ホタテなのですのブログ

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教室・・・


「まずはどこを目指すか・・・ね」

綾野はそう言って、校舎の見取り図を取り出す。この学校は職員室側・・・つまり西側校舎に三年生。東側に一年、二年となっている。北に体育館。そこからの方がグラウンドに近い。南に倉庫、プールなどがある。

「といっても、いきなり椅子を取りに行く訳ではないだろ?」

俺がそう言うと、彼女はまるで悪いことを言ったかのように俺をにらみつける。

「馬鹿じゃないの、当たり前よ」

「だよな」

よかった、そこまで無鉄砲ではないらしい。

「道春、悪いけど。まずは一年生達を援護しててくれる?」

「俺がか?」

俺がそういうと、彼女は、笑って言う

「当たり前じゃないの、最後に戦ったのが二年前。私たちが一年の頃よ?あのときは金島がいて勝ててプールができたけれど・・・」

先生を早くも呼び捨てとは・・・肝が据わっているのか、馬鹿なだけか。どちらかだ

「私たち一年は逃げ回ってばかりだったし。今度は私たちが引っ張るのよ」

三年の威厳か。それは。

「まあね」


職員室・・・・・・


「さて、まず教頭先生は開戦直後に教室に殴り込んでください」

「わかりました」

早速仕掛けるつもりか・・・と渡辺は内心苦笑いをこぼす。
田島は校舎の見取り図を見ながらさらに続ける。

「金島先生はグラウンドで最後の防衛です。たのみますよ」

「ちょっとまってください」

渡辺が口を挟むと、田島達は目を上げ、渡辺に注目する。

「どうして金島・・・金島先生がグラウンドなんですか?」

「何か異論でも?」

田島の言葉に渡辺はウッと息を飲む。これではまるで渡辺が悪いみたいだ。

「いえ、新人なのですし少しは優しくしては良いのではないかと・・・」

「心配には及びませんよ、渡辺先生」

すると、当の本人である金島が笑って答える。

「私に近づく輩は、空に投げ飛ばします」

そう言いたいんじゃない!!と、渡辺は叫びたくなった。彼女を心配してるんじゃない。生徒が勝ってしまうことを恐れているのだ。


「で、まずはですね」

渡辺を無視して、田島は話を続ける。


教室・・・


「じゃあ、まずは・・・」

綾野はビシッとあるところを指さす

職員室・・・

田島はゆっくりと指さす


「「体育館を守りましょう」攻めましょう」


このとき、渡辺と、道春のため息は同時だった。