９月初めは、足早な１３号台風の影響が出る予想で予定が狂いました。この夏は雨の降り方が異様で、ゲリラ豪雨という言葉も出来たように降ると街が水没する映像を何度も目にしました。

被害にあわれた方々にはお見舞い申し上げます。

そんな中で、製作中の昭和時代をコンセプトとした鉄道模型レイアウトの駅前風景のイメージがうまく湧かないので実物見学をしてきました。場所は、トロッコ列車も走る｢わたらせ渓谷鉄道｣の古びた駅舎でした。駅舎の画像だけならネットでも見ることは出来るのですが、駅前風景などの写真はあまりないので実際に見に行った方が良いと思ったのです。閉じ籠って過ごした夏のストレス解消も兼ねました。

まず最初に訪れたのは、上神梅駅(かみかんばいえき)でした。

ここの駅舎は、大正元年(1912年)の大間々駅－神土駅(現・神戸駅)間の足尾鉄道の開通に伴って開業されました。もう、すでに111年も経っているのですね。そして、大正７年に国有化されて国鉄足尾線の駅となりました。

そもそも足尾鉄道は、足尾銅山から鉱石を運び出す目的で建設され始め、明治44年(1911年)の桐生～大間々間の開業を皮切りに上流へ順次延伸していき、大正3年(1914年)に、足尾～間藤～足尾本山までが開業して全通となりました。

足尾銅山は昭和48年(1973年)に閉山したので、国鉄足尾線はその後赤字路線として廃止が決定しましたが、1989平成元年(1989年)にJRから第三セクターのわたらせ渓谷鐵道に移管され、今に至ります。

上神梅駅全景です。見るからに、なかなか味のある駅舎でしょう。その筋の間では、東の横綱

と言われているそうです。電話ボックスが、古いタイプのものだったら非の打ちどころがあり

ませんね。駅前は、ご覧の様に広々としたロータリーになっていて、私の後ろには民家が連な

っています。残念に思ったことは、この写真の後方に真新しい３階建てほどの団地建物（？）があることで、全く不釣り合いな眺めでした。この駅舎とプラットホームは、国の登録有形文化財に指定されています。

それでは駅舎内に入ってみます。おっと、改札口の駅員さんのボックスが傾いていますが、ご愛敬ですね。

駅舎内待合室　この古さにも郷愁を感じますが、外にもある長椅子の収容人数などから、当時の利用者の多さ(鉱山就労者さん関係？)を思いました。

ホーム側からの駅舎

反対側から　　ホームの先で線路がＳ字になっているのは、以前はタブレットによる通票を扱う相対式２面２線であったためで、国鉄の合理化によって棒線化されたそうです。

そのＳ字をタイミングよく列車が入ってきました。

そうそう、肝心の駅前風景です。右手前に駐輪場とバス停がありました。

私のイメージしていた駅前風景は、このような広いロータリーと、駅前には住宅ではなくポツンと一軒の萬屋風の商店でした。若い頃の山歩きをしていた時の、頭の片隅に残る景色です。

国鉄の駅