夏の夜は涼しくなっていい。
昼間が熱いぶん、だいぶ涼しく感じて気持ちがいいのだ。
そんな夏のある日の事だった。
涼しい夜を前に散歩をしたくなった。
サンダルを履き外へ繰り出す。
少しして、私はどうやら廃病院へと迷いこんでしまったらしい。
ほんの少しの興味だけだったのだ。
真っ暗な病院には、一切の人はおらずに気配さえもない。
地面に散らばる瓦礫をける。
進んでいくと、一つだけ明かりの灯った部屋が見えた。
なんだかおかしいとは感じたが、まるで街灯に群がる虫のように
私はそれに惹きつけられた。
ゆっくりと近づき中の様子をうかがう。
が、そこには何もなかった。
ただ、ベッドが一つおいてあった。
いや、ベッドだけではない。
ベッドには毛布がかかっている。
そしてその毛布はふくらんでいる。
誰かが眠っているのだろうか。
そこで引き返しておけばよかったのだろうが
私はそれを見てしまったのだ。
毛布をめくってみてしまった。
なんてことはなかった。
ただ、私が眠っているだけだったのだから。