いつものように青い空。
少しだけ夏に近づいているのか、
風がぬるい。
見慣れた住宅地の景色をただただ歩く。


「ねぇ見た?あのニュース…」
「見た見た。こわいわよね…」
「あの大麻の突然変異でしょ…」

公園では、おばさまたちの井戸端会議。
ニコニコしながらお互いの腹を探り合う。

私に気づいたのか、笑顔を向けてきた。
そしたらすぐにひそひそ話。
きっといつも通り私の陰口。
私がよく思われていないことは知っている。
どうしてなのかは知らないけども。


前からくる自転車は若い男女の二人組。
高校生くらいだろうか。
「青春だなー」なんて思っている私も、
数年前はこんな感じだったんだよな。
コンビニの袋を片手にそんなことを考える。

顔を上げると同い年のアパートの解体中。


あれ?


数年前はあんなに
夢を描いていたはずなのに。
知らぬ間に年をとって、
その頃の私は何処か遠くに
消えてしまっていた。

少し切ない心を肩にのせ、
家への帰り道を歩く。