8月の日経MJの第一面に掲載されていた『渋谷109復活へ挑む』という特集。
読まれた方も多いと思うが、、、
売上低下の要因はファストファッションに包囲されたからという一般論に留まり、今秋の改装の切り口を解説するくだりも新規テナントの特徴を羅列するだけで説得力を欠いていた。
その点では8月16日付け繊研新聞二面の『新たな切り口で活性化・・・渋谷109秋の改装』という小さな記事のほうが『ブロガー、エンターティメント、女子会など、新たな切り口を設けながらファッションに留まらない提案で活性化を狙う』と遥かに要点を突いていた。
どちらも触れていなかったのが、WEB発だったり、WEBでブロガーや読モが発信するブランドの急増だ。
スマホユーザーが急増するF1市場では、WEB軸のブランディング・コミュニケーションがリアル店舗の発信力を逆転する勢いで、顧客とのコミュニケーションでも商品提案のスピードでもリアル店舗を遥かに凌駕している。
ウェブ・コミュニケーションが新たな顧客を創造しMD展開のスピードを一新して行く様は目を見張るばかりだ。
そんな中から登場したのがジャパンイマジネーションの「アンクルージュ」や「ガルラ」、マークスタイラーの「アングリッド」や「ジェイダ」なのだろう。
そのブランディングとMD展開のスピード感はリアル店舗とは桁違いなのではないか。
ブログ発信やコメントへのレスポンスなど、ブロガーや読モが個人ベースでやりくりしていると思うかも知れないが、今や組織がサポートしてスピーディなコミュニケーション体制をとるのが常識だ。
タレント事務所などではブログの書けない娘は人気が伸びないと言われるぐらい個人のキャラや作文力が問われるのも事実だが、ブランディングの軸とするには組織的サポートが欠かせない。
ブログやツイッター、SNSは個人技で経費いらずと勘違いしている経営者もまだ多いようだが、大枚を投じて組織立ってやらないと実務的効果は望めない。
109の再生はブロガーや読モをフィーチャーした新世代WEB発信ブランド群の大量投入によってリアル店舗の枠を超えた集客と超高速MD展開を実現するのが最も効果的かつ現実的と思うが、如何だろうか。