相次いで変死した二人の外務官僚。
捜査をめぐる他省庁とのトラブル。
そして娘を襲ったアクシデント…。
大森署署長・竜崎伸也に降りかかる難問の連鎖、やがて浮かび上がった驚愕の構図。
すべては竜崎の手腕に委ねられた!
極限の緊迫感がみなぎる超本格警察小説シリーズ最強の新作。
今回は、殺人事件、ひき逃げ、麻取とのせめぎ合い、放火、娘の恋人の話が 縦糸と横糸のように絡んでいきます。
役所間、部署間の対立が竜崎のキャラで小気味良く切りさばかれていきます。
元・いじめられっこで、ガリ勉、強くも格好良くも無く、原理原則にきっちりしていて融通がきかない、そんなヒーローである竜崎の「竜崎節」を久々に堪能しました。
今野敏氏の作品は、誤解を恐れずに言えば、楽しめるものとそうでないものがある。
好き嫌いかもしれないので、楽しめないものには言及はしない。
この『隠蔽捜査』は1作目を文庫で読んでから、一気にはまった。
いやあ、面白かったですね。
1週間の間に、2、3、3・5と連続して読んだ。
どれもいいから、驚いてしまう。
黙って、読め、だろう。
絶対に損はさせませんよ、と作者に言われているような気がする。
こう書いてくると、やはり小説は好き嫌いなのかもしれない。
ふと、そう感じた。
この竜崎というキャラが好きになれないと、まったくもってつまらない小説となってしまうに違いない。
次回作は? と期待を抱かせてくれる数少ない作品である。
こういう小説に出会えると、嬉しくなる。
建前=本音の主人公竜崎が論破していく様は痛快であり、招いた苦境でも竜崎流を通します。
思わず二度読みした一冊。
二度目は竜崎の生きざまに教えを得る。
文句なしの満点だ。
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