2014年8月に見たライブ | 音楽偏遊

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最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

暑い!晴れ晴れ晴れ晴れ晴れ

そう夏はこうでないと、いけない。

たをやめオルケスタが、猛暑の新宿で紺碧レジーナの衣装でゲリラ路上をしてるというのに、へばってる場合ではない。

いや、彼女たちだってへばってる。そりゃあ、真夏のギラギラ太陽の下で晴れ野外ステージですよ。錦糸町やら浦安?やらで隊列そろえて、買い物途中のおばさんたちにだって愛想振りまき、お子さんを喜ばせ、付いて回るおっさんをいじり倒し。女将も大汗ものでしょう。

でも、彼女たちには新しく出したアルバムの楽曲を、ぜひ多くの人に聞いてもらいたいという野望がある。お客さんが一緒にのってくれることが最高の報酬なのだ。何より彼女たち自身が、仲間と音楽をやれることで喜びにあふれている。

彼女たちは、女18人のビッグバンド「たをやめオルケスタ」を、部活のように楽しんでいる。みんな社会人だったり、アルバイト生活だったり、音楽の先生だったりとバラバラ。だけどたをやめのためなら何か犠牲にしても結集する。ライブやっている時の彼女たちの顔といったら、楽しくて仕方ないって感じ。

うらやましいぞ!たをやメイツ!大人になっても、こうやって楽しめることを持っている、仲間がいるって素晴らしいぞ。

それに、ビッグバンドってのがまたいいね~。

サクソフォーン5人、トロンボーン4人、トランペット4人、キーボード、ベース、ドラム、パーカッションにボーカル。計18人。その音圧のすごさといったら、もう体中に音がびんびん染み渡り、その快感が嬉しくてにやけ顔が止まらんですよ。あー、カイカンっ!!

たをやめオルケスタ、これは見るべし!OLさん、あなたの気持ちを痛いほど分かってくれる歌を歌ってます。失恋して落ち込んでる?それなら間違いなく元気をくれます。3分の2くらいはボーカル曲だから、インストはちょっとという人も問題なし。ブラバンやオケ経験者なら、一度手放した楽器をまたやりたくなること必定。たをやめオルケスタは、悩めるもののレッドブルだ!


   トランペット    makovv    トランペット


そんなこんなで8月。休みやら何やらあってライブはあまり行けなかったなあ。

そんな暑い8月に一番多く見たアーティストは………なんと、大森靖子だー!!

我ながらびっくり。毎月、何人かのアーティストを3回ずつぐらい見ているのだが、今月はいつも見ているアーティストが遠征ツアーに出てたり、僕が夏休みだったりで、ほかに3回以上見たアーティストがいなかったのだね。

よく見ているといのは、斉藤麻里や荒牧リョウ、坂本麗衣、ヒグチアイ、その他の面々のことですが。最近、確かにあまり行ってないなあ。

一方で大森靖子やアカシック、Oh!Sharelsといった、一癖もふた癖もある濃いアーティストたちにはまる今日この頃。それだけ心を掴まれる音楽を聞かせてくれるということ。麻薬度が高いんだよねー^^


取り敢えず、8月に見たライブはこんな感じだ!


     音譜     音譜     音譜

1日(金)ハリネコ 1st Full Album「roOt.」release ParTyYY!!@渋谷 O-nest
白波多カミン+ハジメタル(exミドリ)、来来来チームにマモル(nhhmbase)と畠山健嗣(H mountains)、大森靖子&THEピンクトカレフ、ハリネコ

2日(土)郁彩、riry mona ツーマン 「Open sesame!」@渋谷gee-ge

3日(日)菅田紗江ワンマン「僕の私の好きなもの紹介します。~「売名行為2」解放ワンマンライブ!!~」 @代官山ノマド

10日(日)小田聡美ワンマン @飯田橋Glee

11日(月)「ココロという反響する空洞のカーニバル」@渋谷CLUB QUATTRO
Avaivartika、GLASSTOP、IN THE MILK!、空~SORA~、西中葵、WORKS

12日(火)満月と夜たち6日目「さよならの正体」@月見る君想フ
大森靖子、小谷美紗子

13日(水)MIDWEEK BURLESQUE vol.13 –Southbound excursion-@渋谷7th floor
Bee TinyTot、Maria Luna、愛(ファイ from BuriCama)、Gilbert de Moccos (紫ベビードール)、Violet Eva (紫ベビードール)

14日(木)Sherry...presents 風船唐綿の実Vol.14~静夏Birthday Fes' 14~ @渋谷eggman
anco band、WBCバンド、 HoneyBee DISCO BAND、アカシック、タキザワユキヒト、Sherry...

