あのツイッターのsonohanabiraだお!のブログ

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このブログは性格がかなりねじ曲がった高校生が小説を月1で投稿するものである。
今年から受験生なので遅れることもしばしば
それと小説をうpすること以外ほとんどやりません。


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なんか受験勉強が馬鹿みたいに大変なので、書けていません。
申し訳ありませんが、この作品の作成を中止します。

また受験が終わり次第また作品を書きますのでその時はお願いします。
「はい!皆起きて!!!」
 大きな声が頭に響き渡った。うるさいと叫びたくなる声量、でも温もりが伝わってくるような音。重い瞼をあげるとそこには新しい生活が、これから始まる日常があった。
 「愛ちゃん早く起きて!」
 「そんなに急いでどうしたの?」
 私を起こすために寄って来た沙織ちゃんは、
 「朝ごはんの用意をしないと美咲おねえちゃんたちが遅刻しちゃう。」
 「・・・うん。わかった。」
 たしか・・・みんな一時間以上かけて学校に通っているんだった・・でもなんで私たちまで?
 「みんなで御飯食べるんだから早くしてよ!」
 「うん。ごめんなさい。」
 ルールにあった【御飯はできるだけみんなで食べる】・・私もここの一員になったということなんだろうか。
 みんな当たり前のように朝食を作り、そして朝ごはんを食べた。
 私にとってこれは初めてで、とても大変な事だった。・・・この生活に慣れたらこれが普通になっていくのだろうか。

 「行ってきます。」
 「今日は何時くらいになりますか?」
 アモさんが覚さんに聞くと、
 「今日は少し遅くなる。御飯は先に食べてて。」
 「私も今日は遅くなる。」
 「美咲さんもですか・・。」
 「ごめん。いろいろやる事があるから。」
 「はい。わかっていますよ。ただ・・・」
 アモさんがさみしそうな目でそう言うと、
 「なるべく早く帰れるようにするから!」
 覚さんがアモさんを励ますように声をかける。
 「智と武と香奈枝は普段通りに帰るんでしょ?」
 美咲さんが尋ねると、
 「うん。」
 「何も用事ないしね。」
 武さんは頷きを返した。
 「じゃあ覚さんと美咲さんは遅く帰られるんですね。夕食は台所に置いておきますから。」
 「ありがとう。じゃあ行ってきます。」
 そう言って覚さん、美咲さん、香奈枝さん、智さん、武さんは学校へと向かった。
その後宗太君、美樹さん、沙織ちゃん・・そして私たちは皆の布団を干した後八百屋さんへと向かった。

