「診療室にきた赤ずきん」読み終わり過去に限る必要はありません。人生の節目節目に自分に合った童話や昔話を見つけてください。誰の心の中にも小さな主人公たちがいて、皆さんに呼び出されるのを待っています。あるいは、小さな主人公たちは、皆さんの心の中ですでに活躍を始めているかもしれません。人によって、長い人生の中、いつか多少心の問題があるはずです。そういう場合は自分が昔話や童話の中の主人公と同じミスをしていると気づいたら、自分でも解決できる。そういう能力が大切です。これから、人と接触しているうちに、心理学から考えたいんだ。
診療室にきた赤ずきんー不思議の国の精神科医(下)幼いときに心引かれた物語が、きっと皆さんの人生を導いてきたことに気づくはずです。人生のおりおりに鍵となったお話があったことに気づくはずです。人には誰にでも「自分の物語」があるのです。
診療室にきた赤ずきんージャックと豆の木「ジャックみたいに金のハープを持って帰らないのは僕にとってはいいことだけど、手ぶらで帰ったんではジャックみたいにお姫様と結婚できませんよね」そこで私が「生き馬の目を抜く東京だってあなたは言いましたけど、親切な大家のおばさんがいたでしょう。おばさんの親切さが、あなたにとっては金のハープだったのかも知れませんよ」と言うと、彼は「そうかあ。じゃ、お姫様と結婚できるんだ」と笑いながら言い、帰って行ったのでした。
診療室にきた赤ずきんーつる女房「借り」は返してしまえば終わりです。ただ、多くの人が自分の結婚にそのような「不純物」が混じっていることを認めたがりません。そして、そのことを人、ことに夫には知られるのを嫌います。「不純物」の混じっていることに自ら気がつくとき、たいていは本当の結婚が始まるのです。
診療室にきた赤ずきんーいっすんぼうし不利な条件を背負っている子供は、そういう自分を誕生させた親に守られていることをやめ、自分を誕生させたという不利な条件を背負っている親を守ろうとすることがあるのだということです。子供の自立が親に対する思いやりと手を携えて実現することを教えてくれたように思います。