~ 冬の光 ~

 

       窓越しに柔らかい冬の光を

       両の手でそっと受けてみる

       手のひらの中で冬の光は

       まぁるくくるまれて

       手のひらから全身へと伝い

       こころの中まで暖かくなってゆく

       夕方には窓のカーテンを開け放って

       お月さまが上がるのをずっと見つめる

       ちょっと冷たそうに感じる

       お月さまの光はほんとうは

       とっても温かい

       時のすぎるのも忘れ

       お月さまとお話しするひととき

       雑念ひとつ浮かばず

       お月さまとひとつになる幸福感に

       ただただ静かに包まれる

       いつの間にかそっと両の手で

       お月さまの光を受けているのです

 

 

 

                  **著作 けしごむ **

 

 

 *この詩は 連載中の隔月刊誌に発表した作品です。 写真は掲載のものです。