NY行き、中国東方航空(China Eastern AIR)の乗り継ぎで上海で一泊。
空港に着いた時に足腰が全く痛くなっていなかった理由はビジネスクラスで来たからで、ビジネスクラスを選択したのは僕ではなく成田とNYとの往復便が安かったから中国東方航空の航空券を予約したら、行のみビジネスクラスになっていた。乗ってから気づいた。それにしても、客が少なかったとはいえ、スチュワーデスさんを呼ぶと二人がかりで僕一人に対応してくるさまには、正直おどろいたなあ。つくづく僕は人を使うことに不慣れなのだなあ。などと考えながら、どうやって、明日の午前までの出発まで過ごそうか、考えていた。空港のソファーで寝るつもりだったからホテルは予約していなかったし、とりあえず行く当てもなく、地下鉄でひたすら市街地を目指した。すっかり誰かのおもわく通りに。

市街地での話、割愛。

そうしてぶらぶらしていたら、結構いい時間になっていたて、終電を逃して空港にもどれなかった。GangLanLu駅で降りることになってしまい、おまけに終電を逃した客をめがけて突進してくるタクシーとトライサイクルらしき乗り物の運転手のスターになってしまった。地上に出た時から、幕張新都心を連想させるような高級マンションとビルの街並みがあった。道路には街灯がどこまでもあって、この町には暗がりがないのかと思った。大音量のロックがかかった車が通り過ぎて行った。

僕は仕方なく野宿していても発見されないだろう場所をさがした。住宅街はどこまでいっても風景が一ミリも変化しない。歩道に座って木の暗がりで寝ることにした。しかし、近くのマンションの警備員さんが時折見回りに来て、不審者が壁を越えた場合に備えたサイレンのチャックをしていく。寝れない。警備員さんのせいというより、蚊が多くて寝れない。

ある駐車場の奥の方が近くの街灯が壊れ他の街灯の光が届かず土壁と車で暗闇になっているのを発見して、そこで自分が推敲中の文章のホチキスを外して敷物にして寝っころがった。さすがにコンクリートに囲まれていると、蚊はよってこないようだ。快適。本当に静かなよるだ。さっきまで道を囲んで果物や野菜や麺やらを売っていた人たち、それを囲んでいた人たちは、どこかに散っていった。

僕は寝よう、と思い目を閉じた。さすがにこんなところに人がいるなんて、だれも気付きはしないだろう。
でも、もし。。。とも考えた。
もし、さっき道路を歩いていた二人組の警官が僕を発見したらどうなるだろう?
でも、まあ、大したことにはならないだろう。きっと。
そう考えると楽だ。
こうして全ての保身を捨て、僕は夜空が美しいことに気付いた。
警官に見つかったら、流れ星を見ていたって言おう。
僕は願い事を考えていた。そうしたら、流れ星が左上から右下にさーっと通った。

・・・寝れない。
さっきから痩せたねこがこっちを見ている。国籍によって、猫のしぐさと言うものは本当に違う。ねこだけが気になるだけではない。
たまに通る電動自転車に警戒してしまう。
何より、結局、蚊が僕の周りに大量発生している。

ブーン、ブーンと飛び回っている。
僕は気合で寝た。蚊だろうが、吸血鬼だろうが、献血だろうが、くれてやる!と思えば、寝れた。
しかしそれもせいぜい80分ぐらいで、気づけば手足と顔まで蚊の刺された後でぷくぷくができていた。

そうして、僕はこの駐車場を去った。

始発まであと、一時間、どうして時間をつぶそうか。。。
僕は端から幕張新都心を見ていることにした。
ぼちゃん、とたまに魚が跳ねる。

カエルが鳴きだし、鶏が鳴きだし、そらが明るくなり、朝が来た。
始発の時間が近づくと、駅の周りに電車の利用客が一人、二人と集まってきた。
そして始発の5分前になって、屋台の夫婦がやってきた。
夫婦は見事な連携と手さばきで、米粉のクレープにソーセージやもちやみじんぎりのぐや卵をねりこんだ食べ物を作った。一人が買った。もう一人が買った。僕はあまり持ち合わせが無く、電車賃が不安だったので買えず、コンプレックスを感じた。

こうして体中蚊に食われたわけだが、夫婦の技を見れたことをよしとして、空港に向かったのである。