○7月23日

 邦画は、テレビドラマの劇場版3作品と、洋画は、ジョン・トラポルタが悪役の2作品です。トラポルタは、私の世代は「サタデーナイトフィーバー」でスターだったのですが、私的には、今の悪役三昧の方が好きです。ストーリーはどうでも、彼の悪役嵌ります。

 

 

 1978年公開の「水戸黄門」を観た。東映での映画化17回目の今回の作品は、東野英治郎さん版の放送開始10周年を記念して製作された。テレビ・シリーズのしギュラーキャストをそのままスクリーンに起用した作品。

 原案・脚本は葉村 彰子、監督は「祇園祭」山内 鉄也。東映・俳優座映画放送提携作品。TBSとC.A.Lも製作協力に名を連ねている。※葉村彰子は、TBS系の作品にはよく登場する名前ですが、個人名ではありません。作家集団のグループ名です。興味ある方は調べてみては。

 

 加賀藩の次席家老・村井主水らによる、時期藩主選びに乗じた藩の乗っ取りを阻止するため、城代家老・奥村作左衛門の娘・由美が解決を求め、独断で「水戸黄門」こと水戸光圀のいる水戸に向かった。現藩主・前田綱紀は光圀の甥であった(綱紀の母・清泰院が光圀の姉)。

 村井は自身に反対する藩士たちを次々捕らえ、城内の牢に幽閉していた。

 由美は道中で村井の放った刺客の襲撃に遭い、傷を負ったところを危うく風車の弥七に救われ、光圀の住む西山荘に運び込まれて治療を受ける。

 回復した由美の頼みを聞き入れた光圀は、村井の計画を鎮めるべく、佐々木助三郎、渥美格之進、うっかり八兵衛、そ して弥七とともに、加賀へ旅立つ。

 道中、柏崎に差し掛かった一行は、宿で「水戸光圀一行」をかたる3人の偽者と鉢合わせしたほか、代官・黒部と結託した地元のヤクザ・柏屋一家の悪事を目の当たりにし、これらを解決する。

 一行は金沢にたどり着く。その間、反村井派の若い藩士・鶴来源八郎が謀反のかどで捕らわれる。由美は自身の恋仲で、村井に近い藩士・石川隼人を説得し、鶴来の釈放を求める。

 石川はわざと村井一派のふりをして情報を集め、告発の機会をうかがっていた。石川は、参勤交代から帰国した藩主・綱紀に対し、村井のたくらみを暴露したため、藩士たちにその場で斬られかける。

 そこへ奉納太鼓の奏者に紛れた光圀一行が正体を表し、三つ葉葵の家紋の入った印籠をかざす。村井らは奥村に成敗され、騒動は解決する。

 

出演  水戸光圀:東野英治郎

    助さん:里見浩太朗、格さん:大和田信也

    弥七:中谷 一郎、八兵衛:高橋元太郎

加賀藩 奥村由美:栗原 小巻、石川隼人:竹脇 無我

    奥村家老:三船 敏郎

    太兵衛(由美の観方・太鼓奏者)加藤 嘉

    鶴来源八郎:和田 浩治、石川志保:山口いづみ

    百合の方:鮎川いづみ、村井家老:安部 徹

偽黄門:ハナ 肇、偽助さん:植木 等、偽格さん:谷 啓

その他 かしまし娘谷 幹一遠藤太津朗富田仲次郎

    稲葉 義男浜田 寅彦河合 伸旺

    東野 英心深江 章喜武内 亨汐路 章

    牧 冬吉   等々。

 

 日本のテレビドラマの中でも、その存在がトップクラスの水戸黄門シリーズ。東野英治郎さん版は、私の世代にはピッタリ。

 作品のことを語るなど恐れ多い。現在は予算だけの関係なのか、何故「水戸黄門」を制作しないのだろう、と、テレビ局や映画会社に不満をぶつけたくなるほど。

 しかし、今、黄門様を演じられる役者は誰がいるのだろうと考えると、正直出てこない。残念。

 昔の時代家期は勧善懲悪で、誰でもすぐわかり、何も考えずに観られることが、本当に良い。歳をとるたび、そう思うのでした。

 

