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本に恋して❤

本が好き! 
自分が読んだ本を感想とともに残しておきたいと思いブログを始めました。

Bread&Butter

5-2

芦原妃名子

 

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芦原妃名子さん

「Bread&Butter」を読みました^ ^

 

 

    
  • 深田柚季 元小学校教師 34歳
  • 原洋一 文具店&パン屋店主 39歳
  • 高名くん 元漫画家・共同出資者
  • 純ちゃん 洋一くんの元カノ

 

柚季ちゃんとの買い物途中

不動産屋さんに貼り出してある

貸店舗情報を見ている洋一くん

 

柚季ちゃんに

「洋一さん」

と呼ばれ

 

「どうしたの?」

と言う柚季ちゃんに

 

「イヤ…別に」

と洋一くん

 

「あ!」

「新しいパン屋さん」

「オープンしてる」

と柚季ちゃん

 

洋一くんが

「入ってみる?」

「ライバル視察」

と言い

 

柚季ちゃんも

「うん!」

と答えます

 

お店に入り

おいしそうなパンが並んでいる店内を見て

「わーー…」

とうれしそうな柚季ちゃんと

お店の広さや

どんなパンが並んでいるかや

厨房の広さや

機器をチェックする洋一くん

 

いくつかパンを購入しお店を出てきた二人

 

「ヴィエノワズリー系が多かったね」

「おいしそー♡」

と言う柚季ちゃんに

 

ヴィエノワズリー…バター・卵・牛乳・砂糖などを使ったお菓子のようなパン

 

「…さっきの店…」

「厨房狭かったね」

「全体で…8坪弱かな」

と言う洋一くん

 

「え…」

「あ、うん」

 

「ご夫婦二人だけで経営されてるのかな」

「特に『スタッフ募集』の張り紙もなかったし」

「それで、常時あれだけの種類のパンを並べるのは…」

「すごいよね」

と言う柚季ちゃんに

 

「うん」

と答える洋一くん

 

原文具店の奥でパソコンを開き

決算報告書や貸借対照表を手元に置いて

何やら考えている洋一くん

 

そんな洋一くんを見ながら

”洋一さんは”

”最近、何やら考え込んでいる”

と柚季ちゃん

 

洋一くんが

「柚季ちゃん、ちょっと」

と柚季ちゃんを呼び

 

「え…っ」

「今、何てーー」

と言う柚季ちゃんに

 

「うん」

「ずっと、考えてたんだけど…」

「この店を、一度たたもうと思ってる」

と言います

 

驚いた柚季ちゃんは手に持っていた

パンが載ったトレイを落としてしまいます

 

「え…」と言ったまま

身体が動かない柚季ちゃんの落としたパンを

拾いながら

 

「ずっとさ」

「好きなものを好きなだけ作ってきたけどさ」

「ちゃんと収益上げて、地に足つけて生きるなら」

「今のままじゃダメだしさ」

と話す洋一くん

 

コスパが悪すぎるパンに

古い建物でムダにかかる光熱費や修繕費

駅から遠くてお年寄りが多い地域だから

メインのハード系がなかなか売れない…

 

「いっそこの土地を売って

駅近の立地の良い場所に

10坪程度の小さな店舗

貸りた方が良いんじゃ

ないかって思ってる」

 

「いつまでも中途半端に

この店にしがみついている

わけにもいかないし」

 

「ーって」

「聞いてる?」

と言う洋一くんに

 

「や…びっくりし過ぎて

頭ついていってな…」

と返す柚季ちゃん

 

「だよね」

「生活、一変しちゃうしね」

と言う洋一くん

 

柚季ちゃんが

思い入れがあるお店を手放すのかと

洋一くんに尋ねると

「手放したくないけどさ」

「だって結婚するんでしょ?」

と言う洋一くんの問いに

 

「えっ」

と言う柚季ちゃん

 

「高名、説得して会社名義の金を…

とも思うけど」

「その金を結局食いつぶしていくのも何だしさ」

 

「現実的な行動取らないと」

「柚季ちゃんのご両親にも信用されないだろうし」

と言う洋一くん

 

ちゃんと考えてる洋一くん

 

このことを友達に相談する柚季ちゃん

友達からは”のろけ”と捉えられ

モヤモヤ

 

友達から別れ際

「あ、そうだ!」

「こないだ柚季んとこで買った

クルミぎっしりのパン」

「あれ、おいしかった‼︎」

「私、あのパンが一番好きかも‼︎」

と言われます

 

柚季ちゃんが

「『アインパッケン』?」

と聞くと

 

「あーうん」

「そんな名前のパン」

 

 

「アインパッケン」は

洋一さんが

一番手間ヒマかけて作るパンだ

 

質の良いたっぷりのクルミと

イチジクの赤ワイン煮を

生地に練り込んで19時間

 

じっくり低温で

発酵させた後

 

皮生地で包み込み

成形後

更に60分発酵

 