17日(日)川口千里 2ndアルバム「Buena Vista」発売記念ツアー@目黒 Blues Alley
川口千里バンド guest: 八神純子

22日(金)@渋谷O-WEST
大森靖子とピンクトカレフ、真空ホロウ、LUNKHEAD

27日(水)Shinjuku ReNY Pre-Open Special Show-Time「JUICY BROADWAY」@新宿 ReNY
野佐怜奈とブルーヴァレンタインズ、美和ロック、Oh!Sharels、Juicy Circus、MR&B、STYLE PAINTS

28日(木)Tiny Sun @西新宿navicafe

29日(金)いつかワンマン @原宿ラドンナ


     音譜     音譜     音譜

毎日のように見ていたと思ったら、ぷつっと1週間見てなかったりと、まあいつ夏休みとっていたのか推測しやすいライブ観戦スケジュールですね(笑)

で、大森靖子だが、彼女の凄さはまたいつか書く。一言で言えば、天才!その攻撃性も、ぶっとび具合も、すべてが彼女の無意識のバランス感覚と芸術性により、その他大勢のぶっとびアーティスト達と完全に一線を画す。説得力も凄みもあるよ~。

アカシックの理姫ちゃんも、目の離せない存在。そのセンスはファンを選ぶかもしれないけど、パワフルなステージは楽しいぜ。



そんな、激暑なアーティストのパフォーマンスと比べてみても、見劣りしないどころかより峻烈なのが菅田紗江だ。

今月一番印象に残ったライブこそ、3日に見た菅田紗江ワンマンだったのだ。

ギター一本引っさげて、そりゃあ素朴なフォークスタイル。それなのにその音楽の厳しさ、歌詞の攻撃性、緊張感ある目力、太く響く声、圧倒的な歌唱力。ちっちゃいけど、その存在感の大きさといったら。

音符広がる空に夢をばらまいて
何もしてくれないと
何もしていないその口がいう
情けないとばかりに空は晴れるおんぷ。(青天白日)

突きつけられる槍先の鋭さに、思わずひるんでしまう。だらしなく怠惰に生きている自分の姿勢を恥ずかしく思わずにいられないほど。

代官山ノマドという箱は、彼女の実力に比べたら小さすぎる箱だ。ただここが彼女のホームであることを知らないファンはいない。彼女の厳しすぎる歌にも熱い声援をおくり、一体感あるライブ空間がかもし出される。

彼女の歌に緩みがないから、緊張の糸も途切れない。

記憶に訴えかける忘れられないフレーズたち。

一度聞いたら、また聞きたくなる。珠玉のライブがそこにある。


     波     波     波

今月はほかにも、個人的に思い出に残ったライブが。

川口千里のBuena Vista発売記念ツアー@目黒Blues Alleyだ。


かわぐち・せんり……… えっ、知らないの?


シンガーソングライターを中心に書いているブログだから
シンガーソングライターかと思うでしょ。

違うんだなー。

彼女は天才女子高生ドラマー。

しかもジャズ、というよりフュージョンの世界を代表するドラマーだ。その演奏を見ていると、体ががーっと熱くなり、鳥肌がたつ。凄いプレーヤーなのだ!!


まあ知らない人が多いのも致し方ない。でも知らなきゃ損する世界的ミュージシャンの一人。若干18歳ながら、その実力は折り紙つき。きゃしゃで小柄な体ながら、物凄い超絶技巧かつパワフルなドラムを叩くのだ。一度は見なきゃ。

まずはチェック You Tube!https://youtu.be/_NZImxGQEFY
あるいはこんなものも入門編として。



彼女の育ったジャンルはフュージョン。フュージョンって変態じゃないですか、リズムが(笑)エイトビートとか4拍子とか、そういう単純な世界じゃない。8分の7拍子で始まり、そこから16分の15拍子に転じるとか気が狂いそうな変拍子の嵐。客が手拍子を一緒にたたけるような曲はあまり、というかほとんどない。

一体どんなリズム感覚を持っているのか凡人には想像もつかない脅威のティーンミュージシャン。話すと普通の素朴でかわいい女子高生(2015年4月から大学生)なのだけどね(笑)

17日はロサンジェルスで収録したメジャー第2弾アルバム「Buena Vista」の発売ツアー東京編。ブルースアレイが満員御礼で立ち見も沢山。客はほぼ全員、千里ちゃんより年上だが、そんなおじさんお姉さんたちの大声援に包まれて、2時間余りのライブを飽きさせるどころか鳥肌を立たせまくりながら叩ききった。あの華奢な体のどこにそれほどのパワーが。すばらしかった。


     波     波     波

この他にも特筆すべきステージを見せてくれた「郁彩」や、大人の雰囲気のなか美声と素晴らしい歌唱力でムードを作り上げた「いつか」のワンマンも素敵だった。

そしてsherry静夏ちゃん、誕生日おめでとう!たくさんの仲間たちに囲まれて、出ずっぱりでコーラスに歌、キーボード、そのほか大活躍で目立ちまくった静夏を見ていると、本当に楽しい気分になる。アカシックのサポートは卒業し、Lady The Bitchは解散してしまったけど、sherryは応援し続けたいバンドだね。がんばれ!