自分の病気が分かったその日、午後の仕事に間に合うよう病院から出勤し
仕事が一区切りついたところで、直属の上司と管理職にお時間をいただいた。
上司や管理職の前では、数時間前に医師から聞いた病気のこと、治療のこと
気を付けていくべきことなどを、我がことながら冷静に伝えていたように思う。
そして最後に、週末から1週間程度の入院治療が必要なこと
その後は通院治療になるので働きながら治療ができそうなこと
自分自身は治療の間も可能な限り働き続けたいことを伝えた。
きっと上司も管理職も、そうそうあるケースではないので戸惑い
どう対応すべきか悩まれたと思う。
しかし、当の私は
「だって、今日お医者さんがそう言ってたもん!」
「治療しながら働けるって言ってたもん!!」
と心の中で、やけに強気にそう呟いていた。
組織としてのリスクマネジメントの観点からも、まとまった休みをとって
まずは治療に専念するようにと勧めることもできたと思う。
それでも、いくつかの質問をされた後
仕事をすることが、私自身が治療をしていくことへの力や張りになるのならと
私の意向を最大限汲んでくださり
とりあえず仕事をしながら治療を進めていく方針を認めてくださった。
このように決断してくださったこと、当時も今も本当に感謝している。
(私の場合はですよ)
当時、自分が何らかの病気の疑いがあることや病気の診断のため検査を受け続けていること
(結果として、がんだったのだが)を、私は職場の最低限の人にしか伝えていなかった。
そのため告知を受け、入院治療に入る時も、職場の同僚には
「ちょっと家庭の事情で1週間ほどお休みをいただきま〜す」
と軽い感じで伝えただけであった。
そして、私の目算では、1週間ほどの入院が無事に過ぎれば
体調管理には気を付けていくものの、以前と変わらぬよう仕事ができるものと思っていた。
しかし、しかしである。
私のこのお気楽な見通しの甘さにより、1週間ではなく
1ヶ月半近くも何も告げずに職場からドロンしてしまうことになったのであった…
(つづく)