安倍総理と仲井真沖縄県知事の昨日の会見について、書いてみます。

沖縄県知事 埋め立て承認の方向



仲井真知事の、東京での入院は、もしかしたら政府関係者とのすり合わせを沖縄のマスコミに妨害されないような意図はあったのかもしれないですね。

この会見で安倍総理が示した条件は、

①普天間基地の5年以内の運用停止と牧港補給地区の7年以内の全面返還について防衛省に作業チームを設けて検討し、返還までの期間を最大限短縮する

②オスプレイの訓練のおよそ半分を沖縄県外の複数の国内の演習場などで行うこと

③在日アメリカ軍の施設や区域で、土壌などの環境汚染が生じた場合などに立ち入って環境調査を行えるようにするため、日米両政府間で日米地位協定を補足する新たな協定の締結に向けて協議に入ること

④沖縄振興のための予算について、来年度は消費税率の引き上げを踏まえて概算要求を上回る3460億円を計上する

⑤平成33年度まで毎年3000億円台を確保する



・・・ここまで大サービスだと、仲井真知事も、「安倍総理大臣みずから驚くべき立派な内容を提示していただき沖縄の140万人県民全体が心から感謝している。お礼を申し上げたい」と、そりゃ言うわ、と思いました。

 私も素晴らしい内容だと思います。安倍総理、沖縄県民に対し格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。

 私は保守の立場だけど、日米地位協定の見直し作業はすすめていくべきだと思っているし、オスプレイの訓練移転も日米で協議していくべきテーマだと思います。

 民間レベルの親米、日米親善は当然だけど、政治レベルでこういった議題についての議論はちゃんと同盟国として対等になって行くために当然やらないといけないことですからね。

 お決まりの仲井真知事批判も多いですね。

 サヨク側からだと、『お金で沖縄の魂を売るなー!!』とか。

 まあ、安全保障を語れないんで、彼らは論外ですが。

 沖縄の新聞も絶賛大発狂中です。




 保守側からの批判だと、

『沖縄に金ばっかやりやがって!沖縄を甘やかすなー!!!沖縄知事何様だ!』

とか言うのも多いですけど、私はそうは思わないです。

 そういうのは、お金がどう流れていくか、経済が全く分かっていない意見ではないでしょうか?

 
 沖縄県に落ちた予算のうちかなりの部分は、本土資本の土木・建設の会社にわたるので、受益者は本土にもかなりいます。

 使われたお金は消えてなくなるわけじゃないんです。

 沖縄県内で使われた公共事業で支払われるお金は、工事業者だけでなく、巡り巡って広く国民の所得として、沖縄県内、県外を問わず、多くの人を潤していきます。

 沖縄だけじゃなく、デフレの今は、日本全国に、特に地方にこそ、公共事業が必要なのだと思います。



 今回の合意内容で、⑤の条件があれば、沖縄にだけない、鉄道を作ることが可能になります。


 名護ー那覇間を結ぶ南北鉄軌道計画に掛かると言われている費用は、およそ5000兆円~8000兆円。

 いままで、単年度で3000億貰っても、次年度に獲得できる予算が読めない状況では思い切った計画ができなかった、はっきり言ってボンクラな沖縄県だって、今回安倍政権が提示してくれた複数年度予算があれば、可能になってきます。



 安倍政権も、単なるアメとしてではなく、これくらいの想定はしているのではないか、とも思います。

 なにせ、国土強靭化を進める内閣なのですから。

 離島県である沖縄県にだって、交通網の拡大により、被災地の救助をしやすくするという『国土強靭化』は充分可能です。南北鉄軌道を作ることは、沖縄県での災害へのレジリエンス(強靭性)を高めることにつながります。

 この、複数年度予算は大きいと思います。まさに、鉄道のない沖縄県にとって、他県と比べ整備されていない部分を埋めてくださる、『ご高配』となります。


 もちろん、国境の諸島県であり、海洋進出を狙っているうえ、内政も不安定でいつ崩壊するかも分からない危ない隣国に最も近い沖縄県は、安全保障も大切です。


現時点で、普天間基地は県内移設もしくは固定化以外に、選択肢はないのです。

 
 離島防衛には海兵隊こそが必要なのですから。

 今回の安倍総理ー仲井真知事会談で示された、普天間基地の決着の仕方こそが、極東の安全保障の面でも、沖縄県の離島防衛にしても、県の経済にとっても、県民の安全にとっても、ベストに近い解決策なんじゃないか、と思います。


 既定路線で、斬新ではない決着の仕方が、多面的に考えると最も県民、国民の幸せにつながることもあります。

 沖縄のマスコミの偏向報道でそれが見えなくなっているみなさんにも、良く考えていただいて、理解していただきたいと思います。