 

  2021年公開の「99,9 刑事専門弁護士 THE MOVIE」を観た。2016年と18年にTBS「日曜劇場」で放送された人気ドラマの劇場版。シーズン2の続編的位置。監督は、テレビドラマ「TRICK」1、2、3のディレクターだった木村ひさし

  公開前日には、今回の作品に関連したスペシャルドラマ「完全新作SP新たな出会い篇~映画公開前夜祭~」が放送された。

 

   常に事実だけを追求し、99.9%逆転不可能と言われる刑事事件で最後の0.1%まであきらめずに真実を追求し、無罪を勝ち取ってきた型破りな弁護士・深山大翔。斑目法律事務所の刑事事件専門ルームは、室長から所長へと昇格した敏腕弁護士・佐田篤弘のもと、新人弁護士の河野穂乃果も加わり、事件に挑む日々を送っていた。

   ある日、15年前に起きた天華村毒物ワイン事件に関する依頼が舞い込む。事件には謎の弁護士・南雲とその娘エリが関わっていた。深山達は村に行きそこで出会った村の青年・守の協力を得て、事件を徹底的に調査していく深山たちだったが、判明した衝撃の事実とは……。

 

出演  ・班目法律事務所

            深山大翔:松本 潤、佐田篤弘:香川 照之

    河野穂乃果:杉咲 花、明石達也:片桐 仁 

    藤野宏樹:マギー、中塚美麗:馬場園 梓 

    班目春彦:岸部 一徳

    ・元同僚

    立花彩乃:榮倉 奈々

            尾崎舞子(現・検事):木村 文乃

          ・天華村毒物ワイン関係者

    南雲恭平弁護士:西島 秀俊

            重盛守:道枝 駿佑

    高橋 克実ベンガル渋川 清彦柳亭小痴楽

    東山景織子平田 敦子勝野 洋

その他 笑福亭鶴瓶奥田 暎二青木 崇高

           石橋 蓮司岸井ゆきの映美くらら  等々。

 

 テレビドラマは、シーズン1、2両作品とも観ている。今回の真相は映画なので、ドラマよりも作り込んであり面白かったかも……。

 ドラマの企画の段階から、ギャグが滑るという前提で作られている作品なので、いかにその世界観を共有できているのかで反応が変わり、楽しみ方のバリエーションのある作品だと言える。

 その点、ドラマ同様小ネタ満載だが、面白い時もあるし、ウザイ時もある。今回は入れすぎか。でも、深山のウザキャラも拍車がかかっていて良かったのかな~。

 松本潤と香川照之の掛け合いの上手さに加えて、本作での杉咲花は良い感じでキャラが立っていて光っていたが、好き嫌い別れそうだ。あぁ、本当に香川照之は惜しい!あの味の役者は、他に見つからない。

 監督の演出歴を見ると、今回のようなパターンが好きなんだろうな、と思われる作品が多い。

 ただ大きな問題は、映画にして良かったか?ということ。SPドラマでも十分だったのでは。

 深く突っ込んで観なければ、十分合格点の作品だ。

 

 

 2021年公開の「劇場版 奥様は取り扱い注意」を観た。

綾瀬はるか西島秀俊が元特殊工作員と公安エリートの夫婦を演じた人気ドラマの劇場版。監督は「カイジ ファイナルゲーム」佐藤 東弥

 宣伝では、ミステリアスな展開の中、見ものはドラマよりぐんとスケールアップしたアクションの数々。番組と異なる舞台になり、ドラマ未見の観客も楽しめるのでは。となっている。

 

 特殊工作員だった過去を持つ専業主婦の伊佐山菜美と、現役の公安警察であることを隠しながら菜美を監視するやさしい夫・伊佐山勇輝。ドラマの最終話で、西島が演じるヒロインの夫・勇輝は公安警察だと判明した。その後……。

 

