夜に会いにいくひとがいる。
耳を澄ませて会いにいくひとがいる。
そのひとのことを想ってみても、ぼくにはなにもわからない。
わかったつもりになったこともあったけれど
もうそうゆうのはいいやといつからか思った。
帰り道、夜空を見上げてみたけれど流れる星は見当たらなかった。
だからいっそそれになってしまおうとそんな歌をちいさく歌った。
ばかみたいだなあと思いながら、そうして歩いた。
ぼくがどんな風に感じて、ぼくがどんなふうにことばにしたのか。
そのほとんどを憶えていない。
きっと今日のことも薄れてしまうんだろうなと思うけれど
いま、このとき、きみのたいせつな日をうれしく思っている。
きみとぼくの間にあるおよそ一定の距離。
それがとても愛おしいものだといまだ思える。
それで充分なんだろうな。
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