どうも。ぽてとです。いつも私の駄文を読んでいただきお世話になっております。
あの〰、ネットに載せておいてなんだと思われると思うんですけど、これ、読まれます?………ほんとに……?
なんだか変な感じになってしまいまして…………。ぽてとは、軽いのを思いついたんで書き始めたんです。流れはこんなもんかなってイメージだけで。でも、キャラのみなさんが実際にセリフとして話すと、なんか違う感じになってきて……………。そしてさらに違う話になった。書き直そうとしても、もうダメで。
しかも、突っこみどころが満載で。まあ、そこはいつものことですけど……………
しかもまたお得意の「後編の前編」!!
ほんとにお読みになりますか…………?
え〰……………大丈夫かな……………
え〰〰…………………………
え〰…………………
ええっ((((;゜Д゜)))本当に……………!?
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自宅に帰った俺は込み上げる怒りそのままに、持っていた荷物を荒々しく廊下へ放った。
そのまま自室に入り、ノートパソコンを開きネットを立ち上げる。
『ごめん、蓮、ごめんな………。お前の気持ちを知りながら…俺が………俺がキョーコちゃんのことを…………………………』
あの、ため息と共に吐き出された社マネージャーのつぶやき。とても辛そうな、罪を懺悔するような、声音。
間違いない、社マネージャーも吉野マネージャーと同じ穴の狢(むじな)ってことだ。担当俳優の片想いを応援していたくせに、応援してやると言っていたくせに裏切った。『女』として花開いていく架純ちゃんや京子のことを、いけないことだとわかりつつも、俺達を傷つける行為だと知りながらも愛してしまったんだ。しかも正々堂々と公言してからならともかくも、マネージャーとしての立場を悪用し、担当俳優には卑怯にも隠して彼女らと関係を深めていくなんて。
許せない。許してなるものか。
俺は吉野マネージャーにはしてやられたけれど、社マネージャーまで思い通りにはさせたくない。でも、じゃあどうするんだってことになる。罪を弾劾するための証拠は何一つ無い。きっと、敦賀蓮に俺の考えをぶちまけたところで、『失恋したての可哀想な男の戯れ言』だと一蹴される可能性が高い。なにせ、敦賀蓮は社マネージャーを信用しているんだから。以前は俺だってそうだったし。そうなると、やっぱり『動かぬ証拠』が必要だ。
その思考の結果、今に至る。
立ち上げたネットの画面にキーボードで言葉を打ち込む。
『盗聴器』
これしか………ない。
敦賀蓮に、社マネージャーの人間性を、略奪愛の魂胆を知ってもらうためには、これしか……………ない!!
証拠を、証拠を録るんだ……………!!!
ノーパソの画面では盗聴器を検索しながら、スマホでは友人に連絡する。高校時代の友人に、一人探偵をしている奴がいた。依頼内容はこうだ。『仕事のあとの夜、社マネージャーと京子が、二人きりで自宅以外に向かいそうな時は連絡を入れてほしい。』と。京子は未成年だ。架純ちゃんもそうだったが、仕事が遅くなることもあるとはいえ、ある程度配慮されて上がるはず。そうなると、社マネージャーと京子の二人きりの時間は、夜の可能性が高い。友人は、俺の鬼気迫る語気に押されたのか二つ返事で了承してくれたが、「犯罪行為はだめだぞ。」とそれだけは釘を刺してくれた。一応礼を言って、あとは連絡をひたすら待つことになった。
実は俺には、吉野マネージャーが担当を外れたあと緊急避難的に他のマネージャーが宛がわれた。もちろん掛け持ちだ。だから、以前よりも自分一人で行動することが多かった。それが俺には好都合だった。
ネットで注文した盗聴器。翌々日には手元に届いたそれを、俺は鞄の中に常に忍ばせて、来る決戦の時を待った。
そしてその日は、唐突にやって来た。
