アパレルコンサル  -有楽町は再浮上できるのだろうか!?- | ファッション業界転職 販売職専門人材会社インター・ビュー

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山口 芳明 の奮闘記

昨年12月25日をもって閉店した西武百貨店有楽町店の跡にルミネが10月下旬に開業し、お隣の阪急阪神百貨店も10月15日に「阪急メンズトーキョー」に衣替えして開業する。

西武百貨店の撤退で地盤沈下が危ぶまれた有楽町商圏だが、有楽町マリオンの両館が新たな商業施設に生まれ変われば浮上が期待されよう。
有楽町地区は84年開業のマリオンとプランタン銀座に加え、07年9月にマロニエゲート、10月に有楽町イトシア(有楽町マルイ)が開業して銀座とツイン商業地区を形成したが有楽町マルイを除けば勢いを欠き、10年末の西武百貨店撤退で地盤沈下が危ぶまれるに至った。

ルミネが開業すれば有楽町マルイと相乗してOL層を引きつけ、「阪急メンズトーキョー」も新たな顧客を誘引すると期待されるが、有楽町はどんな性格の商業地区になるのだろうか。

おそらく量販化する銀座というより洗練された商業開発が進む丸の内と繋がり、新宿とは異なるハイセンスなファッションエリアを形成するのではないか。

もともと東京都心商業地区は上野、日本橋、銀座・有楽町と繋がる海側の京浜東北ストリーム、池袋、新宿、渋谷と繋がる山側の埼京ストリームの二系統から成り、その二つが合流する大宮と横浜が発展するとともに海側の京浜東北ストリームから山側の埼京ストリームへと繁栄が移動して来たという歴史的経緯がある。

その移動が関東大震災を契機に始まって戦後の郊外発展とともに加速したという歴史を振り返れば、多少の再開発で京浜東北ストリームの衰退が止まるとは到底思えない。

ルミネと「阪急メンズトーキョー」が開業して丸の内と繋がるファッションエリアが成立しても、京浜東北ストリームの後背商圏を考えれば有楽町が新宿になれるわけではない。
発展が続く東京西部を後背商圏に成立する新宿とは異なり、衰退する京浜東北ストリームの枠を超えて広く日本全国、さらにアジアの富裕層を惹き付けるファッションエリアを目指して欲しい。

そんな期待を持って10月の開業を待ち望んでいる。