それを

オーブンで45分焼く

 

 

おいしそう〜♡

 

しかし店頭に並べると

美奈子さんたち常連さんからは

値段が高すぎると言われ買ってもらえません

 

「この値段でも大赤字なんだけどなぁ〜〜」

と心の中でつぶやく柚季ちゃん

 

「あれ?」

「イチジクの種類変わってる」

と言う柚季ちゃんに

 

「ブラックとホワイト両方混ぜてみた」

と言う洋一くん

 

 

毎回、試行錯誤して

 

何の利益も生まない

手間ヒマかかる

このパンを

 

洋一さんは

ひときわ

楽しそうに

焼いている

 

うちで一番

コスパの悪いパン

 

 

「ねえ」

「『コスパの悪過ぎるパンを切り捨てる』って言ってたけど…」

「『アインパッケン』ももう焼かないの?」

と洋一くんに言う柚季ちゃんに

 

「そうなるね」

と答える洋一くん

 

ガラガラガラとお店の戸が開く音

 

「いらっしゃいませー」

「あ、福永さん‼︎」

と柚季ちゃん

 

「やっほー」

と福永さん

 

「ごめんなさい」

「『アインパッケン』まだ焼き上がってないんですよ」

と福永さんに言います

 

「あら、そうなんだ」

「どうしよう」

と言う福永さんに

 

「私、帰りにお宅まで届けましょうか?」

「おそくなっちゃいますけど」

と言う柚季ちゃん

 

「ほんとに⁉︎」

「ありがとう」

と言う福永さん

 

*******

 

「原です」

「こんばんはー」

と福永さんのお店にアインパッケンを届けにきた柚季ちゃん

 

小さなリフォーム店を営む福永さん

女手一つで育てた息子さん達も独立し

今は一人暮らし

 

「柚季ちゃん!」

「ごめん、今ちょっと手がはなせないの」

「お茶入れるから上がって待ってて!」

と福永さんに言われ

お店の奥の台所に行くと

男性が新聞を座って読んでいます

 

柚季ちゃんを見て

「あれ、お客さん?」

「私はもう帰るので

どうぞごゆっくり」

と言って帰っていく男性


「ーーーああ、アレ?」

「元ダンナなの」

と福永さんから聞き

 

「えっ」

と驚く柚季ちゃん

 

「息子が独立してから

会社帰りにうちにご飯だけ

食べにくるようになっちゃって」

と話してくれる福永さん

 

「いわゆる…円満離婚って

ヤツだったんですか…?」

と尋ねる柚季ちゃんに

 

「まさかー!」

となかなかな修羅場だった様子^^;

 

福永さんは柚季ちゃんが持ってきた

アインパッケンの香りをかぎ

 

「ん〜〜〜〜〜♡」

「コレコレ!」

と幸せそう^ ^

 

柚季ちゃんに

「良かったらちょっと付き合わない?」

「いいワインがあるのよ」

とワインを見せて誘ってくれます

 

アインパッケンをスライスし

クリームチーズをトッピング

ハーブを散らして

ワインのお供を作りながら

自分のことを話してくれる福永さん

 

アインパッケンをつまみに聞く

福永さんの話が深くてカッコイイ♪

 

「また、お店に買いに行くわね」

「今日はありがとう」

と福永さん

 

柚季ちゃんは帰途

 

 

「アインパッケン」を

焼かなくなったら

福永さんはもう

店に来てくれなくなるだろう

 

洋一さんは

大事にしている物を

案外、簡単に

手放そうとする

クセがある

 

諦めが早いのか

そもそも執着が薄いのか

 

と思いながら歩いていました

 

 

厨房での洗い物を終え

洋一くんと高名くんがいる

店の奥に行こうとしていたら

二人が話している会話が聞こえてきました

 

高名くんが洋一くんに

「えっ」

「お前、最近 純ちゃんと連絡取ってんの?」

と聞いています

 

洋一くんは

「SNS来たから返信しただけだよ」

と答えていました

 

それを聞いて驚く柚季ちゃん

 

高名くんは

「焼けぼっくいに火がつくとか…」

と煽ってきますが

 

「無いから💢」

と洋一くん

 

さらに高名くん

「その罪悪感埋めようと思ったの?」

「だって柚季ちゃんの急なプロポーズ

受ける理由なんてそれ以外ねえじゃん」

と言います

 

「確かに…

最初はそういう変な勢いも

あったかもしれんけど…

居心地良いから一緒にいるんだよ」

「優しくて良い子だし」

と言う洋一くんに

 

「うわ、ひっでーなお前」

と高名くん

 

「えっ」

「いや…そーゆんじゃなくて…!」

と慌てる洋一くん

 

柚季ちゃんは聞かなかったことにしようと

その場を離れようとしますが

 

一瞬立ち止まり

ガラッと戸を開けます

 

