魚津緑ヶ丘病院 総合企画室長です。
病院経営に関する本や雑誌のレジュメをアップして共有していきたいと思いますので、宜しくお願いします。
以下、矢印「⇒」以降は当院の現状を書いたものです。
○『経営の最大のポイントは「価値」となる分野の追求』
・病院経営を実践していくうえで必要な知識
医療・福祉政策や制度改革の動向
人材や物品、情報の管理、資金調達、専門職の特徴といった病院の仕組み
医療の質やサービス効率を高めるための経営手法
ITツールの活用
最新の医療機器
管理会計やマーケティング、病院内の情報分析
取引事業者や関連企業との交渉や管理
⇒ 人材や物品、情報の管理の改善余地有り。
ITツールの活用は遅れている。
管理会計も弱い。
ちなみに交渉には銀行の金利も相見積りをすべき。
借入金があれば、3期分の申告書をコピーし、各金融機関にシミュレーションを出してもらう。
・共同購入には適する者と適さないものがあり、すべてを混同してしまうと医療の質を低下させることにもなりかねません。
手袋やマスクといった大量消費されるものであれば問題ないでしょう。
しかし、病院の特徴にかかわる分野の物品に関しては価格面だけで判断するのは危険。
現場では「質が下がる」とわかっているにもかかわらず、その医療材料を使えないとなると不満も溜まりますし、コストと一緒に現場のモチベーションも低下させてしまうことになりかねません。
⇒ 手袋やマスクについて、他院と共同購入する余地有り。
・マーケティングというと、地域の高齢化率や人口動態ばかりがクローズアップされますが、自院の機能を深堀りし、新しい価値を生むようなサービス開発型のマーケティングはあまり論じてこなかったように感じます。
自院の機能を掘り下げてマーケティングを行なっていけば、〝老人病院″であっても他にはない価値を見出し、ブランド化できる。
外部に向けて積極的に情報を発信していく、広報機能の強化も必要でしょう。
⇒ 「新しい価値」について考える必要有り。
認知症疾患センターは地域連携の観点から「新しい価値」を創造できると思われる。 「うつ疾患センター」なども考えれらる。
・IE(Industrial Engineering)、簡単に言うと〝ものづくり現場における業務改善″を中心とした科学的な管理手法で、好業績・評価を上げている人の業務上の行動特性に着目し、そこから模範的・標準的な作業を見出そうという考え方。
つまり、動作研究や標準作業や時間の設定を行なう手段。この標準作業や時間がなければ、計画や改善策を立案できないばかりか、作業余力があるのか、能力オーバーなのかも分かりません。
標準化とは改善の結果で獲得されたノウハウや知識が属人化するのを防ぎ、マニュアル等を見れば多くの人が行なえる形にすること。
⇒ 何でもマニュアル化すべきではないが、まずはマニュアル等によって標準化した上で、状況に応じて臨機応変に対応する。
・医療と経営、いずれも「価値」とする部分を明確に持つことが大切です。これがないとすべてが作業に終わってしまいます。
理念や方針の次に来るのが戦略であり、これの本質は「こんな医療機関にしたい」という想いを具体的に考えること。
「自院ではこういう医療を行なう」ということが見えれば、あとはマーケティングやIEなのフレームワークを使えばいいだけです。
⇒ 当院の理念は「心を大切に新しい地域医療をめざして」。
心とは誰の心か?対象は?
新しい地域医療とは具体的に何か?
漠然とは理解しているが、具体的でない。
個人的には前者は全ての利害関係者(ステークホルダー)で、後者は認知症やうつ病、不安障害全般について、地域の行政・医療機関・介護施設その他の組織との連携。
・病院はマネジメントを行なうミドルマネージャークラスをほとんど育ててこなかった。
ミドルマネージャーの育成が病院経営の最大の課題かもしれません。
⇒ 医療職の中からマネジメントに適性や興味のあるスタッフに教育を行ない育成したい。
またOJTも大切である。
マネジメントではなく、専門職として処遇する制度も進める。
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