 半年前、ある出来事により菜美は記憶喪失になってしまい、2人は桜井久実と裕司に名前を変えて、小さな地方都市で新しい生活を始めていた。

 2人が新生活を送る珠海市では、新エネルギー源「メタンハイドレード」の発掘で活気づいていたが、美しい海を守ろうとする開発反対派と、市長をはじめとする推進派の争いが徐々に激化もしていた。

 そんな中、新エネルギー源開発の裏でロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいる事実を公安が突き止める。

 勇輝が公安の協力者になるか特殊工作員だった妻を殺すかの選択を迫られる中、菜美は大きな事件へと巻き込まれていく。

 

出演 伊佐山菜美:綾瀬はるか、伊佐山勇輝:西島 秀俊

その他 鈴木 浩介岡田 健史浅利 陽介

    鶴見 辰吾六平 直政佐野 史郎

    小日向文世前田 敦子やしろ優檀 れい

                 等々。

 

 テレビドラマシリーズも観ていました。映画版になり、アクションも増え、それなりには出来上がっているとは思います。

 突っ込みどころも数多くあり、こちらもテレビ版より楽しいかもしれません。

 100%綾瀬はるかを堪能したい人なら、2時間たっぷり楽しめるかもしれません。

 綾瀬はるかをいかに美しくカッコよく、イイオンナに見せるかが、共演者と監督のチームワークになっているような。綾瀬映画は、基本は全てそうだとは思いますが。

 

 

 1996年公開の「ブロークン・アロー」を観た。盗まれた核弾頭をめぐる対決をスリリングに描いたノンストップ・アクション。監督はジョン・ウーハリウッド進出第2弾作品

日本公開時のキャッチコピーは「緊急指令、ステルス発進」。

 

 アメリカ空軍のパイロットであるヘイル大尉とディーキンス少佐は、核弾頭を搭載したステルス爆撃機に搭乗し低空飛行による国境突破の模擬演習を行っていた。

 しかしディーキンスは核弾頭の強奪を企んでおりヘイルを殺害しようとする。気づいたヘイルと格闘の末、彼を強制的に緊急脱出させる。ディーキンスは核弾頭を投下し、自らも脱出する。墜落現場に救助隊が派遣されるが、爆撃機の残骸に核弾頭がないことがわかり第四級の緊急事態「ブロークン・アロー」となった。

 砂漠に落下したヘイルは、たまたま墜落を目撃した公園女性監視員のテリーと行動を共にし、ディーキンスは仲間たちと合流し核弾頭を見つける。

 ヘイルらは核弾頭を運ぶディーキンスらを急襲、奪還に成功し核弾頭を旧銅鉱山へ運ぶ。ヘイルはわざと暗証コードを間違えて回路をショートさせようとするが、ディーキンスによってプログラムし直されていた核弾頭の起爆タイマーは作動してしまう。

 鉱山地下での銃撃戦の末、ヘイルらは出口を塞がれてしまうが、川を見つけ辛くも脱出する。核弾頭が爆発するも、鉱山の銅が溶け巨大な溶鉱炉と化し、放射能汚染は防がれる。ディーキンスは川で逃げると察知したヘイルらは彼らのボートを見つけるが、そこへディーキンスらが現れ、テリーはとっさにボートの中に隠れてしまい彼らとともに行ってしまう。

 ディーキンスは検問を避けるため核弾頭を鉄道で運び、また彼の落としたソルトレークの病院の名札は彼のボクシングでの得意技「rope-a-dope(引っかけ)」と読み、ヘイルはウィルキンス大佐らとデンバー行きの列車を追う。

 テリーは核弾頭のタイマーを解除しようとするがディーキンスに見つかってしまう。そこにヘイルが現れテリーを助け出し、ディーキンスらの逃げ足となるヘリを破壊する。逃げ場がなくなり、ヘイルらもろとも核弾頭を爆発させようとするディーキンスとの格闘の末、ヘイルはタイマーを解除するとともに列車を飛び降り、ディーキンスは列車が衝突した反動で吹き飛んでくる核弾頭を不敵な笑みで迎え、爆死する。爆破された列車の残骸が散らばる中に、彼らがいつも賭けていた20ドル札が落ちていた。

 