洋一くんと高名くんが固まっていて

「柚季ちゃん…」

と言う洋一くん

 

無表情のままの柚季ちゃん^^;

 

「オレちょっと出てくるわ」

とそそくさと席を立つ高名くん

 

「洋一さ…」

と話し出そうとする柚季ちゃんを

 

「ちょっと待って!」

「ごめん、さっきのは言い方が悪かった」

 

「頼むからあんまりネガティブに取らないで」

と言う洋一くん

 

柚季ちゃんは

「…でも本音でしょう?」

「…ずっと思ってる事を

気を遣わずに話して欲しいって思ってて…

「だから『正直』は悪くない」

 

「でも、洋一さんが感じてる責任は私には関係ない」

「私は、何の犠牲も払ってない」

「洋一さんは私を幸せにしなきゃいけない義務なんてないんだよ」

 

 

「ーって」

「私が順番間違えたからこうなったのか…!」

と話す柚季ちゃんに

 

「柚季ちゃ…」

と話そうとする洋一くんに

 

「一度白紙に戻そうか」

「結婚」

 

「今じゃなくていい」

「必要なら、またもう一度選び直せばいいと思う」

と言う柚季ちゃん

 

か、カッコいい♡

 

「お店の事はしっかりやるし

あとは取り敢えず今まで通りって事で」

「ね」

と洋一くんに言う柚季ちゃん

 

洋一くんは柚季ちゃんが大事とか

キズつけたならごめんと謝りましたが

柚季ちゃんは

「ーうん、わかった」

「ーじゃ、また明日ね」

「おやすみ」

と帰っていきます

 

洋一くんは

「完っペキやらかした…」

と落ち込みます

 

家に帰ってお風呂に入って

「今日は寝よう」

と眠った柚季ちゃん

 

「寝て起きて」

「冷凍しといた

食パンリベイクして」

「バターたっぷりの

ハニーバタートースト食べよう」

とトーストにバターと

はちみつをどばどばかけた

食パンを食べていると

次第に洋一くんに腹が立ってきます

 

「うまい…」甘すぎるけど…

「癒される…」

「ムカつく」

と交互に感情が湧いてくる柚季ちゃん

 

かわいい^ ^

 

「でも」

「言いたい事言ったらちょっとすっきりした」

柚季ちゃん

 

「私も思っている事、

ちゃんと言えてなかったな」

「『結婚して貰う』って、

無意識に遠慮してたかもしれない」

 

”リセットしてみたら

少し怖いものがなくなった”

 

”取り敢えず

今はお店の事だけ考えよう

働こう”

と考えます

 

原文具店に出勤し

洋一くんに

「こないだ言ってた

新しいお店の事なんだけど」

 

「ホラ、この土地を売って

コスパ重視のパン屋を再建しようかって話」

と柚季ちゃん

 

「えっ」

「ーーーああ」

と洋一くん

 

「あの話、まだ生きてる?」

と柚季ちゃん

 

「へ?」

と言う洋一くんに

 

「結婚話がリセットされても

あの話はまだ『生きている』の?」

と尋ねる柚季ちゃん

 

「ーーーああ」

「『生きてる』よ」

「どのみち今のままじゃ限界見えてるし」

と答える洋一くん

 

「うーーーん」

「そうかーーー…」

 

「あれさ」

「もうちょっとよく考えてみない?」

 

「『好き勝手に好きなモノだけ作って、

結果食べていけない』ーか」

 

「『利益重視であれこれ妥協する」

ーかの二択じゃなくってさ」

 

「なんとかその中間をギリギリまで探ろうよ」

と言う柚季ちゃん

 

「理想を言えばそりゃそうだけど」

「でも抜本的にメス入れないと意味ないしなーー」

と言う洋一くんに

 

「…前から思ってたけど」

「洋一さんは諦めが良過ぎると思う」

 

「なんで自分の好きな物に執着しないの」

 

「悔しいけど」

「私はやっぱり

洋一さんのパンを食べると元気になるよ」

 

「だから執着する」

 

「私もあれこれ色々考えてみてもいい?」

と柚季ちゃん

 

「そりゃ勿論」

と洋一くん

 

「時間見つけて

いろんなパン屋のぞいてみるよ」

と言う柚季ちゃん

 

洋一くんに言った通り

いろいろなパン屋さんを訪ねる柚季ちゃん

 

値段、ジャンル、コンセプト

敷地面積、営業形態などさまざまなパン屋さん

 

強気な価格設定

一本4千円のパンが午前中に完売する店もある

 

そんななか

マフィン専門店のお店を見つけます

 

「マフィン」ってパン?お菓子?

「お菓子」だなと思いながらも

「お食事系マフィン」は?

 

試行錯誤する柚季ちゃん

そしてどんどんカッコよくなってくる柚季ちゃん♡

 

これからどうなっていくの?

まだまだドキドキが続きそう

 

本日はこのブログにお越しいただきありがとうございます(^_^)