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基礎演習民事訴訟法 事例3


第1.
1.Xが自己の名で訴訟追行をなす方法として、①選定当事者(民訴法30条1項)とする方法と、②他の任意的訴訟担当の方法によることが考えられる。
 もっとも、選定当事者には個別の授権必要。
 ⇒本件では認められないので②を検討。

2.AがBのために任意的訴訟担当となり当事者適格を有するか。任意的訴訟担当は明文の規定がなく、弁護士代理の原則(民訴法54条1項本文や訴訟信託の禁止(信託法10条、濫訴防止が趣旨とされる)の関係から許されないともおもえる。
 しかし、弁護士代理の原則(民訴54条1項本文)および訴訟信託の禁止(信託法10条)の趣旨は、三百代言による当事者の利益が害されることを防止する点にあるから、これを潜脱する虞がなく、かつ、これを認める合理的必要がある場合には許されると解する。


第2.ケース1について
 業務執行組合員であるXには当事者適格が認められる
 ∵
  ①業務執行組合員は訴訟追行権に加えて、実体上の管理権や対外的業務執行権が付与されており合理的理由はある。
  ②業務執行組合員も組合員である以上、誠実な訴訟進行が期待でき、弊害の生じるおそれはない。


第3.ケース2について
 本件については、Aの損害賠償債権はパブリシティに関する一身専属的な債権であり、Aの損害賠償債権が認容されたとしてもXが当然その利益を得るわけではないため、Aの利益が害される恐れがあり、適切な訴訟追行が期待できない。そのため、弁護士代理の原則と訴訟信託の禁止を潜脱する虞がなく潜脱する虞がある。
 また、これを認める合理的必要も認めがたい。
 よって訴訟担当は認められないものと考えられる。


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