、国民が国際大会を見たがっているのは間違いない。もちろん日本側の権利は交渉してきたし、これからも主張していく。とはいえ、不参加という選択は切り札を通り越して“禁じ手”だ」
選手会側は一貫して、WBC運営会社のWBCIが保持する日本代表のスポンサー権やグッズ販売権は、NPBに帰属すべきと主張。改善されなければ大会には参加しないことを決議した。これにはファンも含め「日本抜きでWBCが成立するのか? アジアでは開催のノウハウと力量があるのは日本以外にない」という意見から、後押しする声も少なくない。
だが、この球団代表は「日本の不参加が決まれば、WBCIは過去2度の日本の優勝をはぎ取るくらいのことはやるだろう。アジアでも経済発展著しい中国がWBCの主導権を握り、ビジネスチャンスを広げていく可能性は十分ある。日本だけが背を向けるようなことがあっていいのか」と警鐘を鳴らす。
残された時間は短い。WBCIでは今月いっぱいに答えが出ない場合、日本抜きでの開催を検討しているとも伝えられている。果たして、選手会を翻意させる“殺し文句”はあるのか。
ヒントは、昨年のサッカー女子W杯で優勝したなでしこジャパンだという。決勝戦終了直後に「世界中の友へ 支援をありがとう」と英語で書かれた横断幕を掲げ、熱い共感を呼んだ。もちろん、東日本大震災の際に寄せられた世界各国の支援に対し感謝の気持ちを表明したものだ。
「WBCは、引き続き支援をお願いする場になりうる。ロンドンは五輪憲章との兼ね合いがあったが、WBCならできる。そういう機会を自ら手放すようなことをしないでほしい-と強く訴えたいのです」
いうまでもなくプロ野球も“震災復興支援”は至上命題だ。「震災復興WBC」で、選手会を口説き落とせるか。いずれにしても、決断の時期が迫っていることだけは間違いない。
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