【純喫茶バーガー1】ボンネット(静岡・熱海)創業60年超グルメバーガーで原点を探れ  | ホットケーキ先生談話室(旧ホットケーキ☆純喫茶りみっくす)

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今でこそ全国津々浦々マクドナルドが展開し、グルメバーガー店もその肉厚ぶりを競うように

多くの店で様々なハンバーガーを味わうことができる。


そんなハンバーガーも日本で広く一般化したのは、マクドナルド1号店が銀座にオープンした

1970年代以降とされている。


ではそれ以前のハンバーガーはどうなっていたのか?

まだハンバーガーが広く知られていない時代にハンバーガーを提供していた

純喫茶が残っているのではないか?



そんな昭和時代の古き良きハンバーガーを食べたくなり、訪れたのは熱海「ボンネット」

ハンバーガーの歴史を語る上では避けては通れない純喫茶だ。


ハンバーガーを提供する純喫茶として熱海に店を開いたのは昭和25年、

戦後間もない頃にご主人はハンバーガーが日本人の好みに合うと気付いていたのだ。


創業60年以上の歴史があるだけに、谷崎潤一郎や三島由紀夫といった

時の文豪たちにも愛されていた模様。

その他ボンネットの歴史は熱海市観光協会のコラム を参照のこと。



 

創業60年は純喫茶の中でも古株中の古株、しかし古臭さや汚さなどは何一つ感じない。

ソファの赤と白のコントラストが並ぶ光景が素晴らしいし、

元々女性にも入りやすい店を意識していただけあって照明にも気品がある。


店のど真ん中に仕切り代わりのショウケースを置く店など滅多に見ない。

通常ならイスを少しでも多く設置しようとするだろうに。

これも当時は少しでも店に入りやすいように、というご主人なりの配慮なのだろう。



ちなみにショウケースの中身は特に統一性はないようだ。

巨人が1994年日本シリーズで優勝した時の記念品が飾ってあったところから、

ご主人は巨人ファンのようだ。



なぜかセットメニューだけ別枠になっているが、当然注文はこれ。

チーズバーガーだとセットにならずに単品価格になってしまうので注意。



これが創業以来全く変わっていない日本のハンバーガーの原点たる姿である。

握りこぶし程度の小ぶりだが、現代のハンバーガーと比べるのはナンセンスであろう。



中身は甘辛いソースが絡まったハンバーグのみ。

後々ご紹介する純喫茶バーガーは湯煎で済ませるところも多いが、ボンネットでは注文を受けてから焼く。

これに別に添えてあるオニオンとレタスを挟んでいただく。



味が濃すぎない、肉が柔らかすぎず硬過ぎずと、うまく調和しているバーガーだ。

時々オニオンの酸味が肉の脂を和らげてくれるのもいい。


現代のバーガーに慣れている人には物足りなさもあるかもしれない。

ただ現代のグルメバーガーはあまりに大きすぎる、大味すぎるという紳士淑女たちには

ちょうどいいハンバーガーではないだろうか。熱海の客層を考えればこれで十分であろう。



なお、コーヒーは目の前でサイフォンから注いでくれる。

あのカップの貴婦人マーク、店名の由来でもある

ボンネット=ヨーロッパの女性用帽子を表している。



会計は通常はマダムが対応してくれるようだが、この時はご主人が対応してくれた。

調理中はほとんどしゃべらず寡黙な方だと思ったが、

「サンキュー」(キューの方にアクセント)といって送り出され、意外と陽気な方のようだ。

さすが三島由紀夫に水泳を教えたと豪語しているだけある。



純喫茶が栄えていた時代のハンバーガーとはどういうものだったのか、

当時のクラシックな「純喫茶バーガー」に興味を持ち、探ってみることにした。

シリーズものとしてもう何軒か紹介する予定である。



☆★☆ボンネット☆★☆

住所 静岡県熱海市銀座町8-14

営業時間 9:00~17:00日曜休

メニュー オープンサンドッチとボンネットライスが気になる。 注意 消費税5%時の価格です。