 所々に凹凸のあるアスファルトの道。その道をエンジン音を静かに響かせながら車が走っている。周りには家があったり、飲食店や雑貨屋がある。
 私たちはその道曲がったところにある狭い道を歩いている。
「布団を干してる時アモさんのだけなかったけど?」
 「アモさんはベッドで寝てるんだよ。」
 私の質問に答えたのは宗太君。
 「そうなんだ。」
 「あれ買ったのいつだっけ?」
 宗太君の質問に応じたのは、
 「3年前くらいだよ。」
 沙織ちゃんだ。
 「ああ。そうだったね。3年前か・・・」
 3人とも何処か遠いところをみているような目をしている。たぶん・・・私にはわからない何かを見ているのだろう。ここに来る前に体験した何かを。
 少し重い雰囲気になり美樹さんが流れを変えるように、
 「愛ちゃんは先生の名前とか知らないんだよね?」
 「う、うん!何て名前なの?」
 流れを変えるように私に話題を振ってきた。
 「本間白(ほんまはく)、本間先生よ。」
 「そうなんだ。皆は本間先生に教えてもらってどのくらい経つ?」
 美樹さんは、
 「4年だね。」
 宗太君は、
 「僕も4年。」
 沙織ちゃんは、
 「私は1年。」
 「皆バラバラなんだね。」
 「まあ、来た時期が違うから。」
 「愛ちゃん、あれが本間先生八百屋だよ。」
 美樹さんが指す方向を見る。
 住宅が密集している場所から少し離れた場所にそれはあった。
2階建ての家、一階の外と中にはいろいろな種類の野菜が並んでいる。
 店員はいないのかな?
 そう思い周りを見回しても私たち以外誰もいない。
 「大丈夫なの?」
 美樹さんに聞くと、
 「いつものことだから。」
 美樹さんはそう言って奥にあるカウンターにあるベルを鳴らす。
 ブー、ブー、ブー
 鳴り終わると奥から、
 「はいはい。今行きますよーう。」
 女の人の声が聞こえた。足音も次第に大きくなって、
 「今日は来るの遅かったじゃない。」
 声の主が現れた。
 金色の髪、言葉を失うほどの綺麗な顔、大きな胸、もくもくと煙を巻き上げている今では稀な煙草。
 「あら?新入り?」
 「はい。昨日来たんです。」
 宗太君が言うと本間さんの視線はこちらへと来た。
 「初めまして。愛といいます。」
 一礼して顔をあげると、
 「!?」
 本間さんの顔が目の前にあった。
 「な、なんですか?」
 聞いても何も答えずこちらの顔をじっと見たまま。
 なんなの?
 疑問というよりも本間さんに対して不信感が芽生えた。
 本間さんは自分の目を指しながら、
 「あんた、目が死んでるわよ。」
 「・・・・え?」
 言われている意味がわからない。目が死んでる?
「それに教会に着いてから一回も笑ってないでしょ?」
 「・・・」
 なにも返せなかった。何も言えなかった。はい、と頷けばきっと皆に不快な思いをさせてしまう。でもここまで断言されたら否定もできない。だから何も、言う言葉できなかった。
 「今日は勉強はやめましょう。」
 「え!」
 本間さんの突然の発言に私たちは声をあげた。
 「じゃあ今日は何をするんですか?」
 「宗太はせっかちだね。まあとりえず空き地にでも行こうか。」
 そう言って本間さんは店の裏側へと歩き出した。
 店は大丈夫なの?店員がいなくなったら盗られちゃうんじゃあ・・・
 「あの・・?」
 「なんだい?」
 「お店は大丈夫なんですか?」
 「別にいらないよ。代金籠は置いてあるからね。」
 「盗まれないんですか?」
 「そんな事一度もないがね。」
 そう言って本間さんは煙草を携帯灰皿に押し込めながら歩を進めた。
 
