時刻はとうに十を回り半ば、俺はこの国の津々浦々、特に国道沿いに出現する緑色の看板の建物からやって来たマットレスの上に横たわり、この文章にペンを走らす、ではなく指で文字を挿入する。
大都市を夜間飛行ではない、24時間回転し続ける店の夜の部を俺は担い、任務を遂行した。安酒を煽り、話すはずのない一言一言に後悔しながら空想、妄想、俺の安い思想を語る。
俺の夜は長い、俺の朝はない、俺の昼は晩夏に見る蜃気楼のように曖昧。見たことのないものに想いを巡らせ永く暗い夜を潰す。夜は別に好きではない。好きなのは深夜ではなく日付が新しくなる時である。深夜は完璧だとディスクジョッキーの影が言った。俺はそうは思わない。俺にとっての深夜は惰性、ディレイをかけただけでフェードアウトしようとするアウトロのようなものである。
