EGFRセミナーに妻が代わりに参加し、資料を入手してきました。妻によると、内容は盛りだくさんであり、話がどんどん進んでいくので、ついていくのが難しかったそうです。

 

私なりに復習して、今後の着目点を整理すると、

1. 分子標的薬EGFR-TKI + 細胞障害性抗がん剤

2. 第3世代EGFR-TKI(オシメルチニブ:タグリッソ)の登場と第1、第2世代の役割

3. EGFR遺伝子変異陽性だと免疫チェックポイント阻害薬が効かない?

 

1に関しては、EGFR-TKIは無増悪生存期間を延長する画期的な薬ですが、残念ながら耐性化により全生存期間を延長させる力まではいまひとつ。そこで、EGFR-TKIが奏効している早い時点でプラチナ併用化学療法を挿入して行うことによって耐性クローンを除去することができれば、長い生存が得られるのではないかというJCOG1404/WJOG8214L, AGAIN studyの結果に期待です。ただし、EGFR-TKIが効いているのに、細胞障害性抗がん剤を実施するのは度胸がいるなぁ。いずれは、 細胞障害性抗がん剤を使わなくてはいけないのだから、元気なうちに使った方が良いというようにも考えられます。

 

2に関しては、タグリッソが1次治療から使えるのであれば、第1、第2世代はお払い箱になるのでしょうか。第1、第2世代が耐性化してT790M陽性の場合、タグリッソで無増悪生存期間を延長させるという流れでしたが、1次治療が奏効した後ではT790Mの検出が難しいことに課題があるのですよね。T790Mが検出できるまで無治療で病勢進行を待つなんて、まっぴらごめんです。そうなると、1次治療からタグリッソを使えば副作用も軽いし、脳転移にも良いから、タグリッソ一択ということになるのでしょう。今、第1、第2世代で治療している人は、さっさとタグリッソに切り替えた方が良いのでしょうか。ただし、タグリッソに耐性ができたあとの見通しははっきりしていません。

 

大分での肺がん診療の2018年08月22日のブログで、「今回の適応拡大が、本来はゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブから始める方が望ましい患者さんたちの機会損失を招かなければいいのだが。」と警鐘を鳴らしています。2016年02月16日のブログによると、ほかの変異ではなくてT790M変異に腫瘍を誘導できれば、タグリッソが有効に使えるという議論があるようです。今日の日経メディカルには、EGFR変異陽性肺癌では初回治療のインパクトが生存期間の延長につながるという第16回日本臨床腫瘍学会学術集会のシンポジウム「EGFR 遺伝子変異陽性肺癌に対する治療戦略」のリポートが掲載されています。第2世代EGFR-TKI特有のpan-HER阻害効果、EGFR minor変異への阻害効果を活用できれば、T790M変異に腫瘍を誘導できるのかもしれません。

第3世代のオシメルチニブ(タグリッソ)と第2世代のアファチニブ(ジオトリフ)を8週ごとに交互に投与する交替療法のフェーズ2試験WJOG10818Lが計画されているとのことです。生検無しで第2世代、第3世代のシークエンスができるのであれば、ありがたい。

一次治療としてのアファチニブに続いて二次治療としてオシメルチニブという、連続してEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)を投与した場合の評価も進められています。いい結果が出ることに期待しましょう。それまでは、今の状態を維持していたいなぁ。

 

つづく