7月9日(月)
西日本に多大な被害をもたらした
豪雨が去り、久しぶりに見る
おだやかな青空に、気分が晴れ
心底ほっとしたものでした。
中国地方あたりに停滞し
ひどく雨を降らせていた梅雨前線が
四国あたりへと下がってきて
豪雨が一番ひどかったのは
7月6日(金)夜~7日(土)の朝にかけてだった。
私のそばで、家屋や人命を失うほどの
ひどい被害はありませんでしたが
農業被害はかなりあります。
日頃の災害に対する自分の
危機意識の甘さを痛感させられもしました。
それらを忘れないための記録として
ブログに残しています。
スマホのヤフー天気のアプリは
六時間後くらいまでの雨雲の動きを予想してくれ
農家の必須アイテムといってもよいくらいで
よく見ています。
時間単位の降雨量が
雲の色でよくわかるのですが、
その時災害の情報などはまだ
よく伝わってきてなかったけれど
被害のひどかった中国地方の山間部には
真っ赤な(最高の降雨量の)雲がかかり続けていました。
そしてその雲が6~7日の夜の間に
下がってきて四国へ
自分の住むあたりにも来そうでした。
この夕方から、ダンナさんは
消防団の招集がかかり
何かあった時のために詰め所で待機。
夜も家にいません。
台風でないので油断していたのですが…
雨がかなりひどくなったころ
夜の九時すぎ突然、停電に。
あわてました。
お風呂やまだ寝る準備もできてない。
本当に真っ暗やみで何も見えない。
自分の家だけ停電なのか?
だれかに連絡をとろうとしたけど
電話器が使えない。
何かあったときに連絡をとろうとしても
電源がないわけだからパソコン・インターネットや
テレビやラジオは使えない。
スマホの電池残量は少ないが
ダンナさんに何とか電話で確認できて
あたり一体が停電だとわかった。
でも、スマホの電源がきれたら孤立してしまう。
このときは、本当に後悔しました。
その後しばらくして、
ありがたいことに電気は復活したのですが、
どこかの電話線が断線していたかもしれません。
くるはずの連絡がないので
翌日問い合わせたところ
うちに電話がつながらなかったということでした。
今までそのような経験がなかったわけですが
大雨で電気や電話線が断線する可能性も
考えておくべきでした。
後で探し出した防災グッズ
手巻きで充電する懐中電灯
単4電池のランタン、100ショップにあるろうそく・キャンドル
手巻き充電ラジオ・オーム電機製(埼玉)
これは、スマホの充電器具がついており、コンセントやソーラー充電も可能。
たぶん、消防団に入ったときもらって何年が未使用だったのですが、幸いバッテリーは生きていたので、これから定期点検して使うことにしました。
こちらは、いただいたモバイルバッテリー
外出先で充電できない時は、
これも便利ですが
いざという時は、自家発電可能な
スマホ充電器がないと話にならない。
今、ネットで検索したらよいものが色々あるようです。
勉強になりました。
手巻きスマホ充電器
以下は豪雨の記録です。
7月7日朝
雨が長く続くときは、
仕事がら降雨量を知るために
手っ取り早くバケツを外に置いておくのですが、
2杯目のバケツがあっという間に
いっぱいになっていた。
少ない時は丸一日降っても、数センチに満たないのですが…。
7月7日(土)
朝6時ころ
激しい雨の音で早くに目がさめていました。
ふとんの中で聞いていた
家のそばの小川(ふだんはほとんど水が流れてない)
の流れる音が突然、ボコボコと異様に変化した。
気になって外をのぞいたら…
みるみる泥水があふれ始めた。
あっという間に
道に広がっていく。
泥や流れてきたゴミが側溝入り口につまってあふれ出したのか?
