6年前のこの日

私は、上の子と仙台で二人暮らしだった

地震は、仕事の途中
海外からの留学生を預かる仕事をしていた私は、
そもそも地震に慣れていない彼らの安全確保が仕事だった

我が子のもとへ飛んでいきたい
抱きしめてやりたい
小学校の先生、お願いします、お願いします、と
つぶやきながら仕事した

2時間たって、会社は私を先に帰らせてくれた
雪が降り始めた中、いつもは電車通勤する距離を
歩いて歩いて歩いて歩いて…
小学校のグランドに、近くのスイミングスクールのバスがあった
この雪の中を外で待ってたんじゃなかったと泣いた

みんなお迎えがきていて、最後の二人になっていた
どんなご縁か、もう1人はモンゴルからの留学生のお子さんだった
モンゴル語で話しかけたら、少し表情が緩んだ

この雪の中、体育館で寝るんだから、と
布団をたくさん持って行った

ストーブは暖はほとんど期待できないけれど
ストーブの炎が、日常の生活も消えてはいないよ
と話しかけてくれているような気がした

この日は、市内の電気がなかったから、星空がよく見えた
「きれい…」
あんな自然災害の後なのに
自然になぐさめられている

夜、大勢が泊まる小学校の体育館で
2週間前にきてた生理がまた来て
体もびっくりしてるんだと、驚いた

子どももやはり疲れたようで
こてんと寝入ってしまった
この今そばにいる時間をできるだけ長くしよう

それがこの子が受けた衝撃を最も小さくできる手立てだろうと思いながら

寝つけない夜を過ごした