年明けからマッチングアプリを始めた。過去にも何度かやったことがあるので何度目かのトライである。

先日、1/30の日経に

「婚活まずはネットで コロナで脚光、費用も利点」

というタイトルの記事が載っていた。
「新型コロナウイルスの感染拡大が若者の『出会いの場』に影響を与えている。不要不急の外出が難しくなり、婚活サービスではネットを通じて画面を見ながら会話するサービスを希望する人が増加。リクルートグループなどが導入を進める。直接相手と会う必要がなく『まずネットで会話できた方が安心感がある』といった声もある。」
とのことである。

確かに、コロナでオンラインでの出会いが加速した。一昔前よりもマッチングアプリが市民権を得るようになった気がする。

私がマッチングアプリを始めたきっかけは、転勤である。新しい土地に住むからには新しいことを始めたい。その一つとして緊急事態宣言下でもできることとして思いついた。彼女は約1年ほどいないので、いい人がいればな、という思いは大前提としてあった。

始めたきっかけはそんなところであるが、数ある女性のプロフィールを見たり、メッセージのやり取りをしたりしていると意外と面白いものである。恋愛的に面白いというよりは、ツッコミどころがある、という意味で面白いのであるが…
例えば、以下のような調子である。

「26歳までに結婚して幸せになりたいです!そのつもりの方とメッセージのやり取りをしたいです!真剣な人以外はお断り!」と24歳のとある方(Aさん)。強気である。
そんな方から「いいね!」を貰った。少なくとも「いいね!」をくれたお礼はしなくてはならないと思い、メッセージのやり取りを始めた。

まず質問を投げかけた。「26歳になると何があるんですか?」プロフィールに具体的な期限まで書くような人である。余程の何ががあるに違いない。そう思った。
回答は「母親がその歳に結婚したので」「周りで結婚する人がちらほらいるので」。
分かるような分からないような回答である。貴方の考えが知りたいのに、その答えではよく分からない。壮大な人生プランを語られても少し重いが、その答えでは軽すぎる。
母親の時代とは時代背景は違うでしょ?性別の役割分担意識が根強い時代と今とは違うのでは?結婚した友人の何が「結婚ていいな」と思わせたの?貴方の思いは?…と思ってしまった。

「結婚して何がしたいですか?」という質問には「旦那さんと一緒に暮らして幸せになりたいです」という回答だった。

旦那さんと暮らせば幸せが付いてくるかのような答えである。その幸せをどう作っていきたいか、それを聞きたかったのに。。。

あと、自己愛が前面に出ているような気がした。なんとなく、幸せになるというのと愛されるのは同義であるかのように考えているような節があった。与えることを幸せだと思う人、与えられることを幸せだと思う人…大抵の人はそのバランスを保って生きているのだと思うが、受け取ることしか考えていないのは健全ではないと思う。
というのも、たくさん与える人は、(自然と)たくさん受け取る人であると思う。つまり、何を与えるかだけ考えていれば自然と受け取れるのだ。一方で受け取りたい、と考えていても、受け取るというのは受動的な行為だし、願ったことが叶うことはそうそうない。その意味で、受け取ることだけを考えている人はそれを受け取ることはできないし、不健全だと思うのである。
愛は一方通行だし、一方通行だから(見返りを求めないから)愛なのである。「私がこんなに頑張ってる『のに』…」が出てきたら、愛ではない。

自分はこの人、あるいは、この人との間にできた新しい家族のためだったら見返りは要らない、その人が喜ぶことが幸せだ、と胸を張って言えるような人に出会いたいし、そのような思いで、(自分はぞんざいに扱ってもいいが)自分の家族に向き合ってくれる人に出会いたいと思う。

つらつら書いたが、マッチングアプリでマッチングしたどの人ともそんな会話を繰り広げているわけではない。Aさんはプロフィールにでかでかと上記のような内容が書かれていたので聞いたまでである。会ってもいない人にメッセージやり取りの段階で踏み込んだ質問をするのはよくないと思っている。一応、断りを入れておく。

ともあれ、マッチングアプリのメッセージには限界がある。直接会ったらもっと違うのかもしれない。書き言葉だけでは伝えきれない思いも伝えられるのかもしれなう。気軽に、実際に会って、一緒の景色を見て、お話して、フェイストゥフェイスでその人の芯を知れる、そんな状況が早く来ることを願う。