上流からの流入量が急に増えたのかもしれない。
幸い道路にあふれた水は
流れくだる先があり、
それ以上水位が上がりませんでしたが…
上の2軒の家には庭に泥水が流れ込んだようです。
(床上ではない)
こちらに住んで年数の浅い私は
地域の事情がよくわかってないのだが
事情を知る人が消防団に助けを求め
家に流れ込まないよう
つまっているゴミをとったり
土嚢を積んだりして
応急作業をしてくれました。
被害報告のため
写真を撮っておいたらどうかということで
カメラを持ちだしたのでこの写真があります。
消防団の人がくるまで
一件の家の人は
だれに助けを求めるでもなく
ずっと一人で作業していたようだ。
田舎の生活というのは
定期的に農道の補修や草刈りをしたり
地区の掃除や花壇の手入れ、消防団など
お互いのボランティア・共同作業・交流会をして
成り立っているところがある。
街に住めば
煩わしい人付き合いをせず
近所に知り合いがいなくても
救急や消防に電話一本で
助けを求める選択肢もあるが
交通の不便な田舎では
確実に間に合わない。
何事もなければ
煩わしい人付き合いは避け
気楽にくらすのも
いいかもしれないが
いざという時に助け合える
人間関係(距離感むつかしいですが)
の大切さについて
考えさせられたことでした。
水があふれて2~3時間後。
あふれた水は引いたが、
道には泥が堆積し、流れの勢いは劣ろえない。
つまった泥やゴミを取り除いたので
水は流れているが
知らずに足をふみはずすと、
側溝に吸い込まれそうな勢いでした。
もっと広い川幅のそばの家の人は
こんなものではないので
夜間とても怖い思いをしたそうです。
この日の午後、雨が小降りになって
消防団の人たちが
ホースで道路の泥を洗い流してくれました。
翌日
翌日、流れが落ち着いて上流側から撮った同じ場所
30~40㎝土砂が堆積し、川底が道と同じ高さに。
白い袋は、応急処置で消防団の方が
積み上げてくれた土嚢(どのう)です。
水は泥水だったのが澄んできました。
直後はこわくて行けませんでしたが、
翌日上の畑が心配で
道が削りとられ川になったところを上流へ行ってみる。
小さな川なのに、流れてきた木や石がすごい。
堆積物がつまると川の水があふれ
両脇の畑などへ流れ込むことになる。
どうやら、上の山が崩れ、土石流が発生したようです。
うちの畑へ通じるラックのレール線に、
よその壊れた別の線がひっかかっている。
壊れたラック線のことを思うと悲しいですね。
とても費用がかかるのです。
これはミカンの木。ミカン畑が削りとられた証拠。
うちの畑の角まで来ました。
去年、小鳥が巣をつくっていた畑です。
なんと!井戸が土砂に埋まってしまってない。
つまり、1~2mくらい土砂が積もっているということ。
これは…、野菜畑にひいていた水が使えないことを意味します。
でも、ミカン畑は無事みたいだ。
翌日
↓
そして、一週間後水がなくなりました。
2本の出ている細いパイプのうち手前の一本がうちのパイプ。
これは畑へ通じる農薬散布用の大事なパイプ。
地面の上はかなり荒れているが、
地中にあるため破損せず、無事水が通せた。
(出口だけ地面に出ているのです)
これは、本当にありがたいこと。
もしパイプが破損していたら、この修復作業には
それは膨大な手間がかかるのです。
表面にはわせたパイプは恐らく土石流でたくさん破損している。
こんな大きな木の根がここまで流れてくるなんて…
家の畑の中から、土石流の発生元の山にカメラをむけたんですが
網(カラマンダリン用)があるためピントがあいません。
でも、中の木はありがたいことに無事。
でも、畑の横はメチャメチャです。
このまま放置すると、畑が次第にくずれて
なくなっていくので修復する必要があります。
元は石垣だったので周辺にころがっている
大きな石を集めてきて
再び石垣の土台を作ります。
↓
上流側から↑
下流側から↓
この日はここまで。
土木の作業は重労働なので、
暑い中一度にたくさんできません。
土を盛らなければ、先へすすめませんが
とりあえず、基礎の大きな石をおいて終了。
義父は器用で自分で石積みをした人ですが
それを見て覚えていた義母が
やり方を教えてくれた。
経験の浅い私たちだけでは何もできないので
先人の知恵は本当にありがたいことです。
こちらは伊予柑畑
畑のすみにある水路
これは、親の代に近所の人と共同で作ったもの。
(昔の人は何でも自分たちでやるノウハウをもっている)
このくらいだと、土をいれれば何とかなる。
みかんの木の根が露出し、
放置するとダメになりますが、
ここだけ1~2本なので,土を運んで修復できます。
雨が降り続くと、こんなことが起こるんですね(^^)
みかんの木の穴に生えた草が成長している。
挿し木したミニトマトの空中部分
水耕栽培みたいに、根が成長してしまった。
7月8日(日)
午後、やっと雨が上がってきたので
畑の様子を知りたくて近くの農道を歩いてみる。
ほとんどの道は通行止めになっている。
危ないのでかと思ったが、本当に通れないからだった。
通れるこの道もまだ川の状態。
遠くに見える、家の早生ミカン畑の
下あたりが茶色く、くずれているようだ。
キャノンの望遠コンデジのおかげでよく見える。
拡大してみる↓
上の畑はどの程度被害があるのか。
横は今季から廃園になった畑です。
若い人が借りてがんばろうとしたが、続かなかった。
上の畑にどの程度被害があるのか?