友人に依頼して2週間後の夜8時。二人の車が、芸能人御用達のダイニングの駐車場に停まったと連絡が入ったのだ。
それが信じられないことに、俺はその店の店内にいた。いまだに燻るイライラを、酒で晴らそうとしていたからだ。その店は半分以上が個室になっていて、しかも壁が厚いため、普通に話すくらいの声なら廊下にも漏れないのだ。だから芸能人には人気が高かった。
今しかない!そう思った俺は、トイレに行く振りをしながら、店の出入口付近に顔を出す。そこには、社マネージャーと京子がいた。逸る気持ちを抑えて、二人とすれ違い様、社マネージャーの後ろからついていく京子の鞄の中に、指紋をしっかりと拭き取って、音を遮断しないように籠型の可愛らしいケースにいれた、小さな小さな盗聴器を入れた。
心臓がバクバクして苦しくて。やってしまったという気持ち半分、これで社マネージャーの尻尾をつかめるかもしれないという期待が半分で。
俺はそのまま本当に手洗いに寄り、個室に戻った。
日本酒をなめるように呑み、震える手で盗聴器からの音を拾うため受信機の電源を入れる。はじめは雑音だらけだったが、いきなり音がクリアになり、俺の緊張が一気に高まる。
『キョーコちゃん、これは?』
『明太子、いいですね。』
『ガッツリくるのも欲しいな〰』
『あ、これなんてどうですか?「あれもこれもカツ」。色んな種類のお肉食べられるみたいですよ。』
二人は仕事のことを中心に話して、普通に美味しく食事をしていた。でも、俺はそれに激しく違和感を覚えた。なぜなら、『敦賀蓮』のことが全く話題にのぼらないからだ。二人にとっての共通項である敦賀蓮。ふとした瞬間に口をついて出そうなのに、これはわざと避けているとしか…………。…もしかして、すでに京子の方も敦賀蓮からの好意を知りながらも社マネージャーに惹かれて……………!?
そう思った時だった。
社マネージャーが口火を切ったのは。
『キョーコちゃん、今日は付き合ってくれてありがとう。』
『あ、………いえ………』
『気づいてるんだろう?俺が君とちゃんと話したがっていることに。』
『…………………………。』
『………ごめん。こんな個室に連れ込んで逃げ道を塞いでおいて、話をしたいなんて後だしして…………。……………でも、お願いだから……………マネージャーである前に、一人の人間として、君達の兄的立場として話をしたい。……………お願い、ね?』
『……………はい。』
京子は観念したように小さな声で答えた。俺はいよいよ始まる背徳行為を聞き漏らすまいと、息をつめて構える。
『正直なところすごく聞きづらいし………今でもこうやって話すことに迷ってる。でもやっぱり俺は聞く義務があると思うんだ。だから、あえて聞くよ。あの日………あの夜、蓮の部屋で何があったの?』
『…………………………っ!!』
『………ごめん、俺が女性マネージャーだったら、キョーコちゃんにこんなに怯えさせる生活をさせることもなかっただろうに。君が話してくれるのを待っていたけど、もう待てないよ。本当のことを教えてほしい。……………君のために。』
なんだ、なんだ?話が予想外の方向に転がりだしたぞ………。
『……………ぃぇ、……………話すようなことは………何も……………』
『何もなかったわけない。あの次の日から、蓮もキョーコちゃんもどこかよそよそしくて。………いや、よそよそしいのはキョーコちゃんだ。蓮は腫れ物に触るみたいにキョーコちゃんを扱って。キョーコちゃんを見る、蓮の寂しそうな目。それになぜか蓮は、個室ではキョーコちゃんと二人きりにならないようにしてる。……………ねぇ、何があったの?』
『…………………………。』
『…………………………ふう。……なら、俺から言うけどね。あの日の翌々日に、キョーコちゃんのメイクさんに言われたよ。キョーコちゃんの彼氏さんに注意しておいてくださいって。……………胸元に、あんなに大量にキスマークをつけるなんて、女優の恋人のすることじゃないって。』
き、キスマークっ?