 店の裏にはドッチボールをするのに適した場所があった。
 「何をするの?」
 本間さんに沙織ちゃんが聞くと、
 「そうだねぇ。」
 腕組をしながら顔がこちらに向いてくる。
 目を合わせてはいけない!
 そんな感覚を全身から感じた私は直ぐに目を逸らそうとすると、
 「愛!」
 「!?」
 大きな声で名前を呼ばれ固まってしまった。
 「あんたが決めな。」
 「え・・・?どうしてですか?」
 本間さんは笑いながら、
「気分だね。」
 私の意見を聞くために皆の視線が集まる。
 動揺と緊張で何も考えられない。それに何をすればいいのかさえわからない。
 「え・・・・・その・・・」
 「野球もできるし、サッカーもできるわよ?それにバドミントンやらバレーも。」
 本間さんが選択肢をこちらにくれた。それでも私には不十分だった・・。
 助けを求めるために美樹さんを見ても、
 「愛ちゃんの好きな事をでいいよ。」
 やさしい返答が返ってくる。でもそれは私にとって何の意味もない返答だった。
 宗太君を見ても、沙織ちゃんを見ても
 「僕はなんだっていいよ。」
 「私もー。」
 どうしよう。何も決められない。早く決めないと・・・・でも。
 頭の中で一生懸命正解を探していると、
 「愛。」
 本間さんが私を呼んだ。
 怒られちゃう!
 思わず目を瞑った。・・・でも、
 怒声でも叩かれる痛みでもなかった。
 暖かい何かが私の全身を包んだのだ。それは本間さんだった。地面に膝をついて私を抱きしめていた。
 「何があったかは聞かないけど、一人になって恐かったんだろ?不安だったんだろ?・・・だからこうやって他人に合わせて相手の機嫌をとってるんだろ。」
 本間さんは私の耳下で震える声を私になげかけた。
 「そんな事しなくていいんだよ、恐がらなくていいんだよ。まだ信頼してもらえないかもしれない、まだ心を開いてくれないかもしれない。だけど、私とアモの前では我がまま言ってもいいんだよ。私たちはあんたたちの親と思って接してんだから。」
 だめだ・・・!私の親はあの二人だけ!もし受け入れたりしたら・・・・
 「大丈夫ですよ。無理なんてしてませんから。」
「いいや、無理してる!私はわかるんだよ。アモと一緒に子供たちを見て来たからね。皆助けを求めているような、愛に飢えているような目をしていたよ。ここにいる美樹や宗太や沙織だってね。でも、あんたは違うんだよ。過去を大切に想って現実から失われたものを、本当に失わないように自分に対する愛や甘えと戦っている。」
 本間さんは私の目を見て、
 「それに、あんたはここにはいないんだよ。浅間さんの言葉覚えているかい?」
 「え!・・・どうして知っているんですか?」
 「あんたをここに送る前に私とアモにあいさつをしに来たんだよ。『彼女は大切な家族を奪われ、とても哀しんでいます。でもやさしく接しても彼女は心を開きません。私には理由は明確には分かりません。でも、多分彼女は過去を守っているんだと思います。大切な、掛け替えのない、それ以上増える事のない過去を。
迷惑をかけると思います、不愉快な思いをさせると思います。でも!・・・助けてあげて下さい。お願いします。』ってそう言ってたよ。ね、あんたは独りじゃないんだよ。あんたをこんなにも想ってくれる人がいるんだ。それに答えてやってもいいんじゃないのかい。」
 「どう・・・し・・て。」
 「ん?」
 「どうして・・・浅間さんはそこまでしてくれたんですか?赤の他人の私に・・・・どうして!?」
 「あんたが大切だからだよ。」
 「だから・・・私は・・!」
 「赤の他人でもだよ。あの人はあんたみたいな子を何人も見てきてるんだよ。ここにも何回も来てんだよ。」
 「じゃあ私はどうすればいいんですか!?誰かに心を許したら私の家族は本当に失くなっちゃうかもしれないんです。私の大切な家族との思い出が!私は・・・・そんなの嫌です!!」
 叫んだ。心の底から。私の中に入ってくるなと言わんばかりに。
 「忘れやしないさ。失ったりしないさ。」
 「どうして・・・?」
 「そんなに大切に想ってんなら何があったて忘れやしない。もし忘れてもそれは頭を使って忙しかったりするときくらいさ。落ち着いたら自然と思い出す。それに本当の親と思えって言ってんじゃないよ。ただ、私たちと向き合って欲しんだ。」
 「それでも・・わたしは・・!」
 「何が不安なんだい?」
 私の罪は・・、
 「私は家族を見殺しにしたんです。苦しむ・・・桜を、お父さんを、お母さんを、目の前にして私は逃げ出して、だから私は・・・。」
 「本当に馬鹿な子だねぇ。」
 本間さんは私と向き合って肩に手を置き、
 「あんたが幸せにならなきゃあんたを守ってくれた家族はどうなんだい?そんなに罪を感じるんだったら幸せになりな、立派な大人になりな。貴方達が守った人の命はこんなに立派になりましたって胸張って言ってやんな。」
 「うっ・・・う・・」
 涙が止めどなく溢れてくる。自分で縛り上げていた心を本間さんが救ってくれた。心が軽くなったわけじゃない、私には私を愛してくれる人がいる、私を大切に想ってくれる人がいる。それが、ただただうれしかった。
 「いっぱい泣きな。気が済むまで泣いて、叫んで、そしたら・・・笑ってくれたらうれしいねぇ。」
 「うあああああああああああああ。」
 私は本間さんの腕の中でたくさん泣いた。

