いつも、ありがとうございます。
アパレルに特化した人財会社インター・ベルの山口です。
『歩留まり率』って、しってますか??
SPA事業の在庫消化回転効率を見る重要な指標が歩留まり率だが、それを左右するのは在庫運用精度もともかく、計画MDの精度と価格政策が問われるところ。
歩留まり率とは、当初設定価格総額に対する実現した売価総額の比率を指すもので、75%が健全不健全の分かれ目となる。
歩留まり率75%とは定価で半分売れて残りを平均して半額で処分出来た数字だから、決して高い水準とは言えない。
しかし、52週の品番別コントロールを徹底しているユニクロでもこの水準をかろうじてクリアするに留まり、大半の大手SPAチェーンは60%台に留まるから、定価で買っているお客は半分以下というのが実情。
70%を切るとプロパー店だけでは処分しきれないから、アウトレット店が増殖する事になる。
歩留まり率を高めるべく各社は52週のMDコントロールに四苦八苦しており、品番別に細かく在庫を振り回したりQR比率を高めたりしているが、毎週の会議が長引くだけで、せいぜい売上が数%伸びるに留まり、ユニクロのように品番別のキックオフを機敏に仕掛けるのでもない限り肝心の歩留まり率は大きくは動かせない。
52週MD対応を否定する訳ではないが、歩留まり率を左右する最大の要素は計画MDの精度と価格政策である事を忘れてはならない。
計画MDの精度の低さを毎週の運用で穴埋めするのは本末転倒で成果も限られるし、値頃感を外した価格ではどう緻密に運用しても歩留まり率は低位に留まってしまう。
毎週、じたばた会議していると仕事をしている気にはなるが、それが本質的な成果に繋がるとは限らない。
忙しさに紛れて本質を見失ってはいまいか、、、難しいところです。