2021年8月末、働いていた会社を退職する。
アルバイトの時から働き続け新卒として採用され働き続けた会社だ。
時は6年前の4月に遡る。
大学1回生にこの会社にアルバイトとして入った。
この会社と大学が提携しており、入学式の際に斡旋で面接をしてくれるとアナウンスがあった。
誰もが知っているであろうこの会社、それ自体にも魅力があったが、それ以上に今までの自分の性格ではすることの無いような仕事内容に惹かれた。
自分にできないのであれば面接で落とされるだけ。そういった軽い気持ちで面接を受け、なんとその日に採用された。
受かった時の驚きと希望は今でも鮮明に覚えている。
受かったからには全力で働こう、自分を変えていこう、そう思い初日の研修に参加した。
この会社は、コミュニケーションが必要とされる職場で、高校生まで口数は少なく周りに馴染めずにいた自分からすると苦難の連続だった。
研修初日から自分の苦手としている事を練習した。
写真に映されたお客様に対してどのように話しかけるか、どのような表情をするか、どのような気持ちで話を聞くか。
また、同じ研修仲間と2人1組を作りその2人で実践的なコミュニケーションを取るというような事もした。
人見知りの自分には初対面の人との会話だけでも気苦労するのに、実践的なコミュニケーションとなるととても気力を使った。
その時ペアになった人が今の恋人であるがこの話はまたの機会に。
初日から心が折れそうにはなったが、負けず嫌いな性格や自分自身の変に高いプライドのおかげで続けることができた。
最初こそはこのような有様であったが、働いて慣れていくにつれて不安や、苦手意識は薄れ次第に仕事を楽しむようになっていた。
この会社で自分が働いているという誇り、お客様と接して良い反応が得られた時の達成感。
そういったものに魅せられ、原動力になりその仕事にのめり込んだ。
そして気がつけば大学卒業の時期まで来ていた。
大学で金融系を専攻していた自分には金融業界の仕事の内定もあり、そちらに進むこともできた。
しかし、自分の中ではこの会社に入るという事しか頭に無かった。
今まで自分がアルバイトとして見てきた社員の姿は今まで以上にやりがいが感じられるように見えていた。
給料は決して高いとは言えるものではなかったが、このやりがいさえあれば、働き続けることができる、そう信じてやまなかった。
しかし、現実は違っていた。