本日(11月17日)、園内では、11月の「誕生会」が開かれました。

 ご存知のように、幼稚園では、生まれてから、これまでの成長に、感謝し、皆でお祝いしようと行われている「誕生会」です。

 本園では、こうした「誕生会」は、園児一人ひとりにとっては、大きなイベントで、楽しみや感激も大きいものと捉え、毎月行われる行事ですが、大切に取り組んでいます。

 その取り組みで大切にしていることは、

1.「誕生会」の中で、誕生児には、全員の前で、自己紹介やテーマに  沿ったコメントを話す場にしている事です。人前で話す事は、大人であっても緊張するものですが、皆、がんばって話をし、成長を感じて頂いています。

2.その姿を見届けた後、参加した保護者には、「生まれた日の家族の様子」や「名前の由来」など、テーマに沿ったお話をして頂いています。その番が来ると、多くのお母様方が、出産当時を思い出してか?今の姿に感動してか?涙を流しながら、お話をされており、その姿から、私たちにも感動が伝わってきます。

3.誕生児への沢山の拍手と声援も、会場内に響き、嬉しさや感動が盛り上がっています。

4.園児の担当も、毎回、「誕生会」を盛り上げています。花のアーチ担当やはじめや終わりのご挨拶担当の園児が、しっかりとした態度や言葉によって、「心からお祝いしよう。」との想いを全園児に伝え、盛り上げています。

 こうした取り組みは、園児の中に、人への思いやりや優しさの心を育ててきました。

 ところが、保護者からのコメントを頂くことをはじめた10年程前は、「誕生会に行くのも大変なのに、人前で話をさせられるのは、嫌だ。」と、保護者から嫌われ、私の耳にも、そんな声が届いていました。

 しかし、今では、お誕生を祝うことの意義やみんなに祝ってもらう喜びや感謝、感動が、参加された皆様にも伝わり、本当に、皆で祝う「誕生会」となってきたことに、喜びを感じています。

 こうした感動を私たち教職員自身も味わっており、更に、「誕生会」を盛り上げていけるように、頑張りたいと思っています。

 

 本園は、11月20日が開園日で、間もなく、創立49年を迎えます。先代(私の父)の「全ては園児の為に!」の想いを引継ぎ、設置者と園長の職に着いたのが、平成10年4月でした。しかし、現場の教員としての経験は20年以上ありましたが、幼稚園の事は、全くと言って良いくらい、父から引継ぎは、ありませんでした。(高齢で、病を抱えて、無理な状態ではありましたが・・)当然、全てが、手探りの毎日でした。

 園の経営状態も、最悪で、園児は、70名程。教職員も、私を入れて5名程でした。そんな園経営を、父も任せようとは思わなかったのでしょう。「おまえに任せる。」等という言葉も、死ぬまで、一度もありませんでした。

 学校を退職し、園長となった際も、「いつのまにか、おまえが園長になったのか」と、嫌み?の一言だけでした。父親の性格から、息子に「頼む」等という言葉は、絶対にないとは分かっていました。それから暫くして、平成11年2月4日、父は、他界してしまいました。

 当然ですが、当時、園長としての私の収入は、殆どありませんでしたが、働いていた教職員の給与支払いに、毎月、四苦八苦していたことを覚えています。

 それでも、不思議なことに、「やってられない!」「やめたい!」といた気持ちにはなりませんでした。

 幼稚園教育の重要性は、私が学校現場にいた当時、多くの問題を抱えた子どもたちのその根底に、幼児期での教育やしつけの欠如を強く感じ、気付かされたからです。

 幼稚園教育は、園児の教育だけではありません。子育てをする家庭との連携や保護者教育も大切だと考えます。決して、園から、口やかましい事を伝えるのではなく、保護者、特に、母親の子育てに対する不安やストレスを、少しでも解消し、子育ての喜びや希望を実感出来るようにすることです。勿論、日頃の食事(食育)やトイレ支援、親子関係のありかた等、具体的なアドバイスも、非常に大切だと考えます。

 幼稚園に通って頂く事で、こうした支援が可能となり、保護者の「子育て、楽しい!」の気持ちが、園児の「幼稚園、楽しい!」に繋がると思います。少なくとも、本園では、きめ細やかに対応しています!

