日本がどんどん貧乏になり衣料品も酷い安物が横行する中、感性の退化に抵抗するようにセレクトショップが何度目かのブームを迎えているが、セレクトショップの品揃えの魅力とは何なのだろうか。。。
クラシック系やストリート系、フレンチ系やOLフェミニンモード系など、様々なセレクトショップを比較してみると、その本質が見えて来る。
セレクトショップの品揃えの魅力は、濃い味で小粒な(MD展開で薄められていない)セレクト商品とやや薄味なオリジナル商品の濃淡大小の妙に尽きる。
オリジナル商品がセレクト商品並みに濃い味だと宝探し的楽しさはあるがコーディネイトがコテコテになり過ぎる(関西ローカルのセレクトショップはそれが魅力)反面、オリジナル商品が薄味過ぎるとコーディネイトがSPAっぽくさっぱりし過ぎてつまらなくなる(関東の大手小売系セレクトショップに顕著)。
また、オリジナルのMDがセレクト商品並みに小粒だと、ごちゃごちゃしてセレクト商品が埋没してしまうしMDのスケール感も欠く反面、オリジナルを大きくMD展開し過ぎるとユニクロやGAPにセレクト商品を鏤めたように見えかねない。
ビームス系は、デミルクスを除いて如何にも小売系セレクトらしく両者の濃淡大小に差がなく、ごちゃごちゃとしたおもちゃ箱のような楽しさがある。
ベイクルーズ系は如何にもメーカー系らしくオリジナルが濃い味でMDも大きく、セレクト商品が埋没して見える業態もある。
トゥモロー系は同じメーカー系でも濃淡大小のバランスが絶妙で、セレクトもオリジナルも活き活きして見える。
ユナイテッドアローズ系はオリジナル商品がやや薄味かつ小粒だが比率が高く、濃い味で小粒なセレクト商品が埋没して見える業態もある。
オリジナルMDが大き過ぎるSPAっぽい店頭はつまらないし、大小の差がないMDではセレクト商品が埋没してしまう。
オリジナル商品はセレクト商品よりやや薄味でも多少はMD展開して大小の差を付け、かつセレクト商品が埋没しない程度の比率に抑え、濃淡大小の妙を訴求してこそセレクトショップの楽しさが出るのではないか。