でも悲しいかな、貧しい人は「ありがとう」を受けとらないで、ほかのことで努力してしまうんです。かつての僕も、女の人からほめられるということにどうしてもOKが出なくて、頑張ってオープンカーを買ったり、クルーザーを買ったりしていましたから。

 人をほめていれば、自分もほめられるのに慣れてきます。最初はぎこちないかもしれませんが、続けていくとだんだん慣れてきます。

 ほめられるのに慣れてくると、自分は何をしてもほめられる存在なんだ、という美しい勘違いができるんです。

 これは大人になってから、自分でいかようにも教育できるので、人をほめて、自分もほめられるというパターンに慣れてください。

 心理学的には手の平を上にすると、相手からのほめ言葉を受けとめやすいようです。

 

 とくに、縁の下の力持ち的な人をほめ続けていると、すごくいいことも起きます。

 僕は和平さん(竹田和平氏)がどこに行っても相手をほめていらっしゃって、そのことですごくいい扱いを受けてきたのを見ていました。

 

 なので、自分も新婚旅行でイタリアに行ったとき、レストランの料理があまりに美味しかったので、働いている人たちをいっぱいほめました。

 最初はウェイトレスに「ボーノ、ボーノ(美味しい)」とほめていたんですが、足りなくて、奥さんに「ちょっと厨房まで行ってくる!」と言って、厨房まで行ったんです。

 そして厨房の全員に「ボーノ、ボーノ」と言って握手をしてきました。そしたらみんな大喜びで「これも美味しいから食え!」「こっちも食え!」と言ってきて、ものすごいVIP待遇を受けました。

 翌日もそこに行ったら、「こっちのほうが景色がいいから」ともっといい席に案内されたんです。チップはガイドブックに書いてあった一般的な金額程度しか出してないのに、そういうことが起きるんですね。

 

 だから人をほめて悪いことはまったく起きません。せいぜい無視されるくらい。

 さっきの10分の1の割合で、ほめ返しがきますし、100分の1くらいの確率でものすごいことが起きます。そういうときはありがたく受けとるようにしましょう。

 これを習慣化すると、気がつくと“王様扱い”されている夢のような人になっているわけです。

 

 

ー『はしゃぎながら夢をかなえる世界一簡単な法』本田晃一著(SB Creative)よりー