 「迷惑をおかけしました。」
 落ち着いた私は本間さんと皆に謝った。思い返すと皆の前で泣いた事が恥ずかしい。
 「おや、あたしはそんなもの欲しいなんて言ってないよ?それとも忘れたのかい?」
 本間さんはいたずらっ子のような笑顔でそう言った。
 浅間さんの気まぐれで決心は着いたつもりだったのに、全然駄目だった。でも、そんな私に本間さんは笑顔をくれた。だから、
 「これから宜しくお願いします。」
 精一杯の笑顔で返した。
こつ、こつ、こつ、こつ。
 小さな教会に二つの音がリズムを刻んでいる。
 「私はアモと言います。この教会の神父でみなさんを育てています。」
 白い髭、白い髪、白い肌、腰は少し曲がっている。黒の服を着てその白さが目立っている。首には十字架をかけたている。
 「これから私の家族を紹介しますので着いてきてくださいね。」
 日本語はうまく、とても聞き取りやすい。
 「あの・・・。」
 「どうしました?」
 「土足で良いんですか?」
 「ああ。ここは私の国の文化に合わせているんですよ。もし気になるのであればスリッパでも用意しますよ?」
 「いえ、大丈夫です。」
 建物の中で靴を履いている国があるんだ。
 周りを見渡すと教会の中は長椅子が三列あり、二十人くらいは座れるほどの大きさだ。前には教壇、左右の壁にはアモさんと同じ高さの蝋燭立てが3本ずつ均等に並んでいる。
 「愛さんこちらです。」
 アモさんは教壇の後ろにある扉に手をかけていた。
 「どこに行くんですか?」
 「みんなの家です。」
 笑顔で私に言った、
 「この教会の事ですか?」
 「ここに入る前に教会の横の家を見ませんでしたか?」
 「あの大きな家ですか?」
 「はい。ここはあの家と繋がっているんですよ。教会は小さいので、役所の人に頼んで建設してもらったんです。」
 いったい何人いるんだろう?
 アモさんと一緒に扉をくぐると、そこは真っ暗だった。
 「暗いので気を付けてくださいね。」
 アモさんが照らしてくれる微かな明かりを頼りに歩いていると木製のドアが暗闇から現れた。
 「さあ、着きましたよ。」
 「・・・」
 どうしよう。うまくやっていけるかな、友達できるかな。
 私にとってそのドアは後ろに行くことを絶対に許さない壁。それを超えるのが・・こわいし、初めて歩く道はとても不安。
 「私はこの仕事を続けて15年になります。みんな良い子に育ちましたよ。喧嘩はしますが、いじめなんてまったくありません。」
 「・・・・ありがとうございます。」
 「じゃあ行きましょうか。」
 
 アモさんに案内されて着いた場所は大きな部屋。ドアから部屋の端っこまでありそうな長方形の長テーブル、数十個あるイス。私とアモさんはドアから遠い長テーブルの短いラインに立ち、ここの住人らしき人たちは長いラインに左に男子が5人、右に女子が4人、分かれて座っている。
9人もいるんだ・・・。
 「みなさん。今日から家族になる愛さんです。」
 「愛です。これからよろしくお願いします。」
 パチパチパチ、歓迎の音が部屋いっぱいに広がった。
 歓迎の音が鳴りやむと、左の最前席にいる男が立った。
 「覚(さとる)です。よろしく。」
 見た目の印象は面倒見のいいお兄さん。髪に少し茶色が入っていて、身長はアモさんよりも高い。それに続いて後ろの男子がそれぞれ立ち上がり、
 「智(さとし)です。よろしく。」
 ツンツン頭が特徴的でガキ大将がそのまま大きくなったような人。
 「武(たける)です。よろしく。」
 女の人のお面をかぶっている不思議な子。
 「宗太(そうた)です。よろしくお願いします。」
 私と同い年くらいの子でやさしそうな口調でちょっとかっこいい。
 「俊(しゅん)です。おねえちゃんよろしくおねがいします。」
 金色の短い髪にみんなとは違う白い肌の幼児。
 「こちらこそよろしくお願いします。」
 私が言い終えると、
 「じゃあ今度は私たちね。美咲(みさき)よ、よろしく。」
 綺麗な黒髪が腰まであり凛とした顔立ち、モデルでもやっていそうな綺麗な人。
 覚さんの時と同様に後ろの女子がそれぞれ立ち上がり、
 「香奈枝(かなえ)です。よろしく。」
 長いツインテールで私より一つか二つ年上のような人。
 「美樹(みき)です。よろしく。」
 ふわふわの長い髪におっとりとした顔が特徴的な人。
 「沙織(さおり)です。よろしくお願いしまーす!」
 大きなジェスチャーと元気な声、宗太君と同じく同い年くらい子。
 「はい。重ねてよろしくお願いします。」
 
