2014年11月に見たライブ | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

2014年11月、見に行ったライブは少なめ10本。

上旬は仕事が忙しく、中旬以降は知人の出るショー見に行ったり飲み会だったりで、音楽漬けになれず。ああ残念。

    風    風    風

そんな寒風吹き始めたこの季節に、蘭華と野佐怜奈をそれぞれ2度ずつ見れたのは、今月の何よりの至福。ほこほこ。蘭華のライブは数少ないからねー。

特に1日に開かれた待望の鎌倉歐林洞ワンマンは、長き雌伏のときを過ごし、人生の重大な転機を迎えたこの女性シンガーソングライターの集大成といえる節目のステージ。これを見届けずば最早ファンとは言えない、そんな心持だ。詳しくは別稿で。


その蘭華を除いても、この月に見たのはほぼ全てワンマン。愛留、大黒美和子、荒牧リョウ、小玉しのぶ。何年も前から見てきた実力あるアーティストたちの、全力の単独公演ばかり。様々な生き様を背負って今、ここで歌っている彼女たちの姿にはやはり感じるものがまざまざあったな。


ILU GRACEの愛留は、本名で力任せに歌っていた学生時代から知っているだけに、今のブラックでソウルフルな見事な歌唱は隔世の感あり。そして一度聞いたらそのインパクトにやられるよ。歌声だけ聴いてたら、絶対黒人としか思えない。

この日は自らソウルシンガーで、彼女の師匠であるClyde Williams jr.も参戦。二人のデュエットはもはやホイットニー・ヒューストンのデュエットの世界。ILU GRACEも世界を狙って欲しいグループだよね。ただ愛留がまだ幼い!(笑)もっと色々と研ぎ澄まして、迫力と格好良さを兼ね備えて世界へ巣立って欲しいな。



大黒美和子はデビュー15周年。最初の10年はプロの演歌歌手として、テレビの演歌番組にも多数出演し、全国コンサートツアーで忙しかったメジャー経験豊富な歌い手だ。

ただ10年を節目に演歌歌手を辞めた。彼女の中で何があったのだろうか。幼き頃からこの道一筋で、著名な作詞家先生の家に住み込みで修行を積み、デビューしたのだ。苦労を重ねて積み上げた演歌歌手としての名を、自ら捨てる決断はどれほど重かったことだろうか。計り知れない強い意志が働いたに違いない。

5年前、インディーズのシンガーソングライターとして、新たな歩みを始めた。多分、歌手としてその本名で立った初のステージは表参道FAB(現GROUND)。これも運命か、そのライブを僕はたまたま目撃した。

「シンガーソングライターとしては全く新人です」と自己紹介した彼女。その時点で経緯を知らず、ぼーっと聞き始めたら歌があまりに上手いので驚嘆したことを思い出す。しかも楽曲は全て彼女の自作。フォークっぽい曲を全くこぶしを回さず歌い上げていた。

それでも10年間演歌で培った抜群の歌唱力と表現力、MC力はそこらのインディーズ歌手は遠く及ばぬプロの域。すごい歌手が現れたと驚いものだ。

あれから既に5年。現在の彼女が歌うバラードは、本当に泣ける。その情念の世界はお金を出しても聞きたいと思わせる。本当の歌手なのだ。


     地球     地球     地球    


ふう、なんか熱くなってしまった。はじめの一歩を読みながら書いたからな(笑)

じゃあ話変えて今月5日の恒例のバーレスクイベントについて。
この日はアメリカから大物が参戦し、多数のファンで大盛況だった。

その大物とはCoco Lectric。

本場アメリカですでスーパースター。その王道のバーレスクは多くのダンサーのお手本とさえなっているし、ピンナップ的にもアイコンだ。バーレスクがバーレスクたるゆえんはティーズ(じらし)の技にあるが、脱ぎやボア使い、タッセル回しなど彼女のショウは、その一つひとつの技が格好良くて歓声をあげずには見られない。この日も凄かったよー。

ピンナップスターに憧れる連れも大興奮。物販でLectricグッズを買い捲り、テンションもハイに。

いや彼女に限った話ではない。バーレスクのイベントは男よりも女性客が多いのが日本の現状なのだが、会場の6割以上を占めた女性客たちの声援も華やかな限り。日本で活躍する一線のバーレスクダンサーたちも多数、彼女を見にきてたね。



さあて、それでは11月に見たライブをおさらいだ。

      音譜         音譜          音譜

1日(土) 蘭華ワンマン「鎌倉笹りんどうと秋の空~アジアの香りコンサート~vol.3」 @鎌倉 歐林洞ギャラリーサロン

5日(水)MIDWEEK BURLESQUE vol.16 - Glittering Leaf Peeping-@渋谷 7th floor
Miwa Rock、Violet Eva (紫ベビードール)【Special Guest Performers】Coco Lectric (from TX, USA)、Nikita Bitch Project (from LA, USA)、Beehives Gogo

13日(木)ILU GRACE NEW ALBUM『UNREALITY』Release Party!!(全国リリース記念)
@代官山LOOP
Special Guest:Clyde Williams jr.
Guest Dancer:S.B.W.W.

15日(土)大黒美和子ワンマン 15th ANNIVERSARY LIVE~三つの名前を持つ女~@六本木Claps

17日(月)荒牧リョウ 『voice of SOUL』活動10周年記念3スタイルワンマンライブ@下北沢Mosaic

19日(水)野佐怜奈とブルーヴァレンタインズ レコ発インストア@渋谷HMV

21日(金)ピンクデビルvol.3 @江古田倶楽部
菊池ともか、CHIHANA

23日(日)野佐怜奈とブルーヴァレンタインズ レコ発ライブ@新宿dues
(Disk Unionロック館 1日店長後)

27日(木)小玉しのぶ ワンマン@代官山Nomad

29日(土)蘭華 建長寺法堂ライブ@鎌倉


      音譜         音譜          音譜


今月見たワンマンで、もう一人特筆すべきは荒牧リョウだ。

彼女の抱える心のマグマの大きさも計り知れない。詳しくは過去のこのブログに書いているので割愛するが、活動10周年の節目のライブはやはり聞き漏らすことのできぬイベントだった。

音楽の道を一度は絶たれた彼女が、どれだけ不屈の思いでカムバックしてきたか。活動休止前に心からやりたがっていたバンドスタイルをどう阻害され、自らの歌手名を奪われたか、復帰からどれだけ精力を傾けて実現してきたか。その過程をずっと見てきただけに、10周年にたどり着けただけでも凄いことだと思う。

そして17日にこぎつけた「3スタイル」と銘打ったワンマンライブ。ソロのシンガーソングライター、明るいポップなアコースティック「ブライトサイド」、ワイルドでロックなバンドスタイル「ダークサイド」という三つの顔をライブごとに使い分けるマルチな直近の活動を全部詰め込んだ。「やりたいことがいっぱいあり過ぎて、全部やっちゃてまーす」とおどけながら、今を生き生きと音楽活動に没頭して輝いている姿。見ていてワクワクしたよ。



野佐怜奈については、いつも書いているので省略(笑)



数は少なかったが、今月は本当にいいワンマンが多くて、楽しかったな。