アパレルコンサル  -SPAを考える 前編- | ファッション業界転職 販売職専門人材会社インター・ビュー

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山口 芳明 の奮闘記

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イトーヨーカドーの新開発PB「good day」は、企画・開発から生産管理まで貫徹する同社初の本格的SPAと鳴り物入りで打ち上げているが、

デザインチームが外注だったりトレンド対応のQRを謳ったりと矛盾が多く、どんなビジネスモデルなのかさっぱり解らない。

商品を見ても大手商社標準仕様の味もキャラも鮮度もない代物で、ヨーカドー顧客の好みもまったく反映されておらず、本格的SPAであるか否かの以前にPBでさえない。

では、『本格的SPA』とはいったいどんなものを言うのだろうか。

イトーヨーカドー首脳の頭にあるのは「ユニクロ」的な自社企画・自社開発・自社生産管理・自社ブランディング・自社在庫運用・自社販売の垂直統合型SPAなのだろうが、果たして「good day」はそのどこまでを貫徹出来るのか。


建前はともかく現実は遠く、コンプレックス剥き出しの「ユニクロ症候群」に終わるのではないか。

究極のSPAは品質とブランディングを完璧にコントロール出来るものとすれば、前述の自社○○の羅列に「自社工場生産」まで加えるべきで、一品一品に製造番号を打刻して絶対単品管理を徹底すべきである。


現実に「ルイ・ヴィトン」や「エルメス」の革製品は、自社工場生産で絶対単品管理が貫徹されているし(LVでもアパレル、HSでも陶器や時計などは外部工場生産だが)、家電や自動車はOEM調達でも製造番号を刻印して絶対単品管理を徹底している。

アパレルでは「ユニクロ」と言えども一品一品に製造番号を刻印する絶対単品管理までは行っておらず、ミスは許容範囲と見て品番管理までに留め、完璧な品質管理とブランディングは元より放棄している。


アパレルで絶対単品管理が必要かどうかは議論のあるところだが、ブランドジュエリーなどでは常識とされている。