まだ水が流れ下っている。
土砂が流れおちた下まで来た。
それから先は石垣が崩れ通れない。
人は行けるが危険そう。
後日、土砂をのけてもらって
早生ミカン畑ののぼり口へ。
懸念していましたが、
家のモノラックが土砂で流され、道をふさいでいる。
レールの土台の土が流れた。
7月11日(3日後)撮影
これは、ちょっとイタい被害ですが…
でも、ありがたいことにエンジン(黄色)部分が
横倒しにならず、無事に動いた。
レール数本の交換ですむようだ。
急こう配の畑では、人力で
ミカンを運び出すことはできないので
もし壊れていたら器械の新規購入するしかないが
我が家の事情を考えると
畑をやめるかの苦渋の決断をせまられたでしょう。
これだけの被害ですんだことに
感謝せねばならないです。
後日(7月16日)道をふさいで迷惑をかけるので
レールを何とかはずし、道路のすみによせた。
業者さんに頼みたいところですが
あちこち被害があるのでここまで手が回らない。
7月11日(雨があがり3日後)
畑はまったく無傷のところもある。
農業用の本道が通行可能になり
見回れてなかった畑へ行く。
とりあえず、車が一台通れるくらい土砂をはしへ寄せてある。
このような場所があちこちにある。
畑の横の道。↑
雨があがり3日たっているが、まだザーザー川の状態。
これは単に伐採した木をおいていたのでなく
下は井戸だった。
ここも完全に埋まっている。
でも、ここの井戸はふだん使ってないので影響はない。
清見オレンジの畑。
土砂や水がかなり流れたようだ。
なぜか子供の靴が…。
上流には民家などないので、
以前、畑にあそびに来てなくした靴が
ここまで流れてきたのでしょう。
鳥よけの網に堆積物がひっかかっている。
丸いのは、予防(農薬散布時)用の道具。
4年前の災害時に新しくしたものかもしれない。
こういうの見ると悲しい。
清見の根っこにひっかかった土砂。
でも清見ミカンの木自体は生きているので
実はならしてくれるでしょう。
家の畑のすぐ横は上からの水路があるが
そこがかなり土砂で埋まった。
水路がつぶれ水があふれて
畑の中を通ったようだ。
折れたパイプや土砂が散乱。
どんなに険しい畑でも水が確保できないと
よいものは作れないので
農業用のパイプはいたるところに
各農家が施設しているものです。
上から見たところ
ここには、水路がありその横は
深い農業用のため水の堀があったのだが…
今回はすっかり埋まって見えない。
4年前の7月にも、かなりの豪雨災害があったのですが
地形的に土砂の流れやすいところは重なる気がする。
今回はそれをはるかに上回る規模だと感じるけれど。
以上、災害後数日間の記録。
写真が多すぎるので、続きは後日にします。
気分をかえて
トップの写真にもどります。
7月9日(月)
久々に雨がやみ、早い梅雨あけとなる。
前日までの雨で海は茶色の流れが…
豪雨なんで何もなかったみたいに
美しくおだやかな青空が広がる。
けれども、よくみると↑
あちこちの山肌に茶色の土石流のスジがある。
こちらは、民家の上の道路に
土石流がくだっている。
この時点では道路は通れないでしょう。
拡大↓
海が静かで鏡のようです。
こちらでも、何か所も土砂崩れが見える。
スマホに拡大機能5倍まであり、撮ってみた。
(Xperia Xパフォーマンス)
ブルドーザー?が作業中のようです。
業者さんが頑張ってくれている。
これは何かわかりますか?
海に流れ出した土砂のゴミが帯を作っている。
でも、自然のゴミって
人間が出したペットボトルやプラスチックゴミみたいに
見苦しくないんですよね。
やがて、海の底に沈み消えてゆくでしょう。
こちらは、小さな島ではなく細い半島部。
灯台が見えます。
少し土砂崩れが見えますが。
雨でクリーンになった空と
穏やかな海の青さが心にしみる。
なぜこのような大きな災害がおこるのか。
物事の結果には必ず、その原因があるという。
自分の蒔いた種は必ず刈り取らねばならない
と言う…
すべての命をはぐぐむ
この大地や海は…
何も困っていない。
ただ静かに微笑んでいるようだ。
自分の欲など飛び越えて
大きな大きな声にならない声を
私はどこまで聞けるだろうか…