僕の所持している刀剣類四十三腰の内、九口に
樋(刀身の鎬にある溝)が彫ってるものがある
もちろん皆、製作時からの樋

(祐光二尺三寸六分、製作時からの樋があります)

この祐光は別だけど
僕は樋の彫ってある刀剣はそれほど好きではない
なぜかというと空気抵抗が生じて振りが遅くなる
ほんのちょっと、０,０何秒だけど
ちなみに、刀が物体を切断するスピードは０,０７秒という
ホントかな？もっと速いと思うが

樋のある刀は振ると風切り音がヒュンとするが
これは刀の扱いに不慣れな者でも音をたてれるし
見た目もかっこ良いから居合の初心者の模造刀にある

しかし高段者は嫌う
樋が無くても、練達者はヒュッと刃音をたてる
これは正しい刃筋で鎬で空気を斬っているので鳴る
それでなくてはコレは出来ない

少し鍛え傷のある古刀、細身の小太刀で斬っている
(樋はありません)

最初から樋のある古刀や昔の刀は別にして
刀の重量軽減という理由でわざわざ新しく彫る人もいる
刀身重量の１割り程度軽くなるらしい

しかし後彫をした刀の強度はその分、弱まってしまうのだ
よく、Ｈ鋼や鉄道のレールに例える人もいるが
刀はそういう物ではない

重量のことをもっと分かりやすく言えば
日本刀の体感重量は、刀自体の重量とは違うもので
１メートルの鉄筋を持つ位置を変えると軽くも重くもなる
体感重量を理解できると思う
刀身に比べて茎(なかご)が短くて調子が良くなければ
区(まち)送りという方法もある

では、刀身になぜ古来から樋を彫ってある刀があるのか
僕個人の考えなのだけど、刺突にあると思う

人体は刺し傷を負うと傷口の筋肉が強力に絞まり
刺し入れた刃物は抜きにくくなる

そこで絞まる筋肉の隙間というか空間？をつくり
少しでも抜きやすくする為の樋だとも思う
槍なども樋の有るものが圧倒的に多い
近代では銃剣などには必ず樋が彫ってある

例えば、ある居合の流派では
相手に突き刺した刀を抜く場合「手だけで刀を引く抜くのではなく、腰を使うようにして体全体で抜け」と教える

また、「刀の峰に手を添え、相手の体を切り裂くようにして引き抜け」と教えられる

筋肉が吸盤のようになり、
刀身が抜けなくなるということを古来から伝え継がれてのことであり、納得できる教えだと思う

なっとくと言えば、僕が広島市内に住んでいた頃に
中心部の市営住宅の玄関外で刺殺事件があった

直接に僕は見ていないが知人の知人が目撃していて
包丁で腹を深々とひと突きしたらしい
倒れた被害者を仰向けにして包丁を引き抜こうとしたが
体まで浮き上がったが抜けなかったらしい

🐶包丁🔪はお料理に使うもんやで
🐱。。血生臭い話しになったので…そろそろね

数日前、本棚の整理をしていると
２７年間、毎月送られてくる刀剣情報誌を見ていると
２０年ほど前の冊子の中に祐光の紹介がありました

買って帰った後にこの小冊子が自宅に届いたので
僕が銀座で見つけたのは店出し直後。。これも縁ですね

吸盤防止の樋が彫ってあります (ﾟ∀ﾟ)

刀身の樋について。。