これは小学校高学年の頃の思ひ出。

時にして昭和57,8年頃の事。

中学校の教師だった母親が、美術クラブの顧問をしていたのだろうか、

詳しくは覚えていないが、とにかくいきなり素敵な七宝焼のペンダントをこしらえてきたのだ。

ちょっとお年頃に突入し始めたワタシからするとそれはそれは魅力的なホウセキだった。

そのホウセキを身につけている母親は美人に磨きがかかり、本当に魔法のようなホウセキだった。

そこでワタシは母親に提案してみたのだ。「お母さんが死んだらそのネックレスは形見に欲しい」と・・・。

突然の「形見」発言を母親はどうとらえたのだろうか。。

とにかくそのホウセキはいずれワタシのモノになる事で了解をもらったのだった。

そしてその七宝焼のペンダントが今も存在すればステキなお話しなのだが、

ホウセキは間もなく母親が用を足している時に、ポチャンと便器に落ち下水へと流れあっけなく短い生涯を終えてしまったのだった。


結婚指輪もはめないくらいアクセサリーには無頓着な母親。

そしていいか悪いかは別にしてその性格をそっくり継いだワタシ。

きっとアクセサリーの形見はなさそうだが、この思ひ出は形見代わりになるであろう。

良き思ひ出である。