『店長がバカすぎて』早見 和馬
谷原京子、28歳。吉祥寺の書店契約社員。超多忙なのに薄給。お客様からのクレームは日常茶飯事。店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。人を苛立たせる天才だ。ああ、店長がバカすぎる!毎日「マジで辞めてやる!」と思いながら・・・・これは、コメディータッチな、ミステリー小説です!ミステリーとは思っていなかったので、謎解きしながら読み直しました全く心に刺さらない朝礼での店長の言葉一言一言にダメ出しをする谷原京子さんの心の声が面白すぎるそして、能天気すぎる店長がとてもかわいく憎めません楽しい表現がたくさんあります! 〈武蔵野書店〉で売っている辞書の『朝礼』の項目は、きっと「無意味」という漢字に「ちょうれい」とルビが振ってある。 〈武蔵野書店〉の棚で何年も放置されている辞書に残念ながらまだ『パワハラ』の項目は存在しない。 店長の自宅の辞書に「コンプレックス」という文字は記載されていないのだろう。まだまだ 脳みそがぐにゃんとひっくり返るような感覚に襲われた 全身の血がめらりと揺れたこんな表現は、他の小説ではないです!すごく楽しくミステリー小説を読めますコミックを読んでいる感覚とでも言いましょうか書店員の現実もわかり、本屋を見る目も少し変わりました私的には、谷原京子の父親がやっている神楽坂の料理屋〈美晴〉と集中して読書したいときに立ち寄れる〈イザベル〉という喫茶店の存在がいい味を出しており是非、行ってみたいと思います