新年、あけましておめでとうございます。
またまた間が空いてしまいましたが、前回は中世まで話が進みました。中世美術は神の崇高さを表現するため、表現主義に振れました。 これまでの流れを大雑把に振り返ると、、、 ・古代ギリシア:表現主義→自然主義 ・古代ローマ:自然主義→表現主義 ・中世:表現主義→… という流れでした。とすれば、次は自然主義ということになりますが、実際歴史はその方向に流れを変えます。ルネサンスの到来です。 ルネサンスという言葉自体は復興を表します。十字軍を通してイスラムの進んだ文化が流入することになります。それは古代ギリシア〜ローマの自然主義的な文化に根ざしたものでしたから、ルネサンスの文化傾向は自然主義に傾くことになります。 十字軍を通して、キリスト教の神が相対化されたこともあるでしょう。歴史的に見ればキリスト教の神とイスラムの神は同じ神です。ムハンマドはキリスト教徒を、同じ神から既に啓示を受けている人々としては尊重しました。しかしキリスト教徒からすると、イスラムは神から間違ったメッセージを受けた人々となり、駆逐すべき対象でした。 にもかかわらず、中世ヨーロッパの人々から見てイスラム国家は強大であり、文化的にも洗練されて見えました。ここに自分たちの神への疑義が生まれます。イスラムやビザンツに保存されていたギリシア、ローマの文明が再評価され、時はルネサンスへと移行します。実際の過程はそれなりに複雑なものではありましたが、ルネサンスの自然主義のおおもとに自分たちへの神への疑義があると考えてよいでしょう。 絵画における具体的な発露としては、やはり遠近法が挙げられるでしょう。中世においても遠くのものは小さく、近くのものは大きく見えていました。しかし中世人は偉大なものを大きく表現し、か弱いものを小さく描きました。それに対して、ルネサンス人は目に映る様を「自然に」描こうとしたのです。 時代は大きく自然主義にシフトチェンジしました。