岐阜県の自衛隊で自衛官候補生が銃を教官に発砲し、2人の尊い命が失われました。



このことで自衛隊への危機管理意識が薄いだとか、加害者への同情との意見がありますが

加害者が100%悪い。絶対に。

叱られたから殺すっていう神経がわからない。

元自衛官の私としてはとてもショックな出来事です。



最近はハラスメントに対する国民意識が強い傾向にあります。

むしろ敏感になりすぎてると思う。

怒るという行為、怒り方には気をつけないといけないですが必ず必要です。

そうしないと理解できない、直らない人はいるんです。

だけど世間の風潮がそれを許さない。


大きくハラスメント問題を報道することで世間の感覚は次第に麻痺し、必要な行為も非難の対象となってしまう。

それが今の現状でしょう。


この弊害が如実に現れているのは教育の場です。

少しでも怒るとすぐに親が出てきて、責任を取らされる。(学校側が守らないのも問題ですが…)

だから教師も生徒の顔色を窺って授業をしなくてはいけない。

そんな世の中になってしまったんです。


この18歳の自衛官候補生も怒られない生活を生きてきたんでしょう。

怒られることへの耐性がないまま社会に出てしまった。

そして自衛隊という特殊空間。

自衛隊は一般企業ではない。

軍隊と同じなんです。

厳しいなんて当たり前。むしろ厳しくしないとその人物にとって命に関わったりと不利なことしかないんです。

命の危険が伴う普通の社会ではあり得ないことをする場所なんですから。




自衛隊は厳しいところです。

ですがそれ以上にとても楽しく、自衛隊での経験が私の人生に影響したと言っても過言ではないくらいに素敵な場所です。

あんなに社会に無知な青年たちを厳しく手厚く教えてくれるところは他にありません。

3ヶ月の辛い訓練を経験し、同じ釜の飯を食べ、時に泣き時に笑い合い、共に過ごした仲間というのは本当にかけがえのない宝物です。


厳しく鬼のような教官も、卒業にははなむけの言葉を送ってくれます。


そんな機会を全て自分の手で奪い無くしてしまった犯人。

あまりにも愚かです。

そして関係ない人まで、邪魔だといって殺す。

救えない。