5年生の2人のおかげで、A先生がすごい先生であることがわかった。


また、件の5年生の2人の反応で、自分には音楽の世界の常識があまりにもないことに気づいた私は、もう少しいろいろ情報を集めてみようと思った。


まず、A先生ほど敷居の高くない先生で、私の面倒を見て下さる先生がいないかと、他の先生を探してみた。


私は関連科目で一緒の他の45人の友達に、自分が先生を変わりたいと思っていること話して、その人達が師事している先生を紹介してもらえないか聞いてみた。


しかし、皆、自分の先生の自宅の連絡先を知らないと言う。


考えてみれば、私だって、自分の教わっているB先生の自宅の連絡先など知らない。


音楽院でのレッスンが終わってしまうと、先生に連絡の取りようなどないのである。



あるいはもしかしたら、中には自分の師事している先生の連絡先を知っている人はいたが、私に紹介したくなかったのかも知れない。



いずれにせよ、他の先生のご自宅の連絡先は、私の手にはいらなかったのである。