 自己紹介を終え、アモさんが手料理を持ってきてくれた。アニメに出てくるような大きなチキンや生野菜、他たくさんの料理がテーブルを埋め尽くした。
 私が料理を眺めていると美咲さんが、
 「愛ちゃんは美樹と沙織の間に座って。」
 「はい。」
 そう言い私はそこの席に座ると、
 「アモさんから聞いてるんだけど、愛ちゃんは小学4年生なんだよね?」
 問いかけたのは私の左に座っている美樹さん、
 「そうだよ。」
 アモさんにいじめの心配はないと言われているけれど、不安なものは不安・・。だから相手に好かれるように笑顔でそう答えた。
 「私も4年生なんだ。わからない事とかあったら言ってね。」
 同い年の人がいればなんとかやっていけそう・・・かも。
 「他の人達は・・・?」
 「ん・・?ああ、覚にいちゃんは18歳。高校3年生。」
 私たちの話が聞こえたのか覚さんが、
 「就職活動とかで帰りは遅いけど何か困ったことがあったら頼ってくれよ。」
 「はい、ありがとうございます。」
 「で、智にいちゃんは15歳、中学3年生。」
 智さんは覚さんみたいに何も話しかけてこないので目をやると、
 「・・・!」
 なんか驚かれたんだけど・・・。
 「智にいちゃん照れてるの?」
 美樹さんがそう言うと、
 「ば!照れてねぇよ!!・・・その・・宜しく。」
 顔を赤くして言われるからこっちも恥ずかしい。
 「はい・・お願いします・・。」
 「武にいちゃんは13歳、中学1年生。」
 武さんは顔が見えないように口だけを仮面から出した格好で、
 「早く慣れるといい。」
 「はい、努力します。」
 武さんは無愛想な人って感じだなぁ。
 「宗ちゃんは11歳、一個上の5年生。」
 「宗ちゃん・・・?」
 そう聞き返すと、
 「ああ、僕の事だよ。美樹にはそう呼ばれてるんだ。愛ちゃんも好きに呼んでくれて構わないよ。」
 「はい。」
 「んで、俊は5歳。まだ幼いから一人でいたりしたら声掛けてあげてね。」
 「俊です!」
 「うん。俊君よろしくね。」
 「じゃあ次は・・・」
 美樹さんは美咲さんを見ながら、
 「美咲ねえちゃんも18歳、高校3年生。」
 美咲さんは綺麗な笑顔で、
 「みんなと仲良くしてあげてね。」
 「こちらこそ。」
 「香奈枝ちゃんは14歳、中学2年生。」
 「よろしく。仲良くやっていきましょう」
 武さんとは違った感じの人。・・・クールビューティー?
 「はい。」
 「最後に沙織。9歳で小学3年生。」
 「愛さんこれからよろしくお願いします。」
 「うん。よろしくお願いします。」
 「じゃあ食べますよ。」
 アモさんの声を聞いた皆は宗教的なお祈りをすることもなく合掌をしながら、
 「いただきます。」
 あれ・・・普通でいいの?
 疑問を投げかけるようにアモさんを見ると、
 「あれは仕事ですよ。」
 「信者ではないんですか?」
 「ええ。この字事をやるときに言われたんですよ。それに宣教師の理由は私の容姿ですね。」
 「大変なんですね。」
 「慣れは来るものですから。」
 そう言ってアモさんも私も料理へと目をやった。

 御飯を食べ終えた私たちはあの部屋よりも大きな部屋に移動した。
 あるのは時計と隅の方に一つずつ丁寧に畳まれた布団。
 「アモさんは?」
 ここに移動する時アモさんは美咲さんと覚さんと話した後どこかへ行ってしまった。
 「お風呂だよ。」
 そう答えたのは沙織ちゃん。
 「そうなんだ。・・じゃあ私たちは?」
 「アモさんがお風呂からあがるまで親睦会的なものかな。・・・・後はここのルールをね。」
 「ルール?」
 「うん。それは美咲おねえちゃんが話してくれる。」
 そう言われ美咲さんを見ると、
 「じゃあ話しましょうか。」

