先日食道がん術後4年のCT検査結果を聞きに某がんセンターに行ってきた。


結果としては、今回も再発転移はなく、問題無かった。血液検査も、腫瘍マーカーのSCCはまた基準値1.5(以内)を上回る1.7だったが、主治医からはいつもの如く「この程度なら全く問題ない」とのこと。


「完治と言えるのは5年」だが、「もう大丈夫だと思うけどね」とのお言葉を初めて頂いた。

 

実際、この病院が公表している5年生存率のデータ(X軸が時間経過、Y軸が生存率の階段状のグラフ)では、自分と同じステージ2で最後に亡くなっている患者さんは、術後4年半経過の頃に死亡している。

再発してから死亡までの平均期間は1年(同主治医による)ということを考えれば、この最後の患者さんは術後3年半経過時点の付近で再発していることになる。

(さらに言えばこの病院が公表している生存率は“全生存率”であり、癌の再発で亡くなった最後の患者さんの死亡時期は術後4年半より早い可能性もある。)
自分は今回で術後4年を再発無く通過することができたので、「もう大丈夫」ということだろう。

 

※主治医から聞いた今後の診察予定:術後5年経過以降は、血液検査は半年に1回に(これまでは3か月に1回)。CT検査は、5.5年目で終わり。血液検査も7年で終わり。

 

ここまでの4年を振り返ると、手術が終わって退院した頃は、空咳も続いていたし食生活と体力を元に戻すのに精一杯だったが、それらが落ち着いてきた頃から、再発の不安とたたかう日々が続いた(統計上は数年以内に約15%の確率で再発→死亡)。

半年に一回のCT検査結果を聞く直前の1週間くらいは、いつも不安が最高潮になり、精神的な極限状態を味わってきた。

一方、癌に罹患しサバイブしてきた経験を通じて、以下のような点は良かったと言える。

・断酒できたこと。

・長年やめていた趣味を再開できたこと。(上の二つにより若い時の感性が蘇ってきた。)

・家族や友達のありがたさを再認識できたこと。

・中庸、バランスをとること、それらを継続していくことの大事さがわかったこと。(何かに偏ることは時として目を背けることや思考停止することになり得る。)

・想定外のことに以前より冷静に対処できるようになったこと。(“死ぬこと以外かすり傷”)

・健康関連、スピリチュアル関連、他の癌患者さんのブログや本をたくさん読み、死ぬことと生きることについて深く真剣に考えるようになったこと。

これらのことは、生涯忘れずに続け、残りのこの世での時間を充実させていきたい。