出演  ヴィック・ディーキンス:ジョン・トラポルタ

    ライリー・ヘイル:クリスチャン・レーター

    テリー・カーマイケル:サマンサ・マシス

その他 デルロイ・リンドーボブ・ガントン

    ハウィー・ロングケイシー・ビッグス

    ジェームズ・マクドナルド   等々。

 

 最大の見所はやはりトラボルタの見事な悪役演技。彼は絶対にもう悪役キャラだ。冷静沈着に見えてもなかなかいかれたこの男は、追い詰められるほどに正気とは言えない行動に移ってくる。

 ただ問題は、ディーキンスが何故国を裏切ったのかが詳しく描かれていないし、女性のレンジャーも、最初は逃げるのを拒否してついて来たにも関わらず、肝心なところで怖気づいて腰が引けて・・・最後にまた無謀なチャレンジをして、なんとなく中途半端。
 分析官のように意気揚々と現場に踏み込んだ官僚は、どうしたの?という感じか。
 その上、核爆弾が強奪されたのに、奪い返すのにあの人数?
 物語はどうでも、トラポルタの悪役を観る作品。

 

 

 2009年公開の「サブウェイ123」を観た。原作ジョン・ゴーディーの「サブウェイ・パニック」1974年、1998年にも映画化されていて、今回が三度目の映画化

 監督はトニー・スコット。主役のデンゼル・ワシントンとは4度目のコンビ

 

 ニューヨーク市地下鉄にてライダーと名乗る男が仲間たちと共に普通列車「ペラム123号」をハイジャックする。彼の仲間には前科者で、地下鉄を熟知する元運転手フィル・レイモスがおり、彼らは手際よく行動すると先頭車両を切り離して乗客19名と運転手を人質とし、1時間内に1,000万ドルの身代金を用意するよう列車無線で交通局に要求する。

 この連絡を受けたのはベテランの主任管制官ウォルター・ガーバーであり、ライダーはガーバーとのやり取りを楽しむように会話する。

 間もなくして通報を受けたニューヨーク市警が駆けつけ、現場担当のカモネッティ警部補がガーバーに代わり、ライダーと交渉しようとする。ライダーはガーバーに代わるよう要求し、これを無視されると激怒して見せしめとして運転手を射殺する。結局、ガーバーが交渉役として戻ることになる。

 実はガーバーは、本来は管理職であったが新車両の選定を巡る収賄容疑で降格処分を受け、偶然現場にいたのであった。本来はありえないガーバーだと気づいたレイモスの助言でライダーもこの収賄事件を知り、今度は収賄を認めるようにガーバーに迫る。ガーバーは否定するが人質の青年を殺すと脅され、已む無く同僚や警察がいる場で収賄を認める自白を行っていく。

 ライダーは上司たちから冷遇される中でも、会社や市を恨まず、事件に尽力するガーバーに、「お前はヒーローだ」と称賛し、自分もお前と同じくニューヨーク市に尽くしてきたのに仇で返されたと自分の過去を示唆した発言を行う。

二人の交渉の駆け引きは………。

 

出演  ウォルター・ガーバー:デンゼル・ワシントン

    ライダー:ジョン・トラポルタ

    カモネッティ警部補:ジョン・タトゥーロ

    フィル・レイモス:ルイス・ガスマン

その他 マイケル・リスボリラモン・ロドリゲス

    ジェームズ・ガンドルフィーニ

    アレックス・カルジュスキーベンガ・アキナベ

    ジョン・ベンジャミン・ヒッキー  等々。

 

 

 ストーリーは色々と突っ込みどころが満載なので、突っ込んで楽しめればそれで良い、くらいのお話。でも、アメリカで人気の原作なのだから。過去作も私は観ている。

 そんな事はどうでも良くなるくらい、今作でも犯人役トラポルタが良い。一見狂ってそうで実は冷静だと思ったら本当に狂っていたという、彼にしかできないのか?と思える嵌った役。

 名優デンゼル・ワシントンより、絶対に印象度は上。デンゼル・ワシントンがヒーロー過ぎるのがちょっと。

 

 結末は、あまり好きではないかもです。