 美咲さんから教えてもらったルールというものは、
 一つ、御飯はできるだけみんなで食べる。
 二つ、御飯の用意と後片付けは全員が協力すること。(高校生はアモさんと一緒に調理、中学生と小学生は食器類を運ぶ。食後はアモさんと高校生は食器洗い、中学生は食器を食器棚にしまう、小学生は食器運び)
 三つ、風呂はアモさんが一番。その次は男、女(男は入る前の風呂掃除、女は入った後の後片付け)
 四つ、朝6時30分に起きる。夜11時に寝る(テスト前や受験や宿題の時は起きてよい)
 五つ、休日の午前中はここの地区のゴミ拾い。
 六つ、登下校はできるだけ一緒。
 「美咲さん。」
 「何?」
 「どうしてゴミ拾いをやるんですか?私がここに来る時ゴミなんてほとんど落ちていませんでしたよ?」
 「それはね、まずここが田舎ってこと。そんなに人はいないの、だから学校がないのよね。」
 「ここの決まりですか?」
 「らしいわ。」
 「じゃあみんな学校に行ってないんですか?」
 「ここは狭いから短時間で別の地方に行けるのよ。私と覚は1時間半かけて学校に行ってるし、智と武と香奈枝は一時間かけて学校に行ってる。」
 「他の人は?」
 「ボランティアでやってる人がいるのよ。ここから15分歩いたところに八百屋さんがあるの。そこの店主が11歳までの子供に勉強を教えてあげてるの。」
 「そうなんですか。」
 「話がそれたわね。」
 美咲さんは一呼吸おいて、
「私たちの生活は国とこの地方のお金で支えられているの。だから感謝の気持ちとしてゴミ拾いをやってるわけ。納得できた?」
 「はい。」
 「他に聞きたいことは?」
 「ありません。」
 「よかった。じゃあお風呂までくつろいでいてね。」
 その後男子が風呂から上がった後5人で一緒にお風呂に入った。
 今日の疲れを洗い流してくれるそんな感覚を味わいながらこれから一緒にこの家で生きていく仲間と語り合った。
 
 「みんな寝る準備はいい?」
 夜の11時になったのでみんなで布団を敷いた。私の布団はアモさんが新しく購入したもの。
 「いいよー。」
 覚さんが言った。
 男女一緒の部屋、左に女子が、右に男子がそれぞれ布団を敷いて横になっている。
 「じゃあ消すね。」
 美咲さんの声とともに明かりが消えた。
 今日はちゃんとできたかなぁ・・私は家族になれるのかな・・・いや、家族はお母さんとお父さんと桜だけ!私の大事な家族・・・・。
 「まだ起きてる?」
 話しかけて来たのは私の右隣にいる香奈枝さん。
 「うん。」
 「まだ、不安?」
 「え・・・!」
 香奈枝さんの言葉に私は驚きを隠せなかった。・・・まるで私の心を見透かしているような言葉を投げかけてきたから。
 「みんな最初はそうだった。食事中あなたと話してた美樹だって最初は警戒してたしね。」
 「香奈枝さんもですか?」
 「私は・・・そんな感じじゃないから・・」
 明かりがなく、香奈枝さんの顔は見えない。ただ哀しそうな声が私の耳に届くだけ。
 「ねぇ。」
 「はい?」
 「別に信頼しろとは言わないわ。ただ・・一緒に生活するんだから協力して生きていかなきゃいけないの。」
 「頑張ります。」
 「頑張るね・・。今はまだそれで良い、じゃあおやすみ。」
 それっきり香奈枝さんは一言もしゃべらなかった。
 香奈枝さんとの会話が終わって緊張が途切れたのか眠気がいきなり来た。そして私の瞼はゆっくりと落ちていった。

 少女の新しい家、家族、環境。それはどういったものなのだろうか。そしてそれは少女に何を与えるのか。