 幼児期の教育によって、子どもは、どの様にでも育つ! が、私の持論です。

 幼稚園教育の重要性は、今の時代こそ、多くのご家庭に認識して頂きたいと思います。更に、ご家庭にも、「幼稚園と共に、我が子を育てる。」との想いを持って頂けたらと願っています。

 その為には、私を含め、教職員は、今後も、努力を惜しんではならないと思っています。

 

 

 

 

 今月の幼稚園は、11日(土)に、 「秋季大運動会」が開催され、保護者の皆様やご親族に加え、卒園生や未就園児の親子の皆さんなど、多くの方にご来場頂きました。台風19号の接近で、一週間前は、雨の予報でしたが、幸い、台風の進行速度が遅く、天候は、かなり良い一日でした。 当日は、園児は勿論のこと、ご来場の皆様にも、思い切り楽しんで頂けた「運動会」であったと思います。

 それから一週間後、「ミニミニ運動会」を開催しました。本園は、大きな行事を終えた後、これまでの取り組みの余韻を楽しむことも大切!

と考えています。そこで、会場や準備・運営は、簡素にして、園児全員が再チャレンジの運動会として、「ミニミニ運動会」を行いました。

 「運動会」当日に、具合が悪くて欠席したり、早退してしまったおともだちも、この日は、参加が出来たことが、もう一つの目的でも有りましたので、終了後の参加メダル授与も出来て、本人達も嬉しそうでした。

 さて、今回は、星が丘ふれあい広場が会場でしたが、会場使用の条件が年々、厳しくなっています。使用は、幼稚園として、月3回までとなり、放送や笛・太鼓等の使用は、一切禁止との条件がありました。

 これらは、近隣住民(一部特定の方)からの苦情が、本園だけではなく、地域の団体が使用する上で、大きな障害となっています。

 地域の多目的な広場として、高額な税金で購入した土地が、十分に活用出来ないという現実は、何とも言い難い思いがあります。

 法律や条例の内容が、個人の主張を全て認め、何でも言えばまかり通ることで、公共の利益を損なっていることの矛盾は、幼児や子どもが活動できる公園や広場での活動を著しく阻害しており、今後の日本社会を考えると、早急に、改善を求めたいと思います。

 しかし、今回の「ミニミニ運動会」を催すにあたり、本園の運営において、配慮が足りなかった事も事実でした。

 大きく3点。

 まず、園児が行う演技・種目が、来園された方々に、周知されていませんでした。事前に、簡単なプログラムや会場内に大きく進行の張り紙を張り出す等、方法はあったはずですが・・。

 2点目は、上記にも述べた、放送や笛・太鼓などが一切使用できない為、会場にいる教職員が、進行の内容を進行係と共に、伝達する事も出来たのですが、そこにいる教員の一部に、声かけの意識があまりなかったことも有り、進行が全く聞こえず、伝わりませんでした。

 3点目は、こうした不都合な状況を、全く、来場の方に、伝えていなかったことも、「何をやってるの?」と、歯がゆく思われても仕方のない状況をつくっていました。

 こうした事への対処がされていたら、各学年の「ミニミニ運動会」への想いが、来場の皆様に伝えられて、もっと、盛り上がり、楽しんで頂けたのではないかと反省し、課題の多い催しとなりました。

 私たちの教育活動は、我々の想いを保護者の皆さまに知って頂き、その上で、我が子と共に楽しみ、成長を感じて頂かねばならないと考えています。

 その為にも、今回の反省や課題を受け止め、今後の本園教育活動に生かしていかなければならないと思っています。