授業を聞いたり、参考書を読んだりすることはインプットに該当しますが、それだけでは知識はなかなか定着しません。
その後に、問題を解いたり、自分の言葉で説明したり、学んだことを思い出して書き出すといったアウトプットを行うことで、脳が情報を「必要なもの」と判断し、記憶が強化されます。
このように、アウトプットは学んだ内容を定着させるうえで非常に重要なプロセスです。アウトプットを通じて知識が整理され、応用力や思考力も鍛えられるため、学力の向上に直結します。
アウトプットは、できるだけ学習したその日のうちに行うことが理想です。
なぜなら、人間は時間が経つと記憶した内容を忘れてしまうからです。これを説明する理論として有名なのが、「エビングハウスの忘却曲線」です。
この理論によれば、人は学習した内容の約50%を、わずか1時間以内に忘れてしまうとされています。ただし、短い間隔で繰り返し復習することで、忘れるスピードを遅らせることができるということも分かっています。
記憶を定着させる「効果的な復習サイクル」
学んだことを長期記憶に定着させるためには、定期的な復習が必要です。おすすめの復習タイミングは以下のようなステップです。
1回目 学習当日(インプット直後)
2回目 1日後
3回目 3〜5日後
4回目 1〜2週間後
5回目 1ヶ月後
6回目 2〜3ヶ月後
このように、間隔を少しずつ空けながら復習する「間隔反復(スペースド・リピティション)」は、記憶の定着に非常に効果的です。特に、英単語や漢字などの暗記系の学習には大きな効果があります。
復習方法は人それぞれですが、以下のような工夫をするとさらに効果が高まります。英単語や漢字、数学について例をあげますが、他の教科も同様に工夫して取り組んでみてください。
英単語:単語だけでなく、その単語を使った例文を覚えることで、文脈の中で使えるようになります。
漢字:読み書きだけでなく、実際の文章の中で使われている例を確認すると定着しやすくなります。
数学:同じ問題を繰り返すのも有効ですが、ある程度理解できたら、少し難易度の高い類題にチャレンジすることで応用力が身につきます。
また、「人に説明するつもりで復習する」という方法も非常に効果的です。自分が本当に理解しているかどうかを確認する手段になります。
勉強が「できる」ようになるためには、インプットに加えてアウトプットを意識的に取り入れることが大切です。そして、そのアウトプットや復習はタイミングと方法が重要です。
正しい復習のサイクルと効果的な方法を実践することで、記憶はしっかりと定着し、確実に学力アップにつながっていきます。