最近は特になにもない。稽古だってバイトだってあるが、特になにもない。強いて言うならほんの少し、ほんの少しだけ、なんでお芝居をしているのか、考えてしまう時があるくらいだ。観劇をする。観劇をする。観劇を、する。自分の理想とするお芝居には出会えない。そんなのわかりきっていて、簡単に出会えやしないのもわかっているつもりだ。会話がない。そういえば、相変わらず友達が少ない。会話もない。

バス停で僕の後に並んで待って佇んでいた女の子。中学の同級生だ。目つきが悪くなったなぁ、と。それだけ。残暑。残暑の中。雰囲気があの頃とは違った。蜃気楼だろうか。まさか。ここは砂漠なんかじゃない。僕が追い求める理想は、蜃気楼だろうか。まさか。ここは砂漠なんかじゃない。根拠はない。根拠もなしに砂漠なんかじゃないと信じている。きっとそんなもんだ。残暑。残暑の中。こうはなりたくないと思ってしまった。別に同級生を悪く言いたいわけじゃない。諦めが悪くても。イサギがよくなくても。僕の真ん中はいつまでも僕のままで。それだけ。でも、相変わらずその子は綺麗だった。ただ、目つきが悪かった。

彼女の季節はもう夏をとうに通り越しているのだろう。残暑。残暑の中で。僕はまだ、夏。根拠もなしに信じている。