『でも、メイクさんは何より、キョーコちゃん自身を心配してた……。あまりにもすごいキスマークだから、もういっそのことからかってみようとしたら、キョーコちゃんは赤面するどころか、真っ青になって怯えてるみたいだったって…………………。』
『…………………………。』
『……………蓮………なんだよね?』
『…………………………。』
『蓮、なんでしょ?』
『…………………………。』
『あいつに……………襲われた?』
『……………っ!』
『あいつに無理矢理……………ああっ、くそ……………!!……………ごめん、ごめんね、俺が『違、違う、違うんです!』』
『……何が……?無理矢理ってのが?無理矢理でしょう、無理矢理に決まってる。蓮とキョーコちゃんは恋人同士でもなんでもない。キョーコちゃんが、そんなことを受け入れるわけないじゃないか。本来なら早急に対応しないといけない『対応するようなことにはなってません!敦賀さんは、途中で夢から覚めたんです……!』』
『……………夢…?なんにせよ、少し触られたのとはわけが違う。俺は……………蓮に対してじゃない、自分に対して腹が立ってるんだ!……あんなに酔い潰れて、しかも微熱もあって体調も悪い蓮と、キョーコちゃんを蓮の家に二人きりにして帰宅してしまった。それに体調だけじゃない、蓮はかなり煮詰まってた。キョーコちゃんのことを好きすぎて………!なのに、知ってたのに。蓮の気持ちが限界にきてるって知ってたのに!俺はそんな飢えた狼と君を二人きりにした!そしてそのあとも、キョーコちゃんへ適切なフォローもできなくて………キョーコちゃんが一人で怯えて苦しんでるかもしれないのに、男の俺が言ったらもっと苦しめてしまうかもって、無責任にもあんな危険な蓮と二人きりにした俺のことをキョーコちゃんは恨んでるだろうって及び腰になって………だから、蓮のことを話題に持ち出さないだけで、結局俺はなんにもしなくて……………!!!』
『も、やめてください!…………いいんです、』
『いいわけないよ、いいわけない!!』
『だって、違うんです!敦賀さんは勘違いしただけなんです!』
『勘、違い…?…………なんかそういえばさっき夢………って…。……酔っぱらって、熱出してたから、夢を見たってこと?』
『そう、です。敦賀さん、夢を見ていて、』
『それがなに、だからなんだっていうの。「夢だと思って欲望のままに最上さんを押し倒しました、ごめんね?悪気はないんだ。君のことが好きでたまらないだけなんだよ。」で済むとでも?………なんで………なんでキョーコちゃんは、そんなに自分を卑下するの!君は大切な人間なんだよ?それに蓮は神の寵児でも、天上人でもない!ただの男だ。キョーコちゃんに惚れていっぱいいっぱいになっているだけの、ただの男だよ。だから、蓮のことでそんな我慢して許すことない。それに、悪いのは俺なんだよ、俺なんだ!!』
『違うんです、社さん、誤解してます!全部間違ってます!敦賀さんが夢の中で押し倒したのは、「敦賀さんの好きなキョーコちゃん」なんです!』
『…………………え?……………あ、うん。わかってるよ。だから、キョーコちゃんでしょ?』
『だから、私ではなくて、敦賀さんの好きな女性ってことです。』
『え〰……………あ、うん、だから、最上キョーコちゃん……………君のことでしょ?』
『……………社さん、違いますよ。なぜそんなふうに誤った思い込みをされているのかわかりませんが……………。敦賀さんが好きな方は他にいらっしゃいます。」
「…………………………へ?キョーコちゃんこそ……………そんな思い込み……………」
「………そうですね、敦賀さんのプライベートなことですけど………この際言ってしまいますね………。これを言わないと話が進まないですもんね。………社さんはご存じないみたいですけど、敦賀さんには、私が代マネをした時には既に「キョーコちゃん」と呼んでいる知り合いの女の子がいました。そしてダークムーンのスランプの時に、その子への恋心を自覚したんです。』
俺は二人の話を聞きながら、とてつもなく混乱していた。でも、間違いないことがひとつ。社マネージャーは、吉野マネージャーとは同じ穴の狢ではなかった。あの駐車場での社マネージャーの、『ごめん、蓮、ごめんな………。お前の気持ちを知りながら…俺が………俺がキョーコちゃんのことを…………………………』というセリフはきっと、「俺がキョーコちゃんのことをお前の家に残して一人で帰宅したから、いけなかったんだよな。お前がキョーコちゃんを襲ってしまうような状況を作り出した俺を許してくれ。」ってことだったんだろうな。
そして、俺はいけないことだとは思いながらも、受信機の電源を切らずに二人の話に聞き入ってしまっていた。
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「後編の後編」と、セットということで受け取ってください……………(´;д;`)
万が一、万が一、万が一、コメントをくださる方がみえたら、「後編の後編」を読まれてからまとめてお願いいたします。
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