嗄声させいとは、「しゃがれ声」のように声がかれた状態のことです。
嗄声を起こす原因のひとつに、声帯を動かす神経に問題が生じる反回神経麻痺があります。反回神経は声帯の動きを支配していて、麻痺すると声帯が動かなくなり、嗄声や誤嚥が起こります。
耳の穴の少し下の辺りから出てきた迷走神経は、まっすぐ声帯まで行きません。胸腔内で迷走神経から反回神経に分枝し、右側の神経は首の付け根の辺りまで下がってから、反転して右の声帯に向かいます。左側の神経は胸部大動脈の近くまで下行してからUターンして気管と食道の間の溝を通って左の声帯まで上がってきます。
反回神経には、大動脈や食道、甲状腺、リンパ節などが隣接しています。これら隣接する組織の物理的な異常(大動脈瘤、肺がん、食道がん、甲状腺がん、その他臓器からのリンパ節転移など)が原因で麻痺することがあります。
ということで、 縦隔リンパ節転移がある私は、ご多分に漏れず声がかすれました。といっても、症状は酷くはなく、他人から指摘される程ではありませんでしたが、歌うのは無理でした。
比較的初期の頃から症状は現れ、ジオトリフを服用していても治りませんでした。ところが、今頃気づいたのですが、いつの間にか治っているではありませんか。今回の抗がん剤のおかげで食道狭窄が治ったのですが、おまけに反回神経麻痺も良くなっていたのでした。
抗がん剤は副作用に辛いものがあるのですが、一方で良くなっていることがあれば、もうひと踏ん張り頑張れます。この調子で原発巣にも効いていてくれることを願います。
話はそれますが、迷走神経といえば、耳掃除の時に耳かきで刺激されて、気持ち良くなる人と、迷走神経反射で咳が出る人がいます。私は左耳を掃除するときに咳が出るタイプ(2割程度いるらしい)です。娘もそうなんですよね。こんなことは似なくてもいいのに。