私が投与されている4種類の抗がん剤のうち、アバスチン(ベバシズマブ)は、ちょっと特殊な存在です。
がん細胞は、栄養や酸素を多く必要とし、VEGF(血管内皮増殖因子)というシグナル物質を放出して、がん専用の新たな血管を作り出します。この「血管新生」に歯止めをかけるべく、VEGFの働きを阻害し、がん専用の新しい血管を作らせないようにする薬がアバスチンです。栄養や酸素を供給する道を塞ぎ、がんを兵糧攻めにすると言われています。
さらにアバスチンは、既にある血管を整備して通りをよくする働きを併せ持っているため、抗がん薬をがん組織まで行き渡るようにしてくれます。
さらに注目されるのは、がん細胞が発するVEGFには、血管新生だけでなく、ある種の免疫機能を抑制する働きがあるのです。免疫チェックポイント分子だけではないんですね。
主なものとしては、
・樹状細胞の成熟化抑制
・T細胞機能の抑制と遊走の阻害
・抑制性T細胞の活性化の促進
・骨髄由来免疫抑制細胞の誘導
これらが腫瘍免疫応答を抑制していると言われています。
つまり、アバスチンには免疫機能を抑制するVEGFの作用を阻害することで、免疫機能を上げる効果があるのです。免疫チェックポイント阻害薬とアバスチンを併用すると、相乗効果が期待できるということで、IMpower150試験で有効性が検証されたものです。
ところが、がん組織が完全に死滅すれば問題ないのですが、悪条件下で生き残ったがん細胞は、非常に強い生命力を持つことになり、悪性度を高めてしまいます。したがってアバスチンは、諸刃の剣となるのです。
と、長々と説明しましたが、昨日3回目の抗がん剤が延期となってしまいましたが、ガンガン攻めればいいというわけではないので、ちょうど良かったかもしれない、という言い訳でした。
4剤併用療法は4サイクルの後、テセントリクとアバスチンで維持療法に入るのですが、アバスチンの止めどきも考えなくてはいけません。奏効率は上がっても、延命率の改善に寄与しないことがありますので。主治医の先生